正月は伊豆の温泉に 大隕石対策の実務開始に向けて
翌朝になった。
朝食の場で、光が「巫女全員に連絡事項がある」と言うので、巫女たちは少々緊張気味。
ただ、連絡事項としては、「緊張する」ようなものではなかった。
光
「伊豆の奈津美叔母さんから連絡があった」
「お正月にまた、全員を招待しますってこと」
「去年、泊まった人はわかると思うけれど、大きな温泉」
「都合がつかなければ仕方ないけれど」
巫女たちの反応は即時だった。
全員が挙手、つまり参加の意思を示す。
光は満足そうな顔。
「奈津美叔母さんには、僕から連絡しておく」
そして、真顔になる。
「それまでに、僕のコンサート、学園のコンサート、文化祭もあるかな」
「ルシェールの教会でのクリスマスコンサートも頼まれている」
「あとは、大隕石のこともあるけれど」
巫女たちは、また顔が緊張するけれど、その中でソフィーが光に尋ねた。
「ねえ、光君、お正月の話が出るということは?」
「一番心配なのは大隕石のことなの」
光の目が、恐ろしいほど輝いた。
「うん、仕掛けは完了した」
「後は措置を実行するだけ」
「多少の地殻変動とか、天候不順は最小限に抑える」
「それでも発生する人の世界の混乱も最低限に抑える」
そして、少し笑顔。
「クリスマスのコンサートの日までには、全て解決して、楽しいお正月を迎えたい」
ルシェールが、口を開いた。
「つまり、落ちついて、一つ一つ対処すれば、懸案は片付く」
「慌てないことかな」
春奈は腕を組み、考える。
「地球温暖化とか、台風の大型化とか、異常な降水量も、その大隕石も関係するのかな」
ソフィーは政府として、考えることがあるようだ。
光に声をかけた。
「ねえ、光君、官邸に出向こう、何らかの措置が必要なら」
「日本だけですまないと思うけれど」
キャサリンも反応した。
「アメリカ政府も当然動かないと」
サラは、厳しい顔。
「宗教界も、無駄な混乱を招くような言動を抑えないと」
春麗は国際会議が必要との考え。
「国連を通じて、メッセージを発する必要がある」
「国際間の混乱を起こしている場合ではないから」
光の結論は、早かった。
「そうだね、まずは首相と官房長官、関係大臣」
「宇宙分析をしている研究者、その関係の官僚」
「それと・・・現実的な設備を設置する企業関係者」
ソフィーは、即時に官邸に連絡を取り、「承諾」メールを受け取っている。




