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134 強襲

「姉さん、昨夜ジョージさんを殺せなかったって言ってたけど・・・・・・

 頭の打ち所が悪かったとかでその後容体が急変してとかの可能性はないのかい?」

「ああ、リュラーン。心配掛けて済まない弟にして最愛の夫、だが私の撃った弾丸はかすりもしなかったのよ。情けないことに・・・・・・」


 月の指令室で女王と大型モニタで月面の大火災を見守る乱導 竜は、黒魔導師殺害成功の可能性を聞いたが女王の答えは否であった。


「だったら、なぜ。あいつはこれほど必死に攻撃してくるんだ?」

「さあ?もしや、操られているのかも ・・・ ・・・」


「ホムンクルス、そんなちゃちな炎でアラクが三十八億年間も鍛えた超巨大宇宙船マンズーマ・シャムセイヤの守護戦艦である月が壊せるとでも?もう、無駄なことはおやめなさい。それに、あなたのマスターを殺した覚えはありませんよ。

(まあ、一応殺せるものならと試してはみましたが ・・・ ・・・)

 あんな規格外の魔導師を私如きがどうこうできるはずもなく、すごすごと帰りましたよ。そう、傷心の私をリュラーン皇子に慰めてもらいましたとも」


「おい、姉さん。余計なことは言わなくても。おい、下僕一号。ジョージさんが姉さんに殺されるとか有り得ないだろう。

 冷静になって考えて見ろ!」


『その声は、お客様。いいえ、その女がマスターを撃つところを見ました。それにマスターの魔導の力を感じられなくなっています。これは、マスターがその女に口惜しいことに殺された動かぬ証拠!』


 ソローンが悔し気に唇を噛む。


『ええい、メイちゃん普段マイナス百度以上に冷やされ続けた地面を炎で炙って脆くさせたわ。物量で殴っちゃってちょうだい!』


『ご主人様、メイちゃん。いえ、キメイエス様は先の戦功で長期休暇を取得、セーレを馬車馬のように駆って地獄廻りを楽しんでおられます。いま、呼び戻すのは相応の危険が伴います、御一考を!』


 冷や汗をかきながら、腹心の魔人アンドロマリウスが意見具申する。


『そうだったわね、メイちゃんには休暇を楽しんでもらわないとヤバいわね。

 サミジナ、手下を総動員して月面が割れるまで殴っておしまい!』


『サミジナ、参上』

『ガープ、主の求めにより推参』

『バルバス、見参』


 ドロンという黒い煙と共に現れた黒装束を纏った忍者かぶれの馬面魔人サミジナが分身の術で七つ身分身で月面に拳を打ち込んだ。


 同じく、四つ身分身を発動し蝙蝠の羽を広げてガープが一旦上昇すると六十の軍団と共に月面に急降下爆撃を敢行した。


 忍術にかぶれた訳では無いが、闘いの中でサミジナに感化されたライオン魔人バルバスが黒い鬣を振り乱し配下の三十六の軍団と共に月面に突撃を掛けた。


 凄まじい衝撃が月面を震撼させた。地表から四百キロほどの岩石、土砂が舞い上がりやがては地球にも降り注ぐことだろう。


「ふふ、月本体にほとんど影響のない地表面が削れてスリムになりましたね。お礼を言った方が良いのかしら、ホムンクルスさん?」


 クレーターだらけの地表面とうって変わって滑らかな漆黒の金属で構成された船体の最外殻に立つ月の女王の巨大ホログラムが微笑んだ。

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