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119 秘術

『地獄の序列三十三位にして六十の軍団を統べる総裁ガープ、我の元へ来たりて我が敵をうち滅ぼせ!』

 雷鳴が轟き、稲光に忍び装束の背から翼を広げた異形の姿が瞬く様に現れた。


『ガープ、主の求めにより推参!』

『また、魔人から忍術に惑う者を出してしまったか・・・・・・

 この際頭痛がするのは置くとして。ガープお前の術を使って奴、宗厳の動きを探って参れ!』

(ふふっ、異なことを魔導とは惑う、纏う、魔闘うこと。傍目には、この界隈で流行の忍術を纏うのも魔導を究めんとせんが為。見せて見よ修行の成果をガープよ)

 魔人サミジナが腕組みで独白を零し、遠い目で素人忍者ガープの修行を回想しているがそれは本筋を離れるため割愛されるのであった。


 期待の魔人ガープが片膝を着いた姿勢から、翼をはためかせると空中で一本の巻物を口に咥え特殊な発声法で・・・・・・

『・・・・・・分身の術』


 翼の魔人がニ体に、そして四体となってソローンの周囲二十メートルを周回しだした。


 宗厳は感心したように呟いた。、

「援軍を呼んだか、四つ身分身とは中々の使い手のようだが。それで、逃げ切れると思ったか?」

 

『痛っ、だが。絡繰りの正体が見えてきたぞ』

「ふっ、相変わらず切り刻まれている癖に。いつまで、その身体修復できるのかな?」

 

 腕が飛び、手首が飛び。膝先が飛び、足首が飛び、右手の指が飛ぶ・・・・・・ だが、ホムンクルスの身体は切り刻まれる度ごとに傷が浅くなっていった。


『くう、ガープから送られてくる敵の情報が?やはり、目や耳で判断した位置と狂いが有るような。もしやこれが、奴の技の正体か?だが、これほどの情報量を確実に処理するには時間が掛り過ぎる。これでは、躱して攻撃する暇がない!』

「お困りのようですね。お手伝いしましょうか?」


『その声は!?

 Z-RIDERシステムなのか』

「ええ、そうですよ。マスタを探し当てたあなたへのご褒美に今一度力を貸しましょう。時間も無さそうですし、既に一度システムを解放しているのでチュートリアル等は省略いたします。

 さあ、心の限り叫ぶのです『Z-RIDER accept』と」


(うぬ?新手による精神攻撃か?だが、ならば何故Z-RIDERのことを知っている?打開策が無い以上ここは、この声を信ずるしかないか?)

 敵の術中なら、それはそれで局面を打開するヒントにしてやるまでと覚悟を決めると、ホムンクルスは叫んだ。

『Z-RIDER accept《Z-RAIDER アクセプト》!』


 どこからともなく現れたシャム猫が空中を優雅に近ずいてくる。やがて残り三メートルを跳躍で縮めるとホムンクルスの腰に巻き付き金色の輝きとともにベルトへ変化した。ベルトの中央にあるバックルにはルーン文字でZ-RAIDERと書かれていた。


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