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柏木綾子のアパート同居と、華奈、楓の不満

学園のコンサートから、一週間経過した。

コンサートにて、地球上から全ての生物を消してしまうような意図を持つ悪神との戦いに勝利した光(実は阿修羅)と巫女たちは、2名を除き平穏な心にて生活を送っている。


さて、その不満2名については、まず1人目が華奈。

「マジで気に入らない!」

「光さんも光さんだ!」

「お嫁さん決定としか言い様がない、この私をさておいて!」

「何を勘違いしているの?」

「柏木綾子ちゃんをアパートに住まわせる?」

「もうね、それはね、人権侵害、憲法違反なの!」


華奈の怒りは、光の判断を容認してしまった、既にアパート同居済みの巫女たちにも向かう。

「だいたいね、どうして華奈ちゃんを先にって、言ってくれないの?」

「私の若さと美しさへのジェラシー?」

「綾子ちゃんが、私も光さんのアパートに入りたいってお願いしたら」

「光さんは、ぼーっとしているだけの人だから、まあいいよって言うのは仕方ないけどさ」

「春奈さんは、ああ、いいわよ、光君がOKすればだし」

「ソフィーは喜んで、そのまま握手?」

「マジ!むかつく!あの意地悪大年増曲がり角女二人!」


「由香利さん、由紀さんもひどい!先頭立って部屋に案内しているし!」

「キャサリン、サラ、春麗もメチャ冷たい!」

「三人そろって、綾子ちゃん、お友達になろうねーーーって・・・」


華奈がそんなことで、ご機嫌ナナメが続くものだから、母の美紀は呆れるやら何やら。

「あのね、華奈、歩いて3分、走って1分のところに住んでいてさ」

「どうして家出したがるの?家出って言える?」

「行き先がわからないではないでしょ?見え見えでしょ?」

「そんな文句ばかり言う前に、お勉強と家事をしっかりしなさい」

「それから巫女としての呪文、もう恥ずかしい間違いはしないように」

「綾子ちゃんは、そういうのはしっかりしているって、春奈さんが驚いていたもの」


華奈は、グウの音も出ないけれど、「そういう比較がやる気を失わせるの!」と言い放ち、結局、勉強も家事も呪文の練習もせず、悶々とした日が続いている。



そして2人目は、奈良の元興寺界隈に住む光のいとこ、楓である。

「まーったく!アホの光君!」

「あの部屋は私が使うって約束してあったのに!」

「ちょっとばかし綾子ちゃんに膝枕させてもらっただけでしょ?」

「それにね、一旦、住みついて恋心起こされるとさ、またお嫁さん判定係の私が面倒なの」

「うーん・・・いざとなったら、春奈さんを放り出せばいいんだけどさ、年増過ぎるしさ」

「でもなあ、あの春奈さんは、やたら文句を言って抵抗するかなあ、それ・・・」

「そうなったら、私が光君の部屋でいいかなあ」


ただ、楓のイライラ、悶々はともかく、その母圭子は、柏木綾子の同居理由を完全に把握している。

「楓よりも華奈ちゃんより料理が上手で、強い呪力で、呪文も諏訪様独特のものが使える」

「それだから、阿修羅様と御神霊方もお認めになられたの」


そして、2階の楓の部屋から聞こえてくる「せんべいポリポリ音」に落胆。

「はぁ・・・あれほどダイエットを誓いながら・・・」

「テストの成績は上がらず、呪文は上達したけれど・・・」

「増えるのは、お肉だけ?・・・意欲は食欲だけ?」


しばらくして、2階からの「せんべいポリポリ音」は消えた。

圭子は、「きっと食べ終わったに違いない、一袋食べきったのかな」と思った。

すると途端に、「ドスーン」と家まで揺れる、地震のような音。


しかし、圭子は動じない。

「どうせ食べ過ぎて眠くなってベッドにゴロン、寝相が悪いから、いつのまにか床にドスン」

「・・・情けない・・・我が娘ながら・・・」

圭子の悩みも、また深い。

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