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私と貴方の古い過去

我ながら微妙な出来だ。

この回はある場所のある人物による物語となっております。

多少過去のことについて永遠に語っているだけなので、さらさらっと。

~~???~~


「ん…。」

私が気が付い時には辺り一面黒い世界が広がっていた。黒と言うよりは闇?もしかしたら広がってはおらず狭い?足元も在るのか分からない闇。その中で横になっている私。今現在横になっているのか立っているのかすら分からない感覚…。


「ここは…何処?」

何も答えは返って来ない。私以外の生き物の気配が無い。別に気配を読む訓練をした訳では無い。ただ、生きている物が無いだけ。音という音が何も無い空間。広いのか狭いのかすら分からない空間。私自身が生きているのかすら分からない空間。空間が存在しているのかすら曖昧である。



「とにかく…。」


動かなくちゃ…。


調べてみなくちゃ…。




取り合えず此処が何処か。何故私はこのような場所に居るのか。


「そもそも…。」

そもそも、私は何をして居たのか…。



「私は…誰…?」


その時、突如私の周辺の空間が歪み、眩しい程の光を放つ。急激な変化によって反射的に目を閉じて閉まった。


「これは…。」

目の前に映し出されたのは何処かで見たような部屋…。ただ、最近は見たことすら無いような…何処にでも在りそうな部屋。


「びょう…いん…?」

白い天井。白い床。白いカーテン。そして、白いベット。ベットの上には少し若めの…女性が横たわっていた。


「・・!!生まれたのか!?」

ベットの上にいた女性に気を取られていて突然の背後からの若い男性の声に驚く。振り向くと髪と着ている服が乱れた男性がこちら…の先のベットに向かって走って行く。


「そんなに慌て無くても赤ちゃんは逃げませんよ。」

そう言うと、女性は自分の近くに置いてある檻らしき物の方を向く。それを察してか男性はそちらに急いで向かう。


「お~!可愛い女の子か~!」

「ええ。本当に可愛いわよね~。」

そこには二人に見つめられた一人の赤ん坊が男性に抱えられていた。


「そういえば名前は!?名前はどうする!?」

「あら。あなた毎日夜遅くまで考えていたんじゃ無かったかしら?」

「バレていたか。」

二人とも何とも言えない嬉しそうな顔をしている。相当仲が良いようだ。


「・・っていうのはどうだ?」

「あら。意味は?」

「意味か~?」

男性が少し照れ臭そうに、それでいて何処か誇らしく嬉しげな笑みを見せる。


「理由はな…」

男性は時々女性から目を逸らせたり言葉を詰まらせながら、まるで今から愛の告白する様な仕草をしながら理由を全て言う。


「良いわね…。」

「ほ…本当か!?」

「貴方にしては上出来よ。」

そう言うと女性は赤ん坊の顔を覗き込む。男性は体勢を低くして覗き込み易くする。女性が体勢が安定すると赤ちゃんに向けて話し出した。


「宜しくね…穂希音…」

「!?」


その声と同時に再び辺り一帯が輝く。



次に見えたものは先程の様な無機質な空間とは対称的に足元は土で形成された地面、頭上には若干赤く染まっている空が、周囲には多数の木々があり、それらに囲まれて鉄パイプや鉄板、木版などにより形成されたオブジェクト…つまり、ブランコや滑り台、鉄棒などが存在している。その空間にはベンチに座った一人の女性と周囲より若干軟らかく崩れやすい砂の集合体の中にいる4,5才位の女の子が存在している。


「ママァ~。おだんごできたよ~。」

「あら、上手に出来たわね~。」そう言って女の子はママと呼ばれた女性に近づいて行く。対する女性は何か微笑ましそうに座った状態を保っている。


「はい。どうぞ。」

「あら、ありがとう。」

そんな他愛も無い行為に只見ているしか出来ない…いや、見ていたいと思う私がいる。と、見取れていると背後から別の人の声が聞こえた。


「遠藤さん、こんにちわ。」「あら、安田さん。こんにちわ。」

こんばんわではないのか等のツッコミは此処では置いておく。話を戻すが、安田さんと呼ばれた方を向くと、そこには色々な物を入れた袋を持った女性と男の子のペアがいた。その二人は仲の良さそうに並んで遠藤と呼ばれた女性のもとに歩いて行く。


