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115/142

115 起源

「おう、これで豊臣の世も安泰じゃあ!」


 ヒデは小躍りして、宇宙船に作られた実験室に戻って来た。

「嬉しそうだなヒデ、ようやく望みが叶ったか?」

「そうよのう、わしにも世継ぎの男児が百人も出来たからのう。しかし、嫁ごを世話してやるのも一苦労よのう百人も考えるのは流石に面倒じゃ」


『ソローンの造り手』は、にやりと笑うと何気なくとんでもないことを言い出した。

「ふっ、嫁など適当に一人選べばよい。俺が少しアレンジして残りの九十九体分の嫁をホムンクルスで造ってやるぞ」

「なんと、ジョージそれは本当かのう。ならば、悩みは解決じゃ。家康の娘から適当に一人を選んで秀頼に娶せるとするぞ」

 こうして父親の秀忠や祖父の家康の知らぬところで千姫の嫁ぎ先が決まった。

 

~~~

 大筒から放たれた一発の砲弾が、秀頼の生母茶々の侍女を粉々にした。恐怖に襲われた茶々は和議に応じてしまった。

 隆盛を極めた城、その守りの要である堀は無残に埋められ・・・・・・

 天下不落と謳われた城が、天守閣が燃えていた、周りを無数の兵が囲み、もはや逃げることも出来ない。覚悟を決め、山里丸で秀頼は自決した。


~~~

 天下泰平を乱さぬため、秀頼は千姫を連れて駿府城に家来集の助命嘆願に赴いた。だが、城に入る前に潜んでいた鉄砲隊に討ち取られた。


~~~

 秀頼は先手を打って、家康の暗殺を命じたが失敗し磔にされた。


~~~

 何度も何度も、様々な策を弄してみたが全て失敗し、百人の影武者がいてさえも秀頼は天寿を全うできなかった。


「うおぅー、なんでじゃあ。ジョージ、なんで秀頼はあの若さで死なんとならんのじゃ?もう、戦国の世では無いと言うのに!まだ、あの子は二十二ぞ」

「ふむ、こうなると俺の仮説が正しいようだな。この裏には魔導の力が蠢いておる、それもかなりの腕をもった奴が裏で糸を引いておる」


「なに?それは天海か、服部半蔵か?」

「いや、いずれも違うな。恐らく柳生、それも尾張柳生の流れを汲む者」


~宇宙船展望室 

「ところで、この船のことを教えてくれるかな船のオーナーさん?」

 この船のオーナーである乱導竜の前に座ってコーヒーを一口啜ると、『ソローンの造り手』が尋ねた。


「船、ああ太陽系マンズーマ・シャムセイヤについて知りたいってか。俺も貰いものだから正直あんまり詳しくないけど、大昔に遥か遠くから来た奴が長距離航行が可能な宇宙船を作るときに太陽系をこっそり改造して造ったらしい。

 そうだな、詳しい奴に説明させるよ」

「アルドと申します、お客様。我が主人に代わりましてこの船について説明いたします」


 何故か伊達眼鏡を掛け白衣を着たアルドが現れると、詳しい説明を始めた。

「ご存知のとおり皆さんがおられる制御室は、地球に設置され太陽の周りを約一億五千万キロメートルで楕円の形で回っています。

 惑星は八個、最外縁の惑星までの距離は太陽地球間の約三十倍になり・・・・・・

 

 本船の建造は、今から四十億年後に起こるアンドロメダ銀河と天の川銀河の衝突の際の災害に備えることを目的とされたものです。建造開始は三十八億年前に遡り、計画の立案実施者は五十六億七千万年後に帰って来たときに惑星《家》が無くなっていたら洒落にならないだろうと仰っておられました。

 因みに月が大昔、ひょっこり現れ地球の周りを回りだしたことから着想を得たそうです」


「なるほどな、あの月の異常性は魔導的に観ても大き過ぎると思っていたがそういう絡繰りがあった訳か。礼を言う、地球アルドと呼ばれる者よ」

「また、何かご不明なところがあれば仰ってください」

 アルドは銀縁眼鏡をキラーんと輝かせると、消えていった。

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