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85 誘惑

新年あけましておめでとうございます。

 さすがに魔界序列一位だけあって、バアルの力は他の魔人とは一線を隔するものだった。


(身体が欲しい、世界に触れられる、世界を見られる、世界を聞ける、世界を食べられる身体が欲しい・・・・・・)

 な、なんだ?この声は、魔人バアルに匹敵するほどの魔導の力を感じる。

 これは、一体?


 ソローンは、魔人バアルの攻撃を逸らし、避けながら声の主を懸命に探すが姿は見つけられなかった。しだいに、追い詰められるソローン。


(汝、力を求めるか?

 我を受け入れし後に、大いなる力を授けよう)

『私に甘い言葉を囀る、お前は誰だ?』

(我は、魔界序列三位、二十六の軍勢を率いる者。

 そして、汝の望みをかなえる者。

 姿なき魔人なり!)

『姿なき魔人?もしや、いや、ならば何故私を助けようなどと言う?』

(こっちを見よ、そうだお前の婢女(はしため)が快楽に身を捩らせる様をようく見よ。

 姿なき我の愛撫に打ち震える様を。だがこの婢女では魔導の器が狭すぎる、我の力を受け入れることは出来ぬ。

 その証拠に婢女の身体が焼けただれておるであろう)

 ソローンは見た、淫欲に塗れた魔人たちの輪の中で支える物もないのに宙に浮く裸身を淫らに身体を振るわすアンドロマリウスの姿を。

 そしてすすり泣きを漏らすそばで、彼女を嬲る姿なき者の気配を感じた。


『なるほど、姿なき魔人ヴァサゴか。その欲に塗れた見えぬ姿で私に何を望む?

 よもや愛を交わそうなどとふざけたことを言うなよ!』

(ふふ、この劣勢な状況でなおも強がるとは豪気なことよ。それでこそ我の器にふさわしい。

 簡単なことだソローンよ、我を受け入れよ。

 さすれば、バアルなど我らの敵ではないぞ)


 さて、如何にすべきか?

 確かに現状、バアルに勝てる隙は見つからない。だが、姿も碌に見せない(本人は姿なき魔人と言うが)魔人を信じて良いのか悩むところだ。

 何と言ってもバアルの三種の魔導が間髪なく撃ち込まれてくる戦況ではいずれ躱しそこなって戦闘不能になる公算が高い。

 だが、ヴァサゴに身を任せて勝ったとしてその後をどう切り抜けるか・・・・・・


『はっは、ちょこまかと逃げおって。伝説のホムンクルスと言っても所詮は人形ということか。そろそろ、決めさせてもらおう!』

 今までよりも数倍密度の濃い魔導の気配に、遂にホムンクルスは心を決めた。


『魔人ヴァサゴ、私に手を貸せ!

 私の目的の為に、お前の力を使ってみせよう!』

(ほっほ、大きく出たな?我の力を使いこなすと言うたか)


 バアルの三つの頭から極大の稲妻が、極寒の冷気が、真空の刃がそれぞれ今までとは段違いの威力でソローンに殺到した。

 強大な相反する力が、ホムンクルスの張った障壁に激突し、飲み込んでいった。

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