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その女の記憶が始まったのは小学校に上がってからだ。

その前は写真のように断片的な二次元のカット数枚しかない。

よく人に幼い時のことを言われるが、決して三次元になることはなかった。

が、女は気にしなかった。

女は、息を吐くように嘘をつく。

嘘をついている自覚も無いと言った方が正しいのかもしれない。

女は五人兄弟である。

兄二人、弟二人だ。

皆、歳が近く、ケンカが絶えない。

親は忙しく、構う余裕は無い。

女は親に抱き締められた、手を繋いだ、穏やかに会話をした記憶がない。

女は男のように育った。自分さえよければ良いということを学んだ。

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