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演奏開始前(1)

上野の小ホールで、演奏前のリハーサルが始まった。

光は、一音一音、ホールでの響きを確認するように、鳴らしている。

客席には、小沢氏、内田先生、音大学長、ヴァイオリニストの晃子が座っている。


小沢

「うん、これは音楽というよりは、響き方を試している」

内田

「さすがだね、光君、最初のリサイタルで余裕がある」

音大学長

「ニュアンスは本番まで取っておく感じだね、今からスパートしても意味がない、下手な演奏家はリハーサルで真面目にやりすぎて疲れてしまうけれど」

晃子

「いつも光君は、そんな感じです。本番以外は超冷静で、本番は爆発する」


尚、巫女たちは全員ロビーにいる。

それは光君に余分な気遣いをさせたくないという暗黙の了解があったため。

それでもたまに会うので、話が弾む。


ニケ

「控室に葉唐辛子のおにぎりと、干し柿置いたよ、リハーサルが終わったらみんなで」

圭子

「ニケ、ありがとう、変な仕出し弁当より、よほどいい」

奈津美

「光君は干し柿も好きだったよね、食べている顔も可愛かった」

ルシェール

「レセプションは、干し柿を使ったお菓子も出します、鎌倉風かな」

華奈

「でも、私、ドキドキがおさまらない、演奏しないのに」

美紀

「うん、最近はひ弱な光君ではないけれど、やはり心配」

由香里

「そうね、私も、自分のことより心配」

由紀

「光君は本番は強いから、でもソロはほとんどなかったからなあ・・・」

綾子

「いまさら、光さんを信じるしかないです」


キャサリンは、自分たちのほうに歩いて来る岩崎華を見た。

「あの子も。表情が緊張している感じだね」

サラ

「まあ、終わるまで全員、そんな感じかな」

春麗

「とにかく演奏だけは光君の思い通りに、私たちは邪魔をしない、邪魔を誰からもさせない、完全警護にしようよ」


さて、警護の仕事がメインとなるソフィーは、外に出て江戸の大親分と、坂口氏と最終確認。

ソフィー

「現状では爆発物は確認できません」

江戸の大親分

「変な輩は、俺と子分が身体を張って止めるから、心配するな」

坂口氏

「オリンピック級の弟子を集めた、安心してくれ」


ソフィーが安心して頷き、夕焼けに染まり始めた上空を見ると、不思議な雲があちこちに浮かんでいる。

「あらら・・・鳥神カルラ様」

「その上に八部衆の面々・・・」

「それから・・・」


ソフィーは八部衆の面々以外にも、おなじみの異形を発見。

「お地蔵様と金剛力士様二体が降りてきた」

「それから四天王様は浮かんだまま、下界を監視している」


すでに夕闇、ソフィーは異形の一体一体に、深く頭を下げている。


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