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第三話~一番いいのを頼む~

最後のちゃっかり増えてるものは、ぶっちゃけ主人公が興奮して気づいてないだけです。

 さて無事ログイン出来たのでギルドに向かうとする。・・・開始場所が毎回噴水の近くなのは不便だから明日になったら2人に聞いてみるかな?


 ギルドは結構な人で賑わっている。夜はやはり昼に比べて人が多いみたいだ。俺はあんまり関わりたくないので、スキルが売ってある所に行く。


 置いてあるのはあまり有能なのとは思えず、やはりランダムにしようと思う。一回500gと安く、俺の所持金だと最大13回まで挑戦出来る。だが、弾の補充やポーションを買うことを考えると5回以内に済ませることを考えなければいけない。


 俺は3回引くことにした。1500gを渡し、袋に入った結晶を受け取る。可視化すると結晶っぽいのに、運営が率先して石と呼んでいるのは何故だろうと考えながら、スキル石を手に取る。それぞれ、〈武器作成・斧〉〈治癒魔法〉〈MP消費軽減〉に変化した。もちろん取るのは〈MP消費軽減〉で他の二つはNPCに売るかして早々に処分しようと思う。


 いいのを引けた俺は依頼書を見て回ることにする。受けたることにしたのは、ウルフ100匹の討伐、スライムエリート、ミニラビットエリート、ゴブリンエリート、ウルフエリートの単体討伐と、連続討伐だ。このエリート系は第一の町のボスでどれか一体倒せば次の街へと進むことが出来る。そしてエリートの連続討伐は通常ボスラッシュとも呼ばれ、対象の全てのボスを討伐した後、ボスエリアに入る前にボスラッシュのクエストを開始するか聞かれ、肯定の意を示すと、ボスラッシュがはじまるらしい。


 ボスラッシュにワクワクしながらギルドを出ようとすると、赤髪、赤目の男が話しかけてきた。


「おう嬢ちゃん、お前が受けたボスラッシュ俺様達が手伝ってやろうか?俺様は“レア種族”のイフリートだ!仲間に回復魔法使えるエルフもいるし悪くないだろ?」


 ええそうですね、その下品な視線と下心が透ける笑みがなければ、だが。まったく、女アバターだとこんな苦労するのか、面倒だな。


 とりあえずこの馬鹿どもは放置で道具屋に行こう、そうしよう。そう思い立ち、無視して出ようとすると肩を掴まれた。


「おい、無視すんなよ。優しい俺様が手伝ってやるって声かけてんだからさぁ!」


 ・・・うざい。かなり苛立つ。なので遠慮なく、掴まれた手をとり、捻る。町の中なのでダメージは受けないが痛覚はあるので、男は泣き叫んでいる。

 仕方ないので離してやる。肩を抑えながら怒りに満ちた真っ赤な顔で


決闘デュエルだ!決闘しやがれ!!」


 何を女相手にキレているのだろう?相手にする価値もないので無視して歩き出そうとすると、男が掴みかかってくるので、避けて足を引っ掛けて転ばせる。

 これは、受けるまでしつこく追ってくる変態かなぁ?辺りを見回すとこちらをハラハラしながら見守っているように思える。お前ら、女が絡まれているんだから助けろよな…。


 立ち上がって、出入り口を塞ぐように立つ赤男。仕方ないので決闘申請を受理してやる。


 受けた途端、チュートリアルの時と同じコロシアムに着いた。違う点は対峙しているのが赤男というのと、観客がさっきギルドにいた連中ということだ。


「よくも俺様に恥をかかせてくれたな・・・!」


「先にナンパ、そしてセクハラしてきたのはどっちだよ、変態野郎」


「そんなのは関係ねぇ!てめぇはぶっ殺さなきゃ気が済まねぇんだよ!!」


「はぁ、お前みたいなマナーを守れない奴がいるから困る」


 その発言に観客席にいた女性アバターの何人かが頷いていた。


 カウントダウンが始まる。赤男の獲物は両手剣。こちらは短剣と銃だが、弾の補充をしていないので残りが少ない。ここは超接近戦で行き、隙を見て魔法を叩き込む方針で行く。


「《ファイヤーアロー》!」


 赤男の魔法が一直線にこちらへ向かってくる。避けられないと思っているのか、追撃がない。かなりの甘ちゃんだ。ステップを使うまでもなく避けながら魔法陣を起動。魔法を避けられたのに驚いてる隙に距離を詰め、《ウォーターアロー》を発動。弱点かつ俺の高INTでHPが残り2割ぐらいまで削れる。慌てて両手剣を斬りおろしてきたが遅すぎる。

 ステップで背後に回り込み、ヤクザキック。

 体重の移動のタイミングがうまく重なり、前に倒れ伏す。無防備な後頭部を踏み抜き、決闘終了。


 観客の予想を裏切る圧倒的な勝利だと自負している。リザルト画面には2000gとSPが10p入手したと出ている。決闘で勝つとお金とSPが貰えるのかと、納得しつつ道具屋に向かう。あの男はまた絡んでくるのだろうか?次絡んできたら無視するか、GMコールして対処してもらおう。


