合唱コンクールに向けて(1)
墨田川に屋形船を浮かべての「船上丼飯パーティー」も終了。
家に戻った光に由紀が声をかけた。
尚、キャサリン、サラ、春麗も、由紀から声をかけられたので、同席している。
由紀
「ねえ、合唱コンクールなんだけど」
光は思い出したようだ。
「ああ、指揮?ピアノ?どっちをやればいいの?」
由紀
「その前にね、キャサリンとサラ、春麗も合唱コンクールに出たいみたい」
「合唱部にも内諾を得た」
光
「うん、いいよ、厚みが出るし」
キャサリン
「ありがとう、歌も歌いたかったから」
サラ
「同じく、後は自由曲だけ決める?」
春麗
「去年は、シカゴやって優勝したんだよね、聴いたけれどすごかった」
由紀
「でね、光君、何かいい曲ないかなあ、浮かばなくて」
光は少し考える、何か浮かんだような顔になった。
「リードヴォーカルのパワーがある人が欲しいなあ、できれば男声・・・バリトン」
キャサリンが光の顔を見た。
「・・・となると・・・曲の目当てがあるの?」
サラ
「男声リードヴォーカル、バリトンでパワーを必要とする曲・・・」
春麗がひらめいた。
「ビリージョエルとか?」
「曲はオネスティみたいな?」
光は、にっこりとする。
「うん、ハーモニーも合わせやすい、合唱部のみんなの意見も聞かないと」
「それとピアノも重要」
由紀は腕を組んだ。
「それで・・・ピアニストか・・・光君がピアノを弾いてしまうと・・・指揮がいない」
ただ、そんな話をクラスメンバーだけでしているので、他の巫女、特に華奈は気に入らない。
「私の存在を、どうして無視をするの?呆れる!」
その華奈を、お姉さま巫女がたしなめる。
春奈
「華奈ちゃん、合唱の前にヴァイオリンの練習をしなさい、足引っ張ってばかり」
由香里
「いつも華奈ちゃん、周りとテンポがずれる、その前に子供声過ぎる」
ソフィー
「お母さんの美紀さんが嘆いていた、光君との恋占いばかりで、実質的な努力が皆無って」
さて、ルシェールが、話を遠巻きに聞いているだけの柏木綾子に声をかけた。
「ねえ、綾子ちゃん、ピアノ上手じゃない」
「合唱部に参加したら?」
柏木綾子は、真っ赤な顔。
「いえ・・・恐れ多くて・・・」
「私・・・人前でピアノなんて」
ルシェールは、その柏木綾子の腕を引き、ピアノまで誘導。
「大丈夫、私に任せて」とタブレットを前に置く。
柏木綾子は、驚いた。
「え?オネスティの楽譜をダウンロードしたの?」
ルシェールは、ウィンク、柏木綾子は、そのままオネスティを弾き始めている。