「しゅうちゃん、こんにちわ。」

「おばさん、こんにちわ。」

しゅうちゃんと呼ばれた男の子は何やら少しためらった様子で応えた。


「しゅうちゃん、ほとねちゃんと遊んできて良いわよ。」

「…いい。」

「…ふぅ。ママはここですわっているからだいじょうぶよ。」

「…うん。じゃあ行ってくる。」

男の子がそう言うとほとねちゃんと呼ばれた女の子のもとに走って行った。少し寂しそうにそれでいて安心したようにその様子を男の子といた女性は見つめる。二人の子供が仲良く話している所を見た後、安田さんと呼ばれた女性はベンチに座った。


「ふう~。安売りしていたからつい買い込んでしまったよ。」

「例のスーパーですか。あまり要らない物まで買いますと邪魔なだけですよ。」

「それでも、わざわざ卵4パックも買わなくてもいいんじゃないの?」

確かに安田さんと呼ばれた女性が持っている袋の中には卵以外にも同じものが複数入っていた。


「安いっていう言葉に弱いのよね。」

「旦那さんですか。羨ましいですね。」

「あら、やだ。」

安田さんと呼ばれた女性は少し照れる。


「親子揃って羨ましいねぇ。」

それを冷やかす遠藤と呼ばれた女性。


「確かにしゅうちゃん、ほとねちゃんに一目惚れしている様子だったからねぇ。ほとねちゃん、可愛すぎるもん。」

「そんなこと無いわよ。」

「親子揃って羨ましいねぇ。」

今度は立場が逆になっている。会話だけ聞くと仲の悪い二人だが何故か仲がいいように聞こえる。場の空気ってものか。


「でも、しゅうちゃん偉いわよね~。あんなに重たい荷物を持って。」

「本当、もう男のプライドってものが出来ているのかしら。」

「本当は持たせているんじゃないの~?」「前にも言ったでしょ。自分から進んで持ちたいって言ってくるのよ。それで以前小さい方を持たせたら大きい方がいいって言い出してね、あの時は必至になって頑張って苦労したわ。」

「やっぱり、男の気持ちって分からないわね。うちの子は荷物持ちの手伝いをしてもそんな事は無いのにね。」

二人とも嬉しそうに話している。その後の話から推測するに二人は幼稚園で知り合った友達関係のようであった。他にも隣の高校生が有名大学に受かっただの最近の政治家はもっとしっかり働いてくれだの様々な話題を話していた。子供達の様子を見てみると、二人とも砂の軟らかい所で何かをしている。近づいて様子を見てみると、何やら芝居の様な動作をしていた。

「ガチャ。ただいま~。」

「あなた~。おかえりなさい~。」

そういって、男の子は扉を開けて部屋に入る動作をする。その後、扉を閉めて部屋に靴を脱ぐ様な動きをする。


「今日はご飯にする?お風呂にする?それとも、わ・た・し?」

今子供の口から聞いてはいけない言葉を聞いてしまった気がする。いや、これはおままごとだぞ?これはただの演技よ。決して本音ではない。いや演技だからと言ってそうとも限らない。落ち着け私。冷静に考えてみようよ。二人とも子供でしょ?ドラマか何かで見た物をそのまま言っているだけでしょ。ここは冷静に事の成り行きを見よう。


「わたしって何?」

そこの男の子!それは地雷だ!!言われても分からない物には触れないのが賢明だ!!!だから冷静になれ、私!相手は子供だぞ!


「知らない~。」

知らないのか!知らないなら言わないでよ!!この先の危ない展開予想してしまったではないか!!!…なぜだか冷静を直ぐに忘れてしまう…。疲れているのか…?それともなぜだか話に突っ込まされているのか?

