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光vs暴言少女(2) 特にお嬢様には予想外の展開に

「何をした!」

床にいきなり座り込んでしまった赤いドレスの女の子のお付きの紳士の血相が変わった。

そのまま、光の胸倉をつかみ、再び光に怒鳴りつける。

「おい!答えろ!このガキ!」

「答えなければ警察を呼ぶ!」

「とんでもない暴行だ!」

「お嬢様が震えているではないか!」


ただ、そんな雰囲気を周囲の来店客は、あっけに取られている。

「あの高校生の男の子、何もしてないよ」

「むしろ張り手をしようとしたのは、あの女の子」

「それを、あんなに近くで見ていながら、わからないの?」

「それを逆切れして、警察を呼ぶ?」

「ほんと、女の子も女の子だけど、お付きの人も変だって」


しかし、お付きの紳士は、そんな声は聞かない。

「おい!答えろ!」

「何を黙っている!」

そしてグイグイと光の首を絞め始める。


すると春奈がソフィーに目くばせ。

ソフィーは軽く頷き、光とお付きの紳士の横に立った。

「はい、私、公安の者です」

「最初から最後まで、録画してあります」


お付きの紳士は、少し驚いた顔になるけれど、

「そうですか、この少年を取り調べてください」

「とんでもない暴行を、この高貴なお嬢様に」

「見てください、お嬢様が震えているではないですか」

と、ようやく光の首を絞める手を緩める。

光は、ようやく呼吸ができるようになったのか、少しゲホゲホとしている。


ソフィーは、そんな光に少しだけ呆れたような顔。

しかし、紳士に向き直り、かなり厳しい表情に変わる。


「そこのお嬢様、そしてお付きの貴方」

「最初に言ったことを覚えていないの?」

「全て最初から最後まで録画してあるということ」

「もちろん、撮影者である私も見ています」

「この高校生の男の子に、平手打ちをしようとしたのは、そこのお嬢様ですよ」

「それが失敗して、お嬢様は何故か、座り込んでしまった」

「そして逆切れした貴方が、この高校生の首をキツク締めた」

「おそらく格闘技経験者ね、力が強くて、この高校生の首に絞め跡が残っている」


ソフィーのポンポンとした物言いに、お付きの紳士は、ただ押されるのみ。

赤いドレスの女の子にいたっては、まだ震えているのみ。


ソフィーの顔がさらに厳しくなった。

「あなたたちのほうが、暴行罪の現行犯です」

「それと、暴言と名誉棄損かな」

「すでに動画は所轄警察署には送付済み」

「即刻逮捕するべく、銀座の警察署をこっちに呼びました」


お付きの紳士の顔が真っ青になる中、ソフィーはさらに追い打ちをかける。

「あなたたちの財閥の当主にも、動画を送付しましたし」

「警察庁本庁と官邸にも送付しました」


お付きの紳士の腰が、あまりのことでグラつきはじめると同時に、地元警察からの数人の警察官が楽譜売り場に入って来た。

そして、そのままお付きの紳士に「罪状は暴行罪現行犯」と告げ、手錠をかけてしまった。

光は、座り込んで震えるだけの女の子をじっと見つめている。


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