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50 シェイクダウン

慣らしのはずが・・・・・・

 さて、ホムンクルスの新しい部品(パーツ)を組み込んでの動作テスト、慣らし運転(シェイクダウン)の為にやって来たのがここ、西にある洞窟だ。


「ところで、キール。そのホムンクルスさんのテストがなんで宝探しの本番なのよ!」

「ふっ、駄目ならあてにしないだけだからわざわざ魔獣の森に出掛けてテストするとか時間の無駄だろ?」

『まあ、心配するなリサとやら。あの鍛冶師の腕は確かだ、我の以前の力に出来る限り近づけることに成功しおった』

「おい、近いぞ。気を付けろ!」

 洞窟を進みながら発光する板の表示を確認していたキールが警告を発する。


『ふむ、そのスマートフォンとかいうのは便利な魔道具だな。たしかマスターの客人も使っていたな』

(なに?すると、他にも俺と同じ世界から来た奴がいるのか・・・・・・)


 一行が暫く進むと広くなった場所の奥に祭壇のようなものがあり、燭台の炎で照らされて浮かぶ左手が誘うように手のひらを下にして指をゆっくり閉じていく。

「おっ、左手ゲットだな。さあ、自分の手だろ取りに行けよ」

『無論、だが邪魔な奴がいるようね』

『ほう、気付いていたか。ただの墓荒らし、泥棒の類ではないようだな』


 どこからか、闇色の声が面白がるように語る。

 姿の見えない敵に一同は緊張の色を見せるが、そこへ疑念を助長させる声が聞こえた、いや頭の奥に響いた。

『こんな洞窟の奥までのこのことついて来て、騙されているとも知らず呑気な生贄だな。まあ、今ならお前を助けてやっても良いぞ。代わりにその男を騙して短剣を陰に突き刺せ!』

(え?私が騙されていた?

 な、なんで私の秘儀をこいつが知っているのよ・・・・・・)


 疑惑と緊張、と決断に迫られ脂汗を流すリサ。

「やばいな、このままだと奴の術中に嵌ってしまう。おいホムンクルス、慣らし運転なんだからお前の力を見せて見ろ」

『ふむ、ではなるべく期待に応えるとしよう』

『なに、ホムンクルスだと?』


 美しきホムンクルスの胸の内側から発光する光が青から透き通った水色に変化し両手から全方位に放たれた。

『なるほど、上手く隠れたものだ』

 気合とともに、ホムンクルスの左手が爆発的に飛んで天井に突き刺ささった。刺さるかと思われたがその前に何かに当たったのだ。

 すると今まで見えていなかった姿が明るみになった。天井から逆さまに脚の爪でぶら下がる蝙蝠の翼で身体を包んだ魔人の胸に激突したのだ。そして、か細い左手は何事もなく元の左腕に戻っていった。

 魔人は痛みに歪む表情で無様に転落した。

『ま、まさか伝説のホムンクルスが向こうから現れるとは』

『ふっ、久しいな魔界の序列三三位、ガープよ。再び我が軍門に下れ、我が本気を出さぬうちにな!』

『くっ、まだだ。まだ、負けんよ!』

 ガープは翼で羽ばたくと高速飛行で、ホムンクルスに襲い掛かる。

『はあ!』

 ガープの攻撃を紙一重で交わし、華麗に長い脚を高く上げ脳天に踵落としを極めてしまった。

『魔界の序列三三位闇の総裁ガープよ。我ソローンが命ずる、我が僕として再び使えよ。答えは聞いて無い!』

『・・・・・・ はは』

 跪くガープの姿は、たちまち黒い煙に変化するとホムンクルスの身体に吸い込まれていった。 ホムンクルスは、静かに祭壇へ近づき宙に浮かぶ自身の左腕を掴んだ。 

 

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