表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/67

オートマート

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてChatGPTを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

・ 世界観・キャラクター・ストーリーの基盤は完全オリジナル(整理や補助を行ってもらうことはあります)

・ プロットは自身で立案(ストーリー展開、キャラの行動、テーマ性などを自分で組み立てています)

・ 重要なセリフ・行動・心情変化はすべて文章で指示(キャラクターの一貫性を重視)

・ プロットをもとに叩き台の原稿を出力 → 30%以上の加筆修正(表現のブラッシュアップ・個性の強化)

・ 執筆の過程で違和感のチェック・校正を補助的に利用(つなぎの違和感や文章の整理)


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「ChatGPTをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

 夜の帳がゆるやかに下りるころ、第八特別区の一角にあるMONOLITH(モノリス)経営のコンビニ”オートマート”は、変わらぬ光を灯していた。

 ドアが開閉するたびに流れる機械的な音声、人の気配はほとんどなく、天井を滑るように移動するドローンが規則的に巡回している。


 無機質な店内。いくつもの監視カメラが設置され、あらゆる場所を死角なく見張っている。

 棚に並ぶ商品は、隙間なく補充され、床には(ちり)ひとつ落ちていない。

 清潔で整然とした空間。それは、人間の手がほとんど入らないからこそ維持されているものだった。


 完全なるオートメーション。


(すべてをドローンが処理するなら、私は必要ないだろうに)


 世羅はレジカウンターにもたれながら、小さく息をついた。


 彼の役割は"形式的に"人が存在すること。

 本来、客の応対も、補充も、会計すらも不要で、ドローンがすべてを完璧にこなす。

 だが、"バイトがいるならバイトが仕事をすべき"というシステムの意向により、接客や対応を押しつけられる。

 ドローンの方が正確で速いにもかかわらず、それでもこの"バイト"は存在している。


 社会貢献をする事でスコアが得られる。単純な話ではあるが、実際にはその労働自体が不要なのだ。

 形だけの労働という概念。それが、この島の異常性の一つでもある。


(それでも、働かなければスコアを得られないからな)


 R.I.N.G(リング)を介して家計アプリを開けば、そこには今月のクラン維持費が記録されている。


「50000……か。家賃や、あいつらの食費を含めると、ギリギリってとこだな……」


 月乃、ヤミ子、氷室――三人の配下。食費、住居費、その他の管理コスト。

 彼が抱えるランニングコストは、ただ寝ているだけでは捻出できない。


 賞金稼ぎ(バウンティハンター)、それが世羅の本業である。

 バトルには自信があるし、割のいい相手も多い。だが、それだけでは食っていけない。

 競争率が高く、いつでも安定して得物(ターゲット)がいるわけではないからだ。


 だから、安定収入を得るためにコンビニで働いている。

 決して効率がいい仕事ではないが、"決まった額が確実に入る”という点では悪くない。

 現実問題として、クランの中で世羅のスコア残高は一番低い。

 月乃は生徒会役員として、役職によるスコアを得ている。ヤミ子はアイドル活動の収益、氷室は教師としての固定給がある。

 賞金稼ぎ(バウンティハンター)とコンビニの掛け持ちは、彼女たちに比べて、特別稼ぎが悪いということはない。


 だが、支出が多い。クランは無料ではなく、維持費が必要で、すべて世羅が負担している。


(男が女を養うのは当然だろ)


 三人の生活費についても半額を出している。

 義務はないし、払えと言われたわけでもない。論理的な理由はひとつもない。ただ、それが当たり前だと思っているだけ。

 どれだけ"意味がない"と言われても、世羅にとってはそれが"正しい"のだから。


「ふぅ……」


 指先でホロパネルを閉じ、世羅は天井を仰ぐ。


「月末までに、もうニ、三人……“狩って”おくか…………ん?」


 店内は静かだった。ドローンが“空中”を“滑る”音と、たまに流れる機械的な音声だけが響く。そんな無機質な空間に、妙に落ち着きなく動く影がひとつ。

 棚の間を行ったり来たりし、商品を手に取っては戻す。まるで何かを探しているようにも見えるが、目的ははっきりしない。

 怪しさはある。だが、明確にルール違反をしているわけではない。


(……また、来てるのか)


 小柄な少女だ。


 痩せ気味の体型に、肩より少し長めの黒髪。伏し目がちで表情は読めず、声もほとんど聞いたことがない。

 制服を見る限り、第八特別区第三学園の生徒ではない。


 飾り気のない黒の制服は、第八学園の制服だ。治安の悪いエリアにある、規律が緩いことで有名な学校である。


(ん? おいおい、立ち読みは禁止だぞ? 書いてあるだろ?)


