表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

俺は非凡な高1だ ~平和と犠牲~

前回のあらすじ

注釈:新たな変態が現れた!

変態A「変態王に俺はなる!」

変態B「ロリコン脳に俺はなる!」

結衣華「秀冶。私の兄としてロリコン宣言だけはやめてくれ。」

変態B「俺の妹としてその言葉づかいは止めてくれ。」


注意:この回、少しシリアスな場面を含みます。

「ふぁ~~~~~。」

眠たい…。結局朝まで起きていた。現在6時をまわったところ。学校は8時40分に開始である。反省文は一応ノルマ達成をしている。だが今から仮眠なんて考えに無い。徹夜だ。徹夜をしたことのある人はこの状況がわかると思うが、非常に頭が働かない。つまり、反省文におかしい所がある可能性が通常より高いのだ。それを考慮して、今は見直しをしている。時間の効率はもちろん悪い。間違いらしきところを見つけても、しばらく固まり、思考を得たうえで行動に移す。つまり、書き直しだす。若干訂正の必要性の無い所でも固まるため、確認作業は後半のみをしている。所々初歩的な間違いまでしているので、このまま提出をしていたら、再度地獄を見る羽目になっていたことだろう。途中でノイリスが起きたので、アドバイスを貰いつつ頑張ってひたすら訂正をし続ける。


(…あ、そこ間違っていませんか?)

(…。ぁぁ…。間違っているな…。)

俺ってテンション低いな~。例えるならば、お酒の入る前の新入社員…。未だお酒自体未経験だから何とも言えないが…。(※お酒は満二十歳位?をこえてから飲みましょう。)そして飲み過ぎて今、二日酔い。お酒は飲んでいない。手が反省文を飲み過ぎた。文字はというと、千鳥足ならぬ千鳥手。ああ、手の感覚がマヒしてきた…っと…ココマデノ~ハナシハ~ホントウノ~コトダヨ~。などと一人コントをしたりしている。


そろそろ学校に行くべき時間だ。準備は既に済ませてあるので、もう家をでるだけだ。


「行ってきます。」

「行ってらっしゃい」

出発をするときの挨拶をおえる。妹は既に出発をしている。

結局、見直しは最後まで終わらなかった。ギリギリまでやっていてもいいが、徹夜しているのでゆっくり行きたい。歩いていると、いつでもどこでも沸いて来る腐れ縁が背後から奇襲を仕掛けてきた。


「おはよ~。」

「ああ、おはよぅ。」

「早起きなんて珍しいわね~。どうかしたの?」

「俺の顔を見ればわかる。」

っというと、穂希音は俺の前に回りこんで顔を近づけた。急に顔を近づけたので、俺は驚いて立ち止まった。と、同時に穂希音は顔を留めたまま、身体を正面にもってきた。全体的に丁度二人の男女が向き合って見つめているような状態である。しばらくお互いに固まる。


「キャッ…。恥ずかし…。」

「いや、自分で勝手に恥ずかしい行動をして勝手に照れているなよ!?」

意味がわからん。誰かこいつをどうにかしてくれ。そもそもこの程度で恥ずかしがる意味がわからん。小さい頃から慣れているはずだが…。


「徹夜をしたってことだよ!」

「…口でそう言えば良かったのにぃ~。」

「だからって照れなくてもいいだろ。」

照れる意味がわからん。


「そういえば、反省文はもう書き終わったの?」

「一応な。所々文章がガタガタだが、書き終わってはあるぞ。」

ただ、パソコンではないので文字数が少しでもズレると調節が必要になるので予想以上に大変である。


(後半は私の言った通りにしか書いていませんでしたが…。)

(し…仕方が無いだろ!?て…手が勝手に動くんだ!)

脳がほとんど動かず、正しくノイリスが俺を操っていたんだ!仕方が無いんだ!


