銃口
■ 本作について
本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案・執筆の大半を著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。
■ 活用の具体的な範囲
AIを活用しつつも、自己規範にのっとり、執筆であることは放棄しない方針です。
興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]
■公開済エピソートのプロットを公開中
「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。
https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/
■ AI活用の目的とスタンス
本作は 「AIを活用しつつ創作性を確保する」を模索する試みでもあります。
ただし、創作の主体はあくまで自分であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。
また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。
「世羅ぁ! 女の後ろに隠れやがって恥ずかしくねぇのかよぉ!!」
多胡は言いつつ、襲いかかってくるギャングをなぎ払った。
「ちょっ! アンタたちぃ! よわすぎん! もすこしがんばりなぁ⁉」
ヤミ子は世羅を背にかばい、多胡と対峙していた。
手駒にしたギャング達を次々とけしかけていく。
「死ねっ! 多胡ぉ!」
「おまえがなぁ!」
ギャングクラン”アイアンメイデン”のメンバーは、札付きの不良が集まる第八学園の生徒で構成されている。
第三学園の生徒である多胡が、どういった経緯でクランに参加したのか定かではない。
今でこそサブリーダーという肩書をもつが、それまでの彼の序列は下の下。
扱いはパシリと変わらなかった。
「おらぁ!」
多胡がパンチを繰り出し、背中から生やした影の触手を振るう。そのたびにギャングは吹き飛んだ。
「お、おい……こいつ……」
ギャング達の顔色が変わった。
「ああ……やべぇ……つええ……」
意識のあるギャングは十名ほど残っている。
だが、みな一斉に腰が引けたように足が止まった。
「ん? なにしてるん!? はやくいきなぁ!」
「……って、言われてもなぁ?」
「ああ……ちょっと流石に……じゃね?」
ヤミ子が急かしても、男達は顔を見合わせ動かない。
彼女の異能である魅了の効果時間は五分。
まだ少しだけ時間は残っている。なのに、途端に言うことを聞かなくなってしまった。
「ヤミ子どうした?」
「うむむぅ……」
世羅の問いかけに唸り声で返した。
変異型:淫魔の異能は決まって魅了である。
だが、個体によって細かい仕様が違ってくる。
ヤミ子であれば一日一回五分間、目を合わせた相手を虜にできる。
同時に操る数に上限はないが、ヤミ子を本気で好きになったときに取り得る行動までが命令の限界である。
ようするにいくら好きな女の頼みでも、ボコボコにされる覚悟のある男は多くはないということだ。
「なめんじゃねーぞ! 多胡ぉ!」
それでもゼロというわけではない。
根性の据わったギャングがひとり、殴りかかった。
「邪魔だカスぅっ!」
なんの変哲もない喧嘩キックだった。
だが、嫉妬によりトリガーされた多胡の欲望強化は強力で、繰り出す蹴りは重く速い。
避ける間もなく直撃したギャングは、くの字に曲がり、ぶんぶんと回転しながら飛んで行った。
「ははははっ! つえーなぁ! 俺はよぉ!」
世羅をヤミ子を見下すように、多胡はゆっくりと歩いた。
ギャング達が多胡との間に壁を作っていた。
しかし、多胡が近づくたびに、その壁は道を開けてしまう。
「あーもう! 役にたたねーし! これだから男はよぉ!」
苛立ちを隠さず吐き捨てた。
普段は調子のいいことを口にしつつ、土壇場ではこうなる。
男なんて役に立たない――そんなことを思いつつも、背後に世羅の息づかいを感じていた。
そして、思った。この男は違う、と。
だからこそ、身を挺してでも守らなければ、と。
自身がそうすることを世羅は嫌がり、また無茶をするだろうことも想定内。
そのときは世羅を魅了し、言うことを聞かせようとすら考えていた。
「ヤミ子ぉ! どうだぁ! 俺の元に戻ってこいよぉ!」
「だから! しつけーから! あーしは一度だってアンタの近くにいたことはない! マジでしつこい!」
「だったらねじ伏せてやるっ! 決闘だからなぁ!」
「やってみろ!」
多胡が口を開くたびにイラついていた。
だが、同時にそれを求めてもいた。
正直なところ、分が悪い戦いになっている。
世羅は怪我をして、自分自身の戦闘力は高くはない。
多胡がこれほどの強敵だとは思っておらず、かろうじてしのいでいるが、まともにぶつかればひとたまりもない。
だから、べらべらとおしゃべりして足を止めてくれるのはありがたかった。
別の場所で月乃が戦っていて、世羅が彼女に決着を命じてるのは知っている。
だったら、自身の役目はそのときまでクランマスターを守ることだと考えていた。
「ヤミ子……代われ……」
世羅がヤミ子の耳元で囁いた。
「かわらんっ! さがってな!」
体を入れ替えようとする世羅を背中で押しのけた。
ほとんど抵抗なく押し返せたことで、彼の消耗を文字通り肌で感じた。
「ヤミ子ぉ!」
多胡がぐっと前足に体重をかける。
「アンタ達! せめて盾にはなりなぁ!」
戦えないならせめて弾除けにと、ヤミ子が命じた直後――
「――えっ!?」
多胡の姿が消えた。
「こっちだよぉおお!」
真後ろ。背負った世羅のさらに向こう側から声が聞こえた。
多胡は目にも止まらぬスピードで背後に回り込み、直接、世羅を取りに来た。
「うそっ!」
ヤミ子は慌てて振り返る。
多胡が拳を振り上げていることは感じていた。
世羅の身代わりになる覚悟で、動いた。
「チッ……!」
世羅の反応はヤミ子よりも遅れていた。怪我が体力を奪い続けているのだ。
「もらったぁ‼」
多胡の拳が振り下ろされそうになった瞬間だった。
ドンッ! ドンッ!
鼓膜を破るほどの大きな音が響いた。
ザッ! ザザーー‼
地面に大きな弧を描きながら多胡は滑り、止まった。
一瞬で世羅とヤミ子に近づいた彼だったが、またも一瞬で別の場所に移動していた。
彼が直前までいた場所に、小さな穴がふたつ。薄い煙が立ち上っている。
「おいおい……拳銃って……なんだそりゃ……」
多胡は顔を歪めながら続けた。
「そんなもんが当たったらあぶねーだろっ! なに考えてんだよセンコー! えぇ⁉」
タンッ……!
多胡の視線の先に、人影がひとつ着地した。
「驚いたわね……当てるつもりだったのだけれど」
当てた感触もあった。
だが、避けられた。
「せんせー! 助かったっ! ナイスタイミングッ!」
ヤミ子は突如現れた人影――ソフィアにグッドポーズを向けた。
ソフィアは、ヤミ子に一目向けたあと、多胡に向かって視線を戻す。
警戒は続けつつも、口を開いた。
「世羅くん……貴方、動けないの?」
「見ての通りだ……」
「しっかりしなさい? 負けは許されないんだから」
「わかっている。だが、私は怪我人だぞ? やれやれ……うちには優しい女がひとりもいやしない」
「だとしたら、それが貴方の趣味ね」
ソフィアも、ヤミ子も、月乃も、すべて彼が選び独占した女達だ。
「おいおいおいおいおい! てかよぉ! 氷室せんせーじゃねーかよ! テメーやっぱりこいつと繋がってやがったのかよ! おかしーと思ってたぜ! ずっとえこひいきしてやがったからなぁ ええ!? おいっ!!」
多胡は額に青筋を立てながら一気にまくし立てた。
ソフィアは見据えるだけでなにも発しない。
「……」
――スチャ
手にした九ミリのハンドガンが不気味に光る。
返答は銃口によって行われた。
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