「それで、あ…あなた…何からいきます?」

どさくさに紛れてこの女の子はやり手だろう。私が一人で暴走していただけだが…。


「う~ん…。じゃあ、ご飯からたのむ。」

「は~い。」

会話を終わらせると、固い地面の上に敷いてある小さなビニールシートの上まで移動する。どうやら此処が居間で先程の所は外という訳か。それにしても、この女の子…此処まで準備が良いとは…。女の子はシートの外に置いてある先程作った水で砂を固めた物から三つほど取る。


「はい。どーぞ。」

そう言いながら、それを男の子の前に差し出す。


「ありがとう。」

男の子の方はそれに対し素直に右手に一個、左手に二個受け取る。その後、右手に持った団子を口元に持ってくる。


「もぐもぐ…。うん、おいしいよ。」

と、口付近で食べているような動作をする。まあ、実際に食べてしまっては、大変なのだが…。



「あ~。また残している~。私が、あいじょうをこめて、いっしょうけんめい作ったのにぃ~。」

「え?あ…。えぇ?」

「ちゃんと残さず食べてよね。」

砂を食べろという…。無理難題…。そう思っていると見本だと言わんばかりに砂を口元に運び…。

「え…。」

「えぇ…?」

つい声を出してしまった。まあ、男の子も「え…。」と声を出してしまっていたので気にしない。って話がずれてしまったが、今目の前で本当に食べている。砂団子が見事に…食べて半分ほどにしまった。


「…。」

「こんなふうに。ね?」

「ね?」じゃ無いでしょ!?明らかに女の子の持っている砂団子の大きさが小さくなっている。


「…。(はむっ。)」

食べたぁ~!?まさかとは思ったが本当に食べたぁ~!?


「…ジョリ…ジョリ…」

男の子の口の中でしっかりジョリジョリいっているよ!?


「…ペッ。」

戻したぁ~!?頑張って食べようとしたけれども、戻したぁ~!?


「…ほ…本当に食べなくてもいいのに…。」

ま…まあ、大体察してあったが、何故止めなかった。面白そうだったから。という自己解決。


「これはね、両手で団子をかくすように持って、くちもとまで持って来たら、あるていど団子をくずして手のひらと団子の間に崩したすなをかくせばいいのよ。」

「…も…もっとはやく言ってくれればよかったのにぃ…。」

やっぱりそう思うか…。でも…。


「本当に食べだしたとき、面白そうだったもん。」

だから。それにしてもこの女はやり手だな。女の子では無いな。




「しゅうちゃん~。ほとねちゃん~。そろそろ帰るわよ~。」

「は~い。ほとねちゃん、いこ。」

「え~。もう帰るの~。」

立場が逆な気がするが気にしない。そして母親の元に駆け寄る二人の子供に続いて進もうとした瞬間、また辺りが白く輝きだした…。





再び視界を取り戻した時には目の前には先程と同じ様な光景が…しかし、遊具は無く、代わりに白い壁に挟まれた空間…


「…小学…校?」

学校の人気の少ない空間にいた。私の目線の先にはスタイルから顔立ちまで全てが良い風格を漂わせる一人の女の子が…不気味なほどこちらを見ている。後ろを向くと、そこにはイケメンと言うほど顔が整ってはいないが、かといってブサイクとは言い難い…、特にこれといった特徴の無い一人の男の子と男の子と比べると背は若干低く、肌は白に近い色だが少し大人びた服装と眼鏡が特徴の女の子が向かい合っていた。


「ぁ…す…好きです!!!付き合って下さい!!!」

と言って男の子の方は固まってしまった。どうやら返事を待っているようだ。それに対し女の子の方はキョロキョロと辺りを見回したかと思うとこちらを見た瞬間若干焦りの様な表情を見せ、再び男の子と向き合った。


「ご…ごめんなさい。私には荷が重過ぎますので。」

そう言うと、女の子は立ち去ってしまった。残された男の子はただ呆然と立っている。先程の女の子が見た目線の先…振り返ってみると、そこにはやはり先程壁から覗いていた女の子が何かの像のように動かずこちら――――の先を見ていた。対する男の子はというと、こちらも同じ様に―――向ける視線は違うが眼鏡を掛けた女の子が去ってしまった方向をただ呆然と見ていた。いや、その先にある何かを見ているかのようにも見える。何かを掴もうと…ただ簡単には出来ず、