 道具屋で弾の補充、ポーションを買い森へ足を向ける。寝るまでにさっき受けたクエスト全てを完遂したいのだから。


 さて森についた俺はウルフを狩りながらボスエリアを探す。姉や妹に聞けばすぐにわかるのだろうが、何でも頼るのはさすがに忍びない。それにフレンド欄を見るとフィールドと思わしき場所にいるので、もしかしたらレベル上げの最中なのかもしれない。


 あっちにふらふら、こっちにふらふらしながら見つけたのはゴブリンエリートのボスエリアへと至る場所だ。そこには少し開けた空間に戦う対象のモンスターを象った像。そして門があるのだ。この門を開ければそこにボスがいて入ると門が閉まり、倒すか倒されるまで門が開くことは絶対にない。だから第三者が勝手に入ることもない。

 また、ここにはモンスターが近づかないので擬似的なセーフティーエリアとされている。


 俺は気負った事もなく門を開け、入る。そこにいたのはいつもの、緑色の肌をしたぼろっちい腰巻を付け、手に武器を持った1mぐらいの害獣ではなく、肌の色は変わらないが、身長は2mぐらいになってその身に鎧を纏っており、手には鉄の剣が握られている。周りに3匹のいつものゴブリンもおり、やっぱボス戦は取り巻き付きだよな!!と少し興奮した。


「ギャ、ギャギャギャ」


 何を喋ったのかはさっぱりわからないが、取り巻きと共にエリートがこちらへ来る。


戦闘開始オープンコンバット!さぁ、楽しいボス戦だ!」


 まずは定石道理に取り巻きから潰す。ボス戦効果でステータスが上がっているのか、フィールドのだったら2、3発で沈む攻撃を10発まで耐えている。それでも俺にはこの暴力的なステータスがある。AGIに物言わせ、かく乱してすれ違いざまに攻撃してゆく。


「ギャァオオオオオ!」


 ようやく取り巻きを倒したと思ったらボスが叫んだ!増援か!?と思い周りを見ても変化はな・・・いや、ボスが赤黒いオーラを出し始めた。・・・HPはまだ8割近く残っているのに、一体なぜだ?と思いはすれど攻撃の手はやめない。正直叫んでる最中は無防備すぎてタダの的ですな。


 魔法と銃で残り6割まで減らした。そしてボスが突撃してくる。


「さっきより速い!でも俺のほうがまだ速いな・・!!」


 正面から向かい、剣を振り下ろされると同時にステップ回避。背後に回ってジャンプ。ガラ空きの首筋に短剣アーツ《毒突き》を放つ。うまくクリティカル判定が出たようで、そんな手応えを感じる。鎧に着地、すぐさま蹴っ飛ばすことにより距離を取り、ボスを見るとどうやら気分が悪いようにも思える。状態異常にさせるアーツはクリティカルヒットすると耐性がない限り100%その状態異常にかかる。なので今ゴブリンエリートは毒状態なわけだ。


「ギャギャ、ギャギャギャ!」


「だからわかんねぇって・・」


 ボスの突進を回避しているだけで毒が回り、HPがどんどん減っていく。今3割を切ったように思えるぐらいだ。


「ギャァアアアアア!」


「ッ!!」


 ボスの咆哮が来た。これは本気モードになった証であり、強制的に怯む効果がある。魔法陣が解除されるデメリットや発動中のアーツすら解除されてしまう。幸い、見方にかかっている支援効果、通称バフは解除されない。


 でも更に速くなっても俺には到底追いつけないのでひらひらと避けれてしまう。さすがに毒で殺すのは可哀想なのだが、武器を消耗させたくないし、MPも勿体無い。弾薬なんてもってのほかだ。だから毒にして殺そうと思ったのだが、どうやら時間がかかりすぎるのが難点だ。


「ギャァァァ・・」


 弱りきってしまっているボスを尻目にこの後を考える。まず、出来るだけ最初にボスを毒にしてしまうことにしよう。次に、格闘術なら問題なさそうだからそれをメインに戦う事。そして、MPはなるべく使わない方針で、最後のボスラッシュまで取っておくことにする。


 避けながらそんな事を考えていたら、ゴブリンエリートが光の粒となった。


「長く、苦しい、戦いだった・・・」


 リザルト画面を眺める俺は驚いた。そこにはゴブリンエリートの魂とあったのだ!それに、MVPボーナス報酬としてゴブリンエリートの剣、そしてソロ討伐報酬として早熟の首飾りという首に装備できるアクセサリーを入手した。効果は入手SPを1.2倍にするというもの。序盤で手に入れられたのは大きいぞ、これは。装備はきっちりとしておく。アクセサリーは頭、首、腕、指、腰、足がある。指は10個まで装備できるが、すると掴み辛くなったりするので2、3個が適切だ。


レベルも3上がった。興奮していた時にあの間抜けな効果音を聞くと、脱力してしまう。そしてこのアクセサリーを装備したことで空いたスキルを埋めようとポイントの割り振りを考える。上位魔法はさらに上があるのだろうか?それとも、ダッシュとかを上げた方がいいのだろうか?うーむ…。


 結局ポイントを割り振らないことにした。イベントでスキルをゲットできるかも知れないし、そのイベントを2人が知っている可能性があるからだ。


 そうとなれば町へ戻ろう。マップを見ながら帰ろうとすると、モンスターの気配がする。少し考えて、今のステータスなら忍者とかのように、木の上を移動出来るのではないかと考えついた。もし出来たら、エンカウントしなくていいし、攻撃を受けることもないだろう。即実行だ!!


