「年増」組の誘惑作戦と、光の考えた「お礼」とは?
光がソフィーに声をかけた。
「じゃあ、作戦をお願い」
「ソフィーと、春奈さん、白蛇精と弁財天様で、晃子さんも当然残って」
「僕たちは、下のリビングに行く」
そして、ソフィーたちの了解など、確認もない。
そのまま、ソファから立ち上がり、スタスタと二階の大広間を出て、階段を下りてしまう。
また、「若いほうの巫女たち」も、全く振り返ることはない。
光について一階のリビングにおりてしまった。
二階の大広間に残されてしまった「年増」たちは、あ然、むくれている。
ソフィー
「あの態度は何?」
春奈
「マジで冷たい、作戦が終わったら正座させて説教する」
白蛇精
「マジで押し倒したいけど」
弁財天は最初はむくれていたけれど、それでは話が進まない。
「あのさ、その前に作戦だよ、夜の酒場作戦にしよう」
「とにかく傲慢ワグネリアンを夜の酒場に連れ込む」
晃子
「そこで、何か仕掛けるの?」
ソフィー
「春奈さんが、薬師の力を使って、誘惑の薬を作るとか?」
春奈
「ああ、それは得意、でも光君には通用しない、アホだから」
白蛇精
「私が傲慢女好き男の誘惑係?そうかなあ、身体はこの中で一番セクシーかな」
弁財天
「うるさい!光君には通用しなかったくせに!」
晃子
「確かに胸も脚もお尻も負けるなあ、メイクも負ける」
白蛇精
「レッスンしようか?教えてあげる」
春奈
「こら!先に作戦でしょ!余計なことしている暇はないの!」
弁財天
「ちゃんと作戦をして!傲慢ワグネリアンをつぶさないと、お礼がないの」
「いい?光君が珍しくお礼をするって言うの、期待しようよ」
ソフィーが混乱しがちな話を整理し始める。
「まずは春奈さんの作る惚れ薬を、晃子さんが傲慢ワグネリアンに飲ませる」
「その惚れ薬は白蛇精だけに反応するもの」
「と同時に、晃子さんには、見向きもしなくなるもの」
「その白蛇精は、夜の人が大勢いる夜の酒場にいる」
「ところで、招待状は?」
弁財天がソフィーの顔を見た。
「ソフィーがポン引きに変装、吉祥寺駅にいて、誘導する」
「観音様の巫女、どんな格好にも変身は可能でしょ?」
春奈がソフィーに皮肉。
「あら、警察官がポン引き?面白い、写真に撮りたいなあ」
ソフィーは、またしても大ムクレになっている。
さて、二階の大広間では、年増たちが作戦を懸命に考えているけれど、一階のリビングでは、若い巫女たちが、しっかりと結界を張って大笑いになっている。
由香里
「その光君のお礼ってさ、マジに笑える!」
由紀
「確かに池に住む弁財天とか白蛇精には、栄養になるけどねえ・・・」
華奈
「マジで100円だよ、鯉のエサだもの」
キャサリン
「それを二階の大広間では、すごく素晴らしいものと思って、マジに議論していると・・・」
サラ
「光君、鯉のエサと見抜かれる前に、恋のごほうびって言ってみたら?」
春麗
「実に・・・悪だくみで面白い」
柏木綾子は、笑いながらも不安。
「また弁財天様に怒られそう」
ルシェールは笑う。
「怒られたら、エサもあげないかな」
ただ、光は、途中から面倒になったようで、眠ってしまった。




