俺は普通の学生だ(修正)
この作品はこの作者の初めての作品です。不備などが多々あるかもしれません。改善点などがありましたらご報告していただければ幸いです。
>>(12)5/13文章の大幅な修正をしました。
俺は普通の高校一年生である。名を安田秀冶という。今は入学式が終わって家に帰るところである。
「入学式って言うけど、中学の時とあんまり変わらないよね~。」
「まぁな。」
今話しかけてきたのは俺の幼馴染…もとい、腐れ縁の遠藤穂希音16歳スリーサイズは…いや、なんでもない。気にしないでくれ。とにかく、今はこいつと一緒に帰宅中だ。一応釘を刺しておく。俺は幼馴染だろうと何だろうと、こいつのことは好きではない。だから、あんなことやこんなことは起こらない。いや、起こさせない!決して!!!…。取り乱してすまない。話を戻す。そう。今は普通に歩いて帰っているのだ。俺はいたって普通の人間だ。一般人だ。なのに…
「あいつらって中学の時もよく一緒に帰っていなかったか?」
「ってか、もうできているんじゃない?」
「やっぱお前もそう思うか。ほんと、うらやましいよな~。」
…。そう…。他人から見ればそう思うかもしれない。だが、この周囲の発言が逆効果でしかないと思うのは俺だけか?
「ふふ~ん」
…。まさかとは思うが、こいつまじめに俺の事…。いや、無い。こいつに限ってそれは無い。あってはならない!
「ねぇねぇ~。」
というか、あんなこと言いだしたのはどこのどいつだ!幼馴染なんて現実でもってみろ!二次元のようにうまくいくとか思うな!
「ねぇってば~。」
あれは主人公補正とか何とかがかかっているせいでチート級の能力を発揮しているだけだ!俺はそんな奴じゃない!
普通の人間だ!普通の学生だ!!一般人だ!!!
「おいこら!」
「うるせぇ!」
「なんだとぉ~!?」
いつの間にか俺は路地裏に来ていた。なんだ?さっきの冷やかしから逃げるためにこんなところ来ちまったのか?クソッ俺としたことが…。そして今、変な輩に囲まれてるときた。なんだ?さっき変なこと考えていたから、俺にも補正がかかったのか?襲われている村人Bあたりに?
「まぁいい。今回はその可愛い連れを置いていけば見逃してやる。」
なんとまぁ、悪役じみたことをいう輩なこと。これ、典型的なフラグだね。俺のコマンドは…。
1.戦う
2.防御する。(言葉で負かす)
3.アイテムをつかう。
うん。1or2は分かる。自分で考えたくせに思うが、3のアイテムって何だよ。完全にRPGになっているじゃん!?俺RPG好きだけどよ!?現実にやりたいとは思わないぞ!だが、気になる。今持っているのは、鞄…。投げないよ!?というか、入学早々こういうのと関わるってどうよ!?
しかし、選択肢がある程度絞られるわけだ…。まあ、ここは妥当に…。
「ああ。分かった。」
「ちょっと!秀冶…!」
「物わかりのいいやつで助かる。」
「お褒めの言葉、ありがとうございます。」
え?4.逃げるを選んだって?何を言う。ちゃんとこの中から選んだではないか。2番を。
「というわけで、俺は帰らせてもらう。」
「こ…この薄情者!!!」
後ろで何か聞こえたが気にしない。俺は勝者だ。負け犬の遠吠えなんて聞きたくない。
「先生に言いふらすわよ!学校中に知れ渡るわよっ!」
そんな脅迫、俺には効かないぞ。うん、効かない。効くわけない。効くもんか!効いてたまるか!
「穂希音。逃げるぞ!」
「おおっと。そうはさせない…。」
「邪魔だ!」
逃げようとしたらもちろん明らかにが体格がいいチンピラEが俺の進行先に出てきたわけだ。まぁ、もちろん、鞄をハンマーのごとく振り回し、ノックダウンさせたんだがな。え?そんな簡単に体格のいい男が倒れるわけがないだって?そりゃそうだ。常識にとらわれていたらな…。だって俺は普通に振り回した…もとい、振り上げただけだ。その軌道上に男の…って訳だ。この際、かっこよく真剣勝負で戦っていられるか!これはあくまで自己防衛本能であって、決して一般的でないことをしているわけではないぞ!
「なに逃がしてんだ!お前らはさっさと追いかけろ!お前はいつまで寝っ転がっている!」
あらま、追い駆けてきちまったよ。まあ、分かりきったことだがな。ちなみに先ほど俺の攻撃をまともに食らった大男だが、クリティカルヒットだったらしく、当たった場所を抑えながらうずくまっていた。その挙句にリーダー格の男に背中をけられていたが、決して俺のせいではないとここで言っておく。
「で?どうするのよ?」
「お前も案外落ち着いてるな。」
「秀冶がいれば怖いもの無しだからね~。」
どこからそんな根拠が出るのか。というか、俺、そんなチート属性無いぞ。
「ま、路地から出ればこっちのものだろ。」
そうこうしているうちに出口が見えてきた。
「後はここから脱出すればッ…!」
なんということでしょう。先回りされていました。そりゃ学習能力ある人間だからそれくらいはできるだろうけどさー。
「ここは通させんぞ!」
やべえ。これ、完全にRPGだ。
「じゃあ、そこを通らずに…!」
もちろん脱出経路はそこだけではない。だから…。
「オラァ!」
「ぬぉお!!!」
すみません。無理でした。周囲は壁に囲まれており、後ろからも追いかけてきているため(言っておくが、忘れていたわけではないぞ!決して!!!)、俺はもちろん助走の勢いをつけたまま、足を振り上げ、アレに命中させた。というか、股を広げて、手を横に伸ばして…。つまり、大の字になってとめようとしていたら、ほぼ守れないぞ。特に、突っ込んでくる人に対してそれは無いと思う。うん。せめて戦うことに適した姿勢は見せなよ。カンフーとかの構えみたいにさ?
「…あんたって、意外とえげつないわよね?」
「いや、俺は普通だ。」
「どこをどう見たらそうなるのよ!?」
もちろん、表に出たら追いかけてはこない。大ごとになったら困るのはあのゴロツキ共だしな。
「ったく。1時間も無駄にしちまったぜ。」
「はぁ。あんな所に入るのが悪いのよ。」
「ごもっとも。」
その後、そんなことが起こらぬよう気をつけて帰りました。