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138 巨大ロボット

 ワンダフル・ビィーッム!

 俺の気合と力がロボットから光線となって敵の魔人ロノヴェへ襲い掛かり真っ白な灰へと燃やし尽くした。


 と、ここまでは胸アツな主人公展開で文句無いが ・・・ ・・・

「ちょっと待て、アラク!な、何で巨大ロボットが頭部しか無いんだよ。

オマケに髑髏みたいだし、所々罅も入ってるし」

「それは竜、詐欺魚雷三機の質量は合計たかだか二トン弱しかないのよそれを身長十八メートルの巨大ロボットに変換したら金箔よりも薄い紙装甲になってしまうわ。 予備パイロットとはいえ、我が主が搭乗する可能性がある機体をそんな欠陥品に仕上げる訳にはいかないのは当然でしょ!」


 普段落ち着いた受け答えをするアラクにしては、珍しく昂った感情も露わな返答を返した。


「それにしても、やられキャラみたいな罅割れた骸骨しゃれこうべ型ロボットとはテンションが下がるぜ ・・・ ・・・」

「どうしても当初案のような合体ロボに変形させたいなら、詐欺魚雷を二十五基くらい使用することね。

 馬鹿馬鹿しい程手間が掛かって敵味方から共に笑われること請け合いだけど」

「・・・ ・・・ 二十五基合体か、なんだかテンション上がってきたぜ」



『ふっ、弾除けが攻撃ビーム一発で燃え尽きるってどこの喜劇よ。

 それにしても、私の下僕《七十二柱の魔人》を悉くサボタージュさせるとは流石は月の女王と感心していたけれど ・・・ ・・・

 お客様、いえ。乱導 竜、あいつが邪魔立てしていたってことね。もうこうなったら有象無象の雑魚としてではなく、私に相応しい敵として対してあげるわ』


 

「おーい、下僕一号!もういい加減争うのは止めないか?」

『下僕一号って。そ、そうね。これまで正式に名乗ったことはなかったわね。

 最期を迎えるあなたを葬る者の名を知るが良い、我が名はソローン。今は亡き偉大なる魔導師『ソローンの造り手』様によって生み出された者!』


 握りこぶしを震わせて、闘気を纏い構えを取るソローンの瞳は比喩ではなく文字通り炎と化して燃えていた。


「えーと、知ってたよソローン。それよりもええ加減誤解を解いて貰えないかな?ジョージさん、ええっと『ソローンの造り手』さんだっけが死ぬはず無いじゃないか。いかに月の女王とはいえ魔導の力も持たない姉さんが偉大な魔導師を殺せるはず無いじゃないか!」


『ええい、白々しい。マスターの助手であるネコからマスターの最期の映像を見せて貰ったわ。小賢しくも紅茶と弾丸を使ってマスターを葬ったあの女狐の手腕をね』

「待て、確かに姉さんはお茶会でジョージさんに銃を向けて・・・ ・・・

 発砲したが弾はジョージさん障壁に弾かれて傷一つ付けていなかった。まあ、殺人未遂ってことなら罰を受けねばならないかも知れないが、ジョージさんは姉さんのことを一切許したんだよ」

『もう、言葉で言い募っても無駄よ。月の女王に与するのなら、私が直々に処断してあげるわ。覚悟、乱導 竜!』


 必死に無実とジョージの生存を弁明する竜だが、ソローンは一顧だにしなかった。


「ええい、こうなったら仕方ない。

 ワンダフル・ビィーッム!」


 巨大な骸骨の口から一条の光線が迸り、ホムンクルスを包む。



 光の中で微笑むホムンクルスが手を振ると、光は微かな輝きとなった散っていった。


『さあ、今度はこちらの番ね。

 流転斬り!』


 音速を超える流水がソローンの右手から伸長し巨大な劔となって巨大な骸骨を切り刻む。


「うわ~」

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