休憩編第一話〜現状報告〜
ゲームの世界から戻ってきた俺はベッドの横に置いておいたペットボトルのお茶を飲み一息つく。身体は横たわって休んでいるが、脳がフル稼働しているので疲れは取れない。幸い、冬休みだから多少の無理はできる。
リビングに行くと姉妹の姿はなく、まだ向こうにいるのだろうと察した。仕方ないのでご飯の用意をすることにする。もうそろそろ飯の時間だし、降りてくるだろうから。来なかったら先に食べてしまう事にする。俺だってやりたいからな!
どうやら先に食べる心配はいらなかったようだ。階段を降りる音が聴こえて来た。こちらは丁度できたところなので一緒に食べる。
「おね、お兄ちゃん、どのぐらいまでやった?やっぱりユニーク種は強い?」
「何を言いかけたか問い詰めたいがまぁいい。ああ、強いぞ。今レベル8だ。初期装備だけどまず敵の攻撃が当たらないからなー」
「ふーん。ソラ、あなた一人でボス倒せるんじゃないかしら?ボスには新規討伐ボーナス、MVPボーナス、そしてソロ討伐ボーナスの3つがあるの。最初の町はもう情報が出揃っているからいけるでしょ?」
新規討伐ボーナスは、そのボスを最初に倒した人達が受け取れるもの。これは一度しか受け取れない。MVPボーナスは、ボス戦中1番活躍、あるいは貢献した人が受け取れるもの。こちらは何度でもゲットできる。ソロ討伐ボーナスは、その名の通りソロ、つまり一人だけで倒した場合に受け取れるものだ。この一人に召喚獣、あるいはテイムモンスターは含まれない。噂に聞いた、ユニーク種の悪魔の固有スキルの〈眷属化〉で眷属になったモンスターも含まれないらしい。
「うーん、多分いけるけど…。あ、そうだ、スキル買う所って無い?空きが2個でてさー」
「ん?確か最初の町ならギルド内にあるよ?指定とランダムの二つがあるけど、お兄ちゃんはランダムでしょ?」
「指定で良いのがあったらそれだけどなぁ。まぁ、その場のノリと勢いと財布次第だ」
「ソラ、お金が足りないなら遠慮せずに言っていいからね。ランダムで変なスキルつかまされるよりいいから」
「まぁ、使わなきゃ良いだけなんだけどそれもなんか勿体無いしね!」
「そうだなー、その時は頼りにさせてもらうよ」
にっこりと微笑む。こんな時は頼もしい姉である。その姉は俯いて鼻を手で抑えてプルプル震えている。かすかに、「やばいわぁ、今襲いかかりそうだったわ」と聞こえる。この残姉は…。
「明日も休みだし、沙耶も姉さんもまだまだやるだろ?」
「そうだね、まだやるかなー。レベリングもあるけど次の場所のボスがちょーっと厄介なんだよね」
「そうね、魔法無効とかいい加減にして欲しいわね」
どうやら第三の町へと行くのに倒さなければいけないボスは厄介みたいだ。魔法無効となると、俺もそれに合わせた成長をせねばなるまい。
あれこれ考えながら洗い物をしたり、風呂に入ったりしてそのまま眠れるようにした後、俺は再びログインしたーーーー。
日常編は学校などお話。
休憩編は文字通りの休憩です。お風呂、ご飯のためにわざわざ話数を取って、そこで情報の交換をしたいと思います。こちらはちょくちょくやります。
上記の二つで補足などをしたいと思っているので、読んでいただければ幸いですが別に必要というわけではないんですよね。
ゲームのお話はそのまま第◯話です。