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91 使い魔に対する責

 所詮は使い魔に堕ちた魔人どもの力など通用せぬのが道理、だが・・・・・・

解せぬのは、あのホムンクルスが動揺すら見せぬこと。まだ何か秘策を隠し持っておるのか?

 魔界最強の魔人バアルは訝しむが、己の力に自信を持つためそれ以上の迷いは持たなかった。

 魔人バアルは、尻から糸を吐き出すと魔人セーレと魔人アンドロマリウスの手足に巻き付けていった。


『ご主人様、お許しを!』

 魔人アンドロマリウスが、己が主人であるホムンクルスに襲い掛かった。それをいとも容易く避けたホムンクルスであったが、その避けた先に魔人セーレが待ち構え暗黒の瘴気を纏った剣を突き刺した。


『つ、痛。ふふ、流石に魔界最速は伊達ではないかセーレよ。だが、敵に与しようとて所詮セーレはセーレよな。

 力が弱すぎる、許せよ。配下が弱いのはすべて我の責、鍛えてやらなくてな。

 良い機会だ、セーレ、アン鍛えてやろう。魔導はすべて習い覚えるものではない!

 使い覚えよ、痛みをその身で知れ、威力を、恐怖を魂に刻み込め!』


 ホムンクルスの魔導の力が膨れ上がった、その膨大な魔力は周りの大気をも熱し発火寸前の温度まで上昇した。

『我ソローンが命ずる、風よその力を解き放て!核融合(散るとウェイト)!』


 凄まじい熱が、魔人セーレをそして魔人アンドロマリウスに襲い掛かる。魔界最速の魔人セーレすら逃げる時間すら無く超高圧、超高熱の中で溶かし尽くされプラズマと化して、散っていった。その時間はわずかに1秒ほどであったと後に観測結果が報告されている。


『こ、これがホムンクルスの隠し持っていた力か?

 な、なんという力だ。これほど離れていても恐ろしいまでの力を感じる』

『くくっ、だが当たらなければどうということもあるまい。

 世の中には金の力で、何でも買える。向こうの世界では原子炉だ、核融合炉だとか核シェルターとかがあって、この手の攻撃に耐えられると聞くぞ。

 早速買ってやったぞ。しかし仮想通貨はこういうときに、便利だのう』

『しかし、高く付くのね。あんなにあったお宝が、みるみる減ってしまったケロ』『金など、後でいくらでも稼げるにゃ。あの力を我が物にすれば、もっともっと稼げるから今は命大事にゃ』


 魔人バアルは、ホムンクルスの極大魔導に対抗する手段を得た余裕か、蛙頭、人頭、猫頭のそれぞれが茶番を繰り広げ始めた。


『ふふ、笑止!

 同じ攻撃を何度も使うほど、魔界随一の魔人相手に我が愚かだと?』


『な、なにー!』


『さっきの力を抑え込むときに気付いたのよね。

 抑え込む力をどんどん、強くしたらどうなるのかを。

 まあ、説明は冥土で聞くのね面倒臭いから・・・・・・

 暗い穴(ダークホール)!』


 魔人バアルは、即座に自分たちの周りに核融合炉を展開した。だがその周囲一メートルの距離で囲むように無数の超高圧の塊、暗い穴が周りの大気、土、あらゆる物体を吸収しながらその密度を極大に増殖していく。

 やがて、無数の暗い穴が一つになり魔人バアルの逃げ込んだ核融合炉はその中心に飲み込まれていった。

 光も吸い込む暗い穴は、全てを吸い尽くすと満足したように消えていった。



『・・・・・・ だから言ったのよ、あの娘は怖い子だって』

 少し離れた丘の上で、シャムネコが鳴いた。 

 

2021.8.30 誤記修正

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