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異変、弁財天と白蛇精の出現

「肉厚のお姉さん」と聞いてチンプンカンプンの晃子は、春麗と光の顔を見比べる。

「ねえ、そんなお姉さんがいるの?」


光は苦笑い。

そして、また意味不明なことを晃子に言う。

「ねえ、晃子さん、弁財天って知ってる?」

晃子はキョトン。

「うん、七福神の?」

「井の頭公園にも上野にも、鎌倉にも」

「およそ、池があるところには見かけるけれど?」

「音楽芸能の神なので、いつも見かければ、ご挨拶はしてきたよ」

光は晃子の顔を見た。

「晃子さんって、井の頭公園の近くだよね、住んでいるの」

晃子は、光に頭を下げた。

「うん、以前、化粧品会社のトップのお抱えマンションだったけれど、とにかくひどい目にあって、光君に助け出してもらって」

「それから後は、光君の近くに住もうと思ってね、井の頭公園近辺のマンションにしたの、弁財天様もおられるし」


ルシェールが光に声をかけた。

「来てもらったら?お二人に」

春奈もルシェールの意見に頷く。

「光君の話、まどろっこしい」

他の巫女も、頷いているので、光は仕方がなかった。

いきなり両手を胸の前で合わせる、阿修羅の合掌のポーズを取る。


すると異変が起こった。


まずは、目も開けられないほどの眩い輝き。

その次は、古代のような笛と弦、琴の音。

フルーツの甘い香りが二階の大広間に漂う。


そして鈴を鳴らすような美しい少女の声。

「光君!お呼ばれに来たよ!」

「肉厚のお姉さんも連れてきた!」


その声に呼応して、今度はもう少し大人のしっとりとした美しい声。

「その肉厚って言い過ぎ、妖艶な身体とか美肌とかでしょ?」

「せっかく愛しの光君の前に来たのに、最初からそれはないでしょ?」


光は、晃子に声をかけた。

「晃子さん、目を開けて」

晃子は、まだ眩しいようで、ゆっくりと目を開ける。

そして、キョトン。

「え・・・?マジに弁財天様?衣装は同じ、でもメチャ若い」

「それと弁財天様のお隣に・・・うわ・・・」

「メチャ・・・セクシー・・・中華ドレスの超美人?」


華奈が、晃子に声をかけた。

「ところで、晃子さん、目の前の女性二人は、この世の女性ではないけれど、見えるの?晃子さん、その能力あったっけ?」

晃子は、素直に答えた。

「いや・・・そういう霊感には疎いはずなんだけれど」

「何かなあ、去年、光君に助け出してもらってから、何となくボンヤリと見えるようになった」

「それでね、今、目の前に見えているお二方は、実にはっきりと」


光が晃子に、「お二方」を紹介する。

「弁財天様はおわかりですよね、もう一人は古代中国からの有名な白蛇精様」


弁財天が晃子に声をかけた。

「晃子さんは、ずっと護って来たの」

「いつも通り掛けに真剣に拝んでくれるし、冷たい光君とは大違いで」


光は、知らんぷり、横を向いている。

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