表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/303

マスコミには極秘にする理由

官邸からの承諾メールを受け取った光は、厳しい表情のまま。

「現時点では極秘にしたい、特にマスコミ、リークしたがる官僚」

「不正確で憶測でしかない報道を垂れ流しにされると、危険極まりない」

「官僚自身が、秘密を漏洩する場合もある」


国家公務員でもあるソフィーには耳が痛い話になるけれど、「極秘」の重要性は、よくわかる。

「どうでもいい話は、ガラス張りでもいいけれど」

「社会的混乱を招くような話は、情報公開になじまない」

「犯罪者と犯罪被害者の報道でも、毎回に問題になる」


教師でもある春奈が、口を開いた。

「そうだよね、マスコミは、とにかく謝罪を求める」

「犯罪者の家族も、会社も、直接関係なくても、謝罪を求める」

「少しでも謝罪会見が遅れるとか、あいまいな態度を取ると、鬼の首を取ったように怒鳴り、記事にする」


由香利が、春奈を補足した。

「いや、犯罪者だけではなくて、ひどいのは犯罪被害者まで、強引で恫喝的な取材の対象にする」

「少し前に、小学校のバス登校中の生徒が襲われた時でも、マスコミは管理不足として小学校に謝罪を求め、そこの小学生が震えてバスに乗っている写真を撮った」


由紀は、ため息をついた。

「報道の自由はあっても、責任は取らない」

「よほどのことでないと、謝罪会見を自分たちは開かない」

「地球が大隕石で破壊される可能性があるなんて、報道されたら、マジに大混乱するよね」


柏木綾子は難しい顔。

「法律とか守らない人も出てくる」

「どうせ地球が壊滅するから、何をしてもいいとか」


キャサリンは目を閉じて考える。

「特に地球壊滅を信じる人たちによる社会的混乱は避けられない、しかし、その人たちとて、社会的混乱を引き起こして、何の特になるのか」

サラ

「一時的にでも、豪華な暮らしをしたい、そのためには犯罪行為をしても、どうせ地球は壊滅するから、どうでもいい・・・そんな感じ?」

春麗は哀しそうな顔。

「自殺者も増えるかも知れない、先行きを悲観して」

「仕事にも励まなくなるのは、当たり前」

「学生は勉強もしなくなるだろうね」


光は、また別の観点を示す。

「この世を諦め、あの世での幸福を約束するとかで、法外なお布施を要求する坊主も出てくるかな、あちこちでね」


ずっと黙っていた華奈が、光に尋ねた。

「ねえ、光さん、それでお布施を払ってしまうと、地球壊滅がなくなった場合に、余分のお金は戻って来るの?」


光は、軽く首を横に振る。

「絶対戻って来ない」

「地球壊滅を防止したのは、お布施の功徳とかにする」

「それどころか、感謝のお布施まで請求するだろうね」


光と巫女たちが、そんな話をしていると、玄関のチャイムが鳴った。

そしてインタフォンから大財閥当主岩崎義孝と、孫娘華の声。

華奈がいつもの通り、動きが速い。

「はーい!」と玄関までダッシュ、ドアを開けている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