 店を巡回するドローンのカメラが少女をじっと捉えていた。

 立ち読みは明確な禁止行為であり、本来であればすぐに警告が飛ぶ。


 だが、いまはそうならない。理由は明白で、世羅が居るからだ。

 普段はドローンがすべての対応を行うが、バイトが入ると、すべて押し付けるシステムになっている。


 ピッ


 世羅のR.I.N.G(リング)が軽く振動し、通知が浮かび上がる。


『店内ルール違反検知:立ち読み/対応推奨』

(……はいはい、めんどくせぇ)


 世羅は内心で嘆息しながら、レジカウンターを離れる。


「お客様、店内での立ち読みはご遠慮ください」


 できるだけやわらかく声をかけたつもりだった。


「ひゃっ! ひゃあああっ⁉」


 少女は過剰なほどの反応を見せた。手に持っていた商品を落としそうになり、慌てて両手で抱え込む。

 キョロキョロと店内を見渡し、ドローンをちらりと気にしたかと思えば、すぐさま世羅の顔を見て「す、すみませっ……!」と、小声で口走る。


 しかし、次の瞬間、何かを振り払うようにブンブンと首を振り、バタバタと棚の奥へと逃げていく。


(なんか挙動おかしくないか?)


 少女は明らかに何かを警戒している。だが、店を後にする気配はない。

 遠目に世羅をうかがいながら、店内の徘徊(はいかい)続ける。

 何かを探しているのか、もしくは迷っているのか。何度も棚の間を行き来し、商品を手に取っては戻す。

 時折、ドローンの視線を意識するように、肩をすくめていた。


(なんだってんだ)


 レジカウンターの奥に戻ると、少女はピタリと足を止める。

 そして、すぐに目を伏せ、意を決したように向かってきた。


「…………っ!」


 無言のまま、震える手で商品を置く。視線は伏せたまま。

 世羅が商品のバーコードをスキャンすると、少女はぎこちない動きでR.I.N.G(リング)をかざした。


 ピッ


 決済完了の電子音が響く。少女はレジ画面を確認するでもなく、そわそわと指を動かしながら、落ち着きなく世羅の顔を盗み見た。


(……何だ?)


 ちらちらと視線は定まらない。向けたり逸らしたりを繰り返し、明らかに挙動不審。

 顔を確認しているのか、それとも別のなにかを気にしているのか。目的は分からないが、妙に意識しているのは確かだった。


「ひゃっ……!」


 目が合った気がした。いや、気のせいかもしれない。

 少女の視線は前髪に隠されていて、世羅には読み取れない。


「す、すみませんっ……!」


 肩を跳ねさせた少女は、レジ袋を抱えたまま、小さく頭を下げた。


「え?」

「ひゃああああ……っ!」


 世羅の疑問をよそに、少女は足早に出口へ向かう。

 まるで追い立てられる動物のように、自動ドアが開ききるのを待たず外へと駆け出していった。


「えぇ……?」


 世羅は小さく息をつき、レジカウンターにもたれかかる。


(……あいつなんなんだよ? 変な奴だな)


