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さよならと友だちとまぼろしのうた


 うしろから急に手をひっぱられて、おれはうしろにしりもちをついた。


 目がパチパチしたけど、引っ張ったそこには、カイがいた。



 ここ最近青い顔ばっかりだったけど、今のカイは耳まで赤くなって、息が荒い。


 走ってきたんだと、分かる。




「アキラお前! なにしてんだよっ! どこへいくつもりだったんだ!!」




 ────え? どこって……?



 って思って顔を前に戻すと、無表情なみどりが、境の山側に立っていた。



 うすぼんやりと、その後ろに、誰かがいる。



 あれ、誰だったっけ??




「きれいな子が、ほしかったんだって」




 そういって、みどりと誰かは、山の中へ消えていった。




『ばいばい』



 





 あーあ。

 一人逃がしちゃったな。


 まぁでも、あの子は唄を唄わなかったからなぁ。


 仕方ないか。



「じゃあみんな、一緒におうちに帰ろうね♪ また友だちを探しに行こうね♪」





『蝶々がみちびくその先へ

だれにも会えない闇のなか

ワタシといっしょにすすもうか

さぁさぁ泣くのもおわりだよ


蝶々がみちびくその時は

怖がったってもうおそい

いよいよキミともお別れか?

ヒト世に戻るか死にゆくか

誰にもコタエは分からない』




 ──伝承では、童謡の三番と四番は人間には唄えないと伝えられている。




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