「あまり無茶しちゃ…」

「無理だっ!!!この世は理不尽だっ!!!」

「え…。えええぇぇぇえええ~~~!?」

仕方が無いだろ?じゃないか。というか、タイミングが悪いな~。


「いたぞぉ~~~!!!」

いたそうだ。見つかってよかったな。


「んじゃ、穂希音また学校で。」

「ぁ…」

もうっ!朝っぱらから走りたく無いんだが…。まあ、腐れ縁と離れるきっかけになるからいいか。…って、あれ?今から学校へ行くんだよな?俺?ってことは、敵の目的地と自分の逃げ場所は同じ…


「イヤアアアァァァァァーーーーーーー!!!ムリダァァァァァーーーーーーー!!!」

これ、何て言う詰みゲー?既にゲームオーバー確定なんですけど…。しかし、捨てる神あらば拾う神がいらっしゃるようで…


「の…紀田~!ヘルプゥー!ヘルプゥミイィーーー!!!」

「ん…?安田か…。その様子だと…、言わずもがな…か…。」

そう言うと、紀田様は例のポーズをとり…


「ちったあぁ、こりたらどうなんだぁーーーーー!!!」

と叫んで、何も考えない無能な兵士達は紀田に右へ左へと投げ飛ばされたりする。…一応俺も含めて紀田が例のポーズをとった瞬間から紀田の射程圏外へとそそくさと逃げる。この世にオーラは存在するんだなぁ~。と思う瞬間である。


「紀田ァァァーーーーーーー!!!」

「…朝っぱらからうるさい奴だ…。」

おっと!?浅井雄哉VS紀田智久の因縁の対決かぁっ!?本日のメインイベントだあぁっ!!!


「いざ!!!決戦のバトルフィールドへ!!!」

「行かねぇヨ!!!」

…行かないそうです…。戦果は聞かずもがな


「オラァァァッッッ!!!」

雄哉の放たれた右のストレートを…


「…フンッッッ!!!」

紀田はギリギリまで引き寄せ…


「うおっ!?」

雄哉の放たれた手をもち…


「ハァッッッ!!!」

背負い投げの如く投げ飛ばす…。


「ぬおぉぉっと!!!」

勢いで紀田の背中の上で上手に側転をし、体制を整えて着地する。


「…少しは上達したようだな…。雄哉…!」

「フッ…昨日は徹夜をしてトレーニングに励んだからな…。そう簡単に終わらせはしないさ」

おう~!雄哉も徹夜をしたのか~。同じ徹夜組同士仲良くできそうじゃ…


「紀田ァ!!!今日こそはお前をブッ飛ばして安田を捕まえてコテンパンのギッタンギッタンにしてやるっ!!!」

…。無いですね。そんなに怒る必要も無いと思うが…。これじゃあ某アニメのガキ大将だな。


「ぬぅっ!」

「ふっ!」

二人とも同時に走りだし、再び戦闘が始まる。紀田は距離を縮め、ある程度距離が詰まった所で跳躍をする。


「俺を見くびりすぎだぁぁぁ!!!」

空中では身動きが出来ないと判断した雄哉は応戦状態に入る。


「フッ!まだまだ青いな…。」

それに対し動揺すらしない紀田。


「…何ぃ!?」

てっきり紀田は空中技を決めると思い込んでいた雄哉は、技を放たず直ぐに着地をする紀田の行動に驚く。


「フンッ!!!」と同時に紀田は体勢を低くし、足払いを放った。予想外の行動に何も出来ずに倒れる雄哉。


「勝負あったな!雄哉!」

「…。クッ…。」

そして、雄哉に反撃の余地も与えずに紀田は倒れている雄哉を足で踏み付ける。


「…。どこのアクション映画だよ…。」

俺はただただ呆然とするほか無かった。




~~職員室(学校)~~


今俺は職員室に来ている。理由は言わずもがな、反省文の提出だ。


「…。」

「…。」

「…。」

「…先生。どうでしょうか?」

沈黙怖い。黙っていないで何か話して欲しい。だからといって、音読をされても困るが…。


「…これ、本当にお前一人で書いたんだよな?」

「え?…はい。そうですけど…。」

「…。」

いや、だから黙らないで下さいよ!!!その後の反応が怖いんですよ!!!