 ジャンプで手頃な木の枝に飛び乗る。・・・少ししなってバランスをとるのに苦労したが、上手く行った。次は近くにある、俺が飛び乗っても折れなさそうな枝を探す。…遠いのでこの移動方法はやめようと思います。


「意外とむずい。環境が整っていたらまたやろう」


 諦めて、ダッシュで帰る。ふとマップにNPCを示す緑の点がモンスターを示す赤の点に囲まれているのに気づいた。別に急いでないし、気づいてしまったからには助けようと思う。


 そこには、いかにも私魔法使いです!といった、黒いローブに長い杖を持つ人がゴブリン五体に囲まれていた。


「今助けます!!」


 走ってきた勢いそのままに一匹を切り抜き、もう一体の頭を飛び蹴り。赤い点が二つ消滅、残り3体。仲間がやられたのに気づいたのか残りがこちらへ向かってくる。既に魔法陣に魔力を注いでいた私は《ファイヤーアロー》を発動。《ウォーターアロー》も詠唱し、残り一体。その一体は逃げようとし始めたが、逃がさない。覚えたばかりの〈上位魔法:雷〉の《スパークアロー》を詠唱する。



 見事に当たり、この魔法使いを助けることが出来た。リザルト画面には、イベントなのでドロップアイテムがありません、とある。


「助けていただいて誠に、ありがとうございます。お礼にお金をと思いましたが、下位とはいえ魔導に通じ、上位魔法を使える方ならば、我が家に伝わるスキルのほうがよろしいでしょうか?」


 これは、念願のスキル取得イベントですね!もしかしたらレアでしょう。上位魔法とか魔導使えるとか、って言ってたし!


「では、スキルの方でお願いします」


「では、これをどうぞ」


「システム:Sol@はスキル〈古代魔法:召喚〉を入手しました」


 こ、古代魔法だと…?何これ超強そう。


「ようやく我が一族の秘奥を授けられる人が現れた。これで何の憂いもなく死ねる…」


 そういって魔法使いらしき人は消えてしまった。・・・?これってもしかしてユニークスキルかな?し、詳細見てみよう。


 自分の魔力を注いだり、供物を捧げることで何かを召喚することが出来る、と。何かは物だったり魔物でも、人でもいいと。ただし、魔物、人の場合は相互同意が必要と。


 召喚するのにMPが必要なだけで、維持にはMPは不必要で、返す時はこちらの意思だけで良いらしい。しかも、唯の召喚魔法は、最大MPが削られるが、こちらはそんな物は存在しない。減れば回復すれば良いのだ。しかも、維持MPが掛からないのも違う点の一つだ。どうやら結構なチートスキルを手に入れることが出来たようだ。極振りをやめ、なるべく均等になるようにSPを振る。索敵と隠密のレベルが上がったようだ。


 さぁ、スキル欄がいっぱいになったからクエストを再開しよう。いつも寝てる時間まで、まだあるのだから!!

〈名前〉Sol@

〈性別〉女

〈種族〉戦乙女

〈レベル〉11

〈称号〉

ヴァルキュリアの継承者〈スキルスロット増加+15。取得SP2倍

ユニークを引きし者〈スキル〈幸運〉を持っていた場合LCK+1000〉

一匹狼〈取得経験値20%、取得SP10%〉


〈HP〉870

〈MP〉440

〈STR〉102

〈DEF〉110

〈VIT〉90

〈INT〉8101

〈MDF〉110

〈MGI〉90

〈DEX〉90

〈AGI〉114

〈LUK〉1025


〈スキル〉


〈神撃〉LV1

〈短剣〉LV20

〈銃〉LV10

〈魔導:下位Ⅱ〉LV30

〈上位魔法:焔〉LV20

〈上位魔法:氷〉LV20

〈上位魔法:雷〉LV20

〈上位魔法:樹〉LV20

〈上位魔法:聖〉LV20

〈上位魔法:影〉LV20

〈上位魔法:無〉LV20

〈治癒魔法〉LV30

〈古代魔法:召喚〉LV11

〈索敵Ⅱ〉LV1

〈隠密Ⅱ〉LV1

〈ダッシュ〉LV10

〈ステップ〉LV10

〈ジャンプ〉LV10

〈格闘術〉LV10

〈投擲〉LV1

〈加工〉LV1

〈調合〉LV10

〈武器作成・銃〉LV1

〈弾薬作成〉LV1

〈幸運〉LV1

〈MP消費軽減〉LV10


残りBP0 SP2


称号の取得条件は後で、です

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