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ルシェールの関西弁、光の仏教解説

少々重苦しい雰囲気をはらったのは、ルシェールだった。

突然、関西弁で話しだした。


「なあ、みんな、難しいこと考えても、落ち込むだけや」

「美味しいもん食うてな、元気つけなあかんよ」


そのルシェールの関西弁に、光はプッとふいてしまった。

「それもそうだね、元気がないと」


華奈がルシェールの関西弁に反応する。

「そや!暗い顔するさかいに、ますます暗くなるんや」

「なあ、光さん、うちもそう思うんよ」


光は華奈の言葉でも笑う。

「華奈ちゃん、その話し方のほうが、華奈ちゃんらしくて可愛い」

「華奈ちゃんは関東弁だと、おすましって感じだもの」


春奈も我慢できなかった。

「マジにそう思うわ、どうも気取って関東弁ばかり使っとるから肩が凝るんや」

「今度から学園でも、関西の言葉にするわ」


キャサリンは、面白そうな顔。

「あちこち訛りがあるのは、どこの国でも同じ」

「アメリカの英語でも、出身国や住んでいる地域で、相当違う」

サラ

「関西弁のほうが滑らかな感じ、話がはずみそう」

春麗

「なんか、そのまま漫才みたい、聞いていて楽しい」


主に関東育ちの由香里、由紀、柏木綾子は、関西弁が面白いのか、ニコニコしているだけ。


ソフィーは、奈良と鎌倉の半々程度なので、いろいろ考えることがある。

「さすが、ルシェール、パッと雰囲気を変えた」

「ただ、関西弁を使っただけなのに」

「落ち込んでいた春奈さんも華奈ちゃんも、一気に元気になった」

「ストレスを言葉のイントネーションだけで、解き放ってしまった」


紅茶とクッキーを食べながら光が全員の顔を見た。


「異変が起こると言っても、そんなにすぐではないと思う」

「しかし、観測はしたいし、そのためにアパートの屋上に、そのための施設を作る」

「状況により、星空がきれいに見える信州に行く、諏訪様にも詣でる」

「何しろ、正確な分析は、正確な対処の基本」

「一つ一つの懸案を、正確に処理すること」

「今回は、全て、それに尽きる」


春奈が、光の顔を見た。

「なあ、光君、その意味で善も悪もない、という意味?」

光は、頷く。

「うん、とにかく冷静さが大切」

そしてソフィーの顔を見る。

「困難や危険に際して、冷静に分析をして、最適の策を実行する」

「それにより、困難や危険から逃れる」

「それが、実は仏教で言う観音力の本質」


ソフィーは、満足そうな顔。

「その通り、アタフタして感情に走って動いても、ロクな結果にならない」


そんな会話の中で、落ち着きを取り戻した巫女たちに、光も柔らかい顔。


「落ち着きとか、冷静とか、希望は、仏法の根本原理」

「難しいとされる修行も、突き詰めれば、これを目指すためのもの」

「めげない心は、不動明王かな」


光の珍しい仏教解説に、巫女たちは聴き入っている。


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