お茶の水駅界隈の散歩(1)
一行は、井の頭線で吉祥寺駅に、吉祥寺駅から中央線に乗り換え、お茶の水駅に到着した。
聖橋口から階段を上り、最初の目的地の老舗立ち食い蕎麦店に入る。
光
「言った通りでしょ?全員入れば満員、僕はザル蕎麦」
春奈
「券売機で買うんだ、こういうのも立ち食い蕎麦って感じが出る・・・月見蕎麦」
ソフィー
「ゴチャゴチャ言わない、私は天ぷら蕎麦」
ルシェール
「全部乗っている明神蕎麦にする」
由香里
「たぬきも捨てがたい、たぬきにする」
由紀
「いか天蕎麦が美味しそう」
そんな感じで、それぞれ券売機で券を購入していく。
尚、華奈はコロッケ蕎麦、綾子は山菜蕎麦、キャサリンは天玉蕎麦、サラは肉蕎麦、春麗はちくわ天蕎麦。
尚、全員が美味しいようで、食が進む。
「蕎麦の汁もカツオ出汁がいい感じ、あまり醤油感はない」
「こういう気取りが無い店も好き」
「マジに美味しい、女の子一人は入りづらいけれど
「うん、お兄さんとかオジサンばかりのイメージがあった」
「値段は超お手頃、出てくるのも早い、それに美味しい」
「あ・・・スープ飲み干しちゃった・・・」
「楓ちゃんなら、二杯はいけるかも」
「それでますます熊さんに?」
「日本の食文化もいいねえ、値段や見てくれでない充実感」
「うーん・・・癖になりそう、この感じ・・・」
そんな感じで全員が満足して店を出ると、光。
「駿河台の坂をおりて神保町に行ってもいいし、すぐ近くにニコライ堂や湯島聖堂、来る前に話題になった神田明神もあるよ」
ルシェールが話をまとめた。
「サラはギリシャ出身だから、ニコライ堂も正教、行きたいよね」
「春麗は、母国の孔子像がある湯島聖堂は欠かすわけにはいかない」
「それと、何度もお世話になっている神田明神には、お礼をしましょう」
光からも、巫女からも異論はない。
まずは至近の距離にあるニコライ堂に向かうことになった。
サラがルシェールにお礼。
「ありがとう、ルシェール、カトリックなのに神経を使ってもらって」
ルシェールは柔らかく返す。
「これもイエス様の御導き、慣れ親しんだ正教がサラの元気になるかなあと」
「あまりこだわる必要はないかな」
そこまでは良かった。
光がその途中の丸善の前の露店ショップに入ってしまった。
そしてキャサリンを呼ぶ。
「ねえ、いろいろ洋書があるけれど?」
キャサリンが「え?」と言いながら入ると、確かに様々な洋書、グラフ誌までたくさん並べられている。
「うわーー!これ!欲しい!ファッション誌から何から・・・」
その他にも、様々なバッグや小物類が安価で売られている。
キャサリンは当然として、巫女たちはしばらく、立ち止まることになった。