「…取り合えず戻ってよろしい。判定結果は後程報告する。」

えっ…。どうなの…?結果は…?まあ、直ぐに判断出来るような量では無かったが…。何だか元から出来ないであろうと踏んでいたかのような物ぐさもあったし…。


「…。失礼しました…。」

何だか心残りがあるまま、教室に戻る。


(…気になっているようですね…。)

(…まあな。)

気になってはいる。気になってはいるのだが…。何故か…。


(なあ…。未来予知とかは出来ないよな…?)

出来る気がする…。今なら何でも…。


(無理です。)

…出来る訳が無い。…ハァ…。即答ですか…。現実とは辛いものだ…。



~~教室~~


ただいま戻りました。ただ、学校とは実に奇妙なものでして…


「…アァ?」

(興味深いですね…。)

なんだか変な声が出てしまったが、気にしない。それにしても、「ふえおに」って知っていますかね…?初めは鬼が一割程度しかいないのに、逃げる側が捕まったら鬼になるという終わりの無いゲームを…。ただ、普通とはルールが違い…。


「この前、こんなに沢山いたか!?」

(ざっと160人位ですかね…。)

この団体は表舞台に立って良いのであろうか…。こういう団体って裏でこそこそと活動するものではないのだろうか…。まあ、既に有名すぎて無意味ではあるが。もうお分かりいただけるであろう。そう、またもや例の信仰団体に教室に入ろうとした途端に追われているのだ…。さすがに何度も来るから日課になってしまっているのは気のせいか?いつもの如く逃げました。途中、先生ガードを使ってみたが、ガード無効化を使ったのは、参った。


ちなみに教室でも…


「安田これで今日から有名人の仲間入りだな。」

「紀田!そんな暢気なこと言っていないで手伝ってくれよ!」

「ああ。わりぃわりぃ。入学した時点で有名人だな。」

「人の話を聞けぇ!!!」

「…安田がキレるのは久しぶりだな~。」

久しぶりも何も、昔の俺を知らないはずだぞ!?確かにキレたのは久しぶりかもしれないが…。その後、適当に巻いて片付けた。以上!



~~下校~~


「ああ…。やっと反省文から解放された…。」

「さっきから同じことを話してばかりいるわよ?嬉しさはわかるけど。」

嬉しいもなにも、必至に頑張ったものに対して喜びがわかない訳がない。


「…って穂希音いつからここにいた!?」

「…えっ?気づいていなかったの?」

うん。達成感という喜びの前には太刀打ちできない訳でして…。


「喜びに酔いしれていたからな。」

「…そうですか。確かに必至にやっていたのは分かるけど…。」

分かってくれて何よりで。…元はと言えばコイツが引き起こした問題だがな…。うん。この際、一応言って置くか。そうすれば何とかしてくれるであろう。


「なぁ。穂希音、少し話したい事が…。」

「いたぞーーー!!!」

…しつこい…。某映画の警部並にしつこい。別に俺はなにも盗んでいないし盗もうとは一切していないからな!


(いえ、盗んでいますよ。)

いま、カリオ○トロを思い出したら負けだ。俺は既に人生全てが負けているから大丈夫だ。取り合えずは…。


「逃げるっ!」

「ああ、もう…何で逃げるのよ!」

真面目に気づいていないのか…。今は二人して?逃げている。明らかに一人が前を走ってその2.3m位後方をもう一人という構成だから何とも言えないが…。


と、その時がきてしまった…。俺の人生の最大のイベント…出来事である…かもしれない…。いつ、どこで、どのような形で起こるか分からない事…。そのイベントについての最初の知らせは何やら物体と物体が擦れあうような甲高い音。それと少しの何かが…ゴムらしきものが燃えたようなにおい。と、考えていると、次は鉄板と固めの何かがぶつかる低くて先程の音に掻き消されるのではないのかと思えるほどの小さい音。何やら嫌な予感がすると素早く音の発信源の方向を振り向いた。しかし、音は既に止んでおり、その場に残されていたのは…。


「そん…な…。」

そこにあったのは、一台の車とその先で倒れて動かないよく見知った女性…穂希音であった…。

4輪車…。それは一つ間違えれば殺人兵器と成す。

人間は一時の豊かさを求め、その先の恐怖を知らない。

それにも関わらず、人間は危険であふれる世界で生きている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