 なにか粗相でもあったのかと考えたが、なにも覚えがない。

 どう考えても自分に非はないだろうと、思考を切り替えることにした。


 ドローンが店内を巡回を再開すると、店内に静寂が戻った。


 ウィイイン――


 ほんの数分後、軽い電子音とともに、自動ドアが開く。

 それに続いて「いらっしゃいませ」と無機質な合成音声が流れた。


「……マスターいるぅ?」


 そっと入ってきたのは、黒ギャル――ヤミ子。


 だが、いつもの制服やアイドル然とした姿とは違う。

 今日はオーバーサイズのパーカーをワンピースのように着こなし、ショートパンツを合わせたストリート系スタイル。

 裾から覗くスラリと伸びた生脚が、ラフな服装とは裏腹にいやに目を引く。


 銀髪のウェーブヘアは、無理やりフードに押し込まれているが、完全には隠れず、肩のあたりでふわりと揺れていた。


「いや、意味ないだろ」


 世羅は眉をひそめた。

 銀髪とともにフードの内側に押しこまれた角が、ぼこっと浮き上がり、シルエットが不自然に膨らんでいる。

 ヤミ子は地下アイドルで熱烈なファンも居る。目立たつ角をどうにか隠そうとしたのは分かるが、むしろ逆効果だった。

 しかし、ヤミ子はそんなことを気にする様子もなく、店内を見渡した。


「あ、マスターいたじゃん!」


 フードをぐいっと下げ、堂々と世羅へ向かってくる。

 さっきまでの慎重な動きはどこへやら、歩き方までいつものノリに戻っている。


「やっほー、マスター。お仕事ちゅう?」


 軽い調子で話しかけながら、レジのカウンターに肘をつく。


「見ればわかるだろ」

「そだねー。でも、バイトっていうより、"いるだけ"って感じ?」

「否定はしない」


 ヤミ子はくすくすと笑いながら、チラッとドローンを見やる。

 ドローンは"仕事をしている"世羅を見届けると、再び天井の巡回に戻っていった。


「ふふ、バイトしてるふりも楽じゃないっしょ?」

「おまえが言うな」


 世羅は軽く肩をすくめる。

 ヤミ子は地下アイドルとして活動しているが、その活動の裏には精気を吸収するという本来の目的がある。

 ファンの歓声、視線、期待――そうしたものから、彼女は"栄養"を得ている。

 彼女にとっての"仕事"は、あくまでも"効率よく搾精するため"の手段に過ぎない。


「んでさ、これ。持ってきたんだけど?」


 ヤミ子は世羅の目の前に、可愛らしいランチボックスを差し出した。


「弁当?」

「そ! マスターのために、手作りだぞ☆」

「……」

「なにその顔? 頑張ってるカレシに弁当作るのって、普通じゃん?」

「カレシじゃない」

「じゃ、ご主人様ってこと?」

「……」

「うわやっべマジかよー! メイド服でも着るぅ?」

「……食う」

「ナイス判断!」


 ヤミ子は満足げに笑い、世羅は小さくため息をついた。


「……シフトが終わるまで待て」

「えー? いーじゃん、いま食べちゃいなよー」

「ダメだ」

「ケチっ」


 ヤミ子はぷくっと(ほほ)を膨らませるが、結局世羅の意見に従うように、一歩引いた。


「しょーがない。じゃ、終わったら一緒に食べよ?」


 軽く肩をすくめたヤミ子は、雑誌コーナーへ向かい、適当なファッション誌を手に取ると、そのままパラパラとページをめくる。


 その瞬間――ピッ


 世羅のR.I.N.G(リング)が振動し、ホロパネルに通知が浮かび上がった。


『店内ルール違反検知:立ち読み/対応推奨』

(……めんどくせぇ)


 世羅は無言でため息をつき、ちらりとヤミ子の方を見やる。

 ヤミ子は堂々と立ち読みを続けている。雑誌を片手で持ち、もう片方の手は腰に当て、リラックスした態勢。

 そのまま「ふーん、今年のトレンドはこれなんだー」などどつぶやきながら、ページをめくる手が止まらない。


(だから、立ち読み禁止って書いてあるだろ)


 世羅は仕方なく口を開く。


「お客様、店内での立ち読みはご遠慮ください」


 ヤミ子の手が止まる。


「……は?」


 ゆっくりと世羅の方を振り向き、目をまたたかせる。


「え、マスター? あーし、いま悪いこと何もしてなくない?」

「してるだろ。ほら」


 世羅は無言でR.I.N.G(リング)の通知を見せる。


『店内ルール違反検知:立ち読み/対応推奨』

「うっわ、マジかぁ……」


 ヤミ子は雑誌を閉じて、しぶしぶレジへ向かう。


 ピピッ――


『780スコアになります』


 無機質な機械音声が響く。

 世羅はレジを操作しながら、ため息交じりにつぶやいた。


「買うなら、ごねるな」

「だって~、タダがいいじゃん?」


 ヤミ子はケラケラと笑いながら、雑誌を受け取った。


 その時――


 店の外、ガラス張りの向こうから、じっと視線を送る影があった。

 街灯に照らされた小柄な人影が暗がりから店内をうかがっている。


(……?)


 一瞬だけ世羅は目を向けたが、影はすぐに視線を逸らし、店の外れへと歩き去っていった。

 気のせいかもしれない――そう思いながら、世羅は手元のディスプレイを確認する。


 シフトが終わるまであと少し。


 店内に流れるBGMは、無機質なシンセサイザー音。

 どこかの誰かが作った"購買意欲を高める周波数"らしいが、世羅にはただのノイズにしか聞こえない。


「いらっしゃいませ」


 客が入るたび、機械音声が流れる。

 感情のこもらない声が一定のピッチで響くたび、妙に現実感が薄れていく気がした。

 レジの奥で、ドローンがゆっくりと旋回する。動きはスムーズで、音もほとんどしない。


(本当は……私の仕事なんて必要ないんだよな)


 商品補充、レジ会計、清掃。そのすべてが自動化され、完全オートメーションで管理される空間。

 それでも、バイトが存在するのは"人間が働く"こと自体に意味があるからだ。


 社会貢献によるスコア。

 この島で"まとも"に暮らしたいなら、"価値のある人間"であることを"証明し続け”なければならない。


「あと一時間の辛抱だ」


 世羅はぼんやりと、ヤミ子の後ろ姿を眺めながら言った。

最後までお付き合いいただき、感謝です!


「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!


今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