必至に…

ただひたすらに…


そんな様子もあるかも知れない。

しばらくすると、男の子は帰る事にしたのか、後ろを振り向く。と、同時に顔色が一変し固まってしまった。振り向くと想像通りに女の子が壁から―――そのままの状態で、立っていた。ただ、見つかってしまったというかのような顔で。


「…。ハァ。この国には自由が無いのか?」

それよりもそこの女の子が何故そのままの状態を保っているのか不思議である。そしてこの男の子の口調からして中学生の様である。別にどうでもいいが。


「…。」

「…。」

「…。」

「…答えはイエスか。」

女の子はあたかも初めから話せれられないかのように、黙りきっている。


「…。」

「…俺は帰るがどうするんだ?そこにずっといるのか?」

「…。」

「…お~い。寝ているのか?」

「…。グゥグゥ。ウン~。ソウダョ~。」

「いや、明らかに寝ていないでしょ!?」

「…。グゥグ、ググゥ。グゥグゥググ、グ。ググゥグゥ、ググゥ。グゥググゥ、ググゥ。グゥ、グゥ、ググゥ。」

「…。遊んでいないで帰るのならさっさと帰るぞ。」

「グググゥ。グゥグ。」

「まだ寝たふりを…。って、はいはい。分かった。」

何が分かったのか…私には分からない。女の子の表情も一切変わっていないので、お互いがどのような感情を抱いているのか私には分からなかった。


「グゥグゥグ、グゥグゥグゥ。グゥグゥ、グ。グゥグ。」

「気にするな。それよりも、その喋り方やめてくれ。」

二人して仲良く歩いている二人を最期に私の視界は闇に包まれた。



どれくらい続いたのだろうか…。深い闇が永遠と支配する世界をさ迷っていた。あれ以降、光は見えない。私は何故こんなところにいるのだろう。その謎を解くためにはこの空間の出口を見つけなければならない。ただその場にいても進展はしない。あの光がどのような条件で起こるかわからないが、かと言って向こうから助けが来るのを待っていては、何も進展はしないし、私が出来る事といったら歩き続けるだけのこと。



どれくらい歩いたのだろうか。今だに変化という変化が無い。幸いな事に歩き続けても疲れない。身体は疲れを感じているのかも知れない。脳がそれを感知しないだけかも知れない。と、目の前…ずっと先にはあるが、本当に辿り着けるかわからないほど遠くに光が見えた。今までの様なナチュラルな光ではなく、赤みがかった電球色と言う点は違っている。他に行く当ても無いからその明かりの元に向かってみる。近づくにつれ、それは見たことのある形の一部であることが分かってきた。


「…街灯?」

何処か近代のガスランプを思わせるかの様な形をした黒っぽい構造物が現れた。そして、ランプの下には文字らしき記号と矢印の記されたプレードが張り付けられていた。


「…右と左…に、なにかあるのかな?」

と、突如左右に異変が起きた。その異変は対称的で、右手にはまばゆいほどの白い光。左手には今まで見ていた黒の中でも一際目立つほどの黒…、漆黒と言うべきほどの闇がそれぞれ少し先に点在していた。


「…。」

二択…、光輝く白か、黒く渦巻く闇か。このまま無視をして先に進むという三択目もあるが、この先に変化があるとは到底思えなかったりする。


考えても何も分からない。だからここは直感で…。




「………。」


「…ね…。」


「ほとね…。」




「…んん………。」

「穂希音!!!」

その先にあったのは辺り一面白で覆われた部屋があった。目の前には私を見ている人、顔を自らの手で覆っている人。そして私の前で私を抱きしめながら弱々しく―――しかし嬉しそうに「良かった」と「穂希音」の二語を繰り返す…男性がいた。

この回の文章構成は未チェックであるため、分かりにくい点が複数ある可能性があります。

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