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おにぎり

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

自己規範にのっとり制作という一面はありつつも執筆であることは放棄しない方針です。

興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]

■公開済エピソートのプロットを公開中

「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。

https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「AIをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

「でしたら……しばらくは、みんなで一緒に行動すべきではありませんか?」


 第三学園の屋上には、つよい風が吹いていた。

 生徒会副会長にしてクランメンバーのひとり――怒島月乃は、敷物もなくコンクリートの床に女の子座りをしていた。

 膝の上にはお弁当箱がひとつ。

 ときおり風にあおられてスカートの裾がひらつき、タイツ越しに下着のラインがちらりと覗く。

 対面にすわる世羅は、その光景を堂々と見つめていたが、何色かまでは判別できていなかった。

 月乃もその視線には気づいていた。

 だが、悪びられもしないクランマスターを(とが)めることはできず、ただただ、鬼の反射神経でスカートの(めく)れ上がりを防いでいた。


「いつ決闘(デュエル)を仕掛けられてもいいようにか?」


 クランマスターの敗北は、すなわちクランの崩壊を意味する。

 通常であればメンバーは四六時中、マスターの身辺を警護する。

 それがクラン運営の“鉄則”であり、誰もが当然のように守る常識だ。

 だが、世羅はその常識をまるで意に介さない。

 普段から単独行動が多く、いまのように決闘(デュエル)の兆候すらある状況下でも、彼はひとりだ。


「必要ない」


 月乃は弁当をついばむ箸を止めた。


「なぜですか? 相手は百人規模だと先ほど言っていましたよね?」


 彼女は世羅の身を純粋に案じていた。

 ギャング集団に負けて取り込まれる――その可能性も恐れている。

 身に降りかかる火の粉を払うためにも、当然の提案だった。


「お前たち全員で世話を焼いてくれるってのは、悪くない話だがな――」


 世羅はニヤリと笑みを浮かべた。


「相手が百人いるからこそ、必要ないんだ」

「えっと……世羅くん? わたくしをからかっています?」


 怪訝(けげん)そうに眉をひそめる月乃。

 世羅は悪びられもせず、小首を傾げて返す。


「からかう? 私が生徒会会長さまをからかったことなんて、あったか?」


 ニヤけた視線を受け流しながら、月乃はそっと顔を逸らす。

 そして、すこしだけ口を(とが)らせながら言った。


「わたくしは副会長です……それに、いつも……」

「いつも……なんだ?」


 彼は明らかに「からかってきますよね?」という言葉を誘っている。

 それに気づいた月乃は、(ほほ)をふくらませるだけで口をつぐんだ。


「世羅くんがどうなろうと知りませんが、決闘(デュエル)に負ける訳にはいかないんです! 嫌だと言っても、わたくしは護衛しますよ?」

「だったらなおさらだろ?」

「??」

「四人で固まって行動して、百人に囲まれる。そんなバカな話はないだろう?」


 世羅の静かな指摘に、月乃は唇を噛んだ。

 言っていることは理屈としては理解できる。だが納得はいかない。


「バカって……でも、ひとりで囲まれるよりは、ずいぶんとマシではないですか!」

「まったくバカ正直な脳筋娘だな、おまえ」

「なっ!?」


 月乃は気にしていることを指摘され、顔を真っ赤にした。

 真面目に正しく生きることに価値を置く彼女にとって、生徒会という立場は性に合っている。

 しかし裏を返せば、融通が効かず、一本気すぎるきらいがある。

 世羅の飄々(ひょうひょう)とした態度――学園のルールは基本守りつつも、授業中は寝ているし、勝手に抜け出しもする自由さ。

 その割には成績も悪くなく、何よりこの島で最も重要な“強さ”を持っている。


 月乃は鬼の一族に生まれた。

 幼少期から類稀(たぐいまれ)な武力に恵まれ、“鬼子”として一目置かれてきた。

 決闘(デュエル)は十五歳未満には仕掛けられない保護ルールがあるが、彼女がその年を越えたとたん、挑戦者が殺到した。

 それらをすべて退けてきた月乃だったが――十七歳となった今年、世羅にはじめて敗北した。

 彼女は、世羅の肉体的な強さと、精神的なブレのなさに、すこしだけ憧れを抱いている。

 それは“変異体”としての本能。

 遺伝的な性質に加え、実力主義の環境で育ったことによる言わば“刷り込み”である。

 “自分を打ち負かした相手”に惹かれる、無意識の行動原理なのだ。


「おまえたちを渡す訳にはいかん。負けられないからな、多少は頭を使わないとな?」


 そう言った世羅の口元がゆっくりと吊り上がる。

 薄暗い目の隈のせいで、笑みというより“悪巧み”に近い。

 高校生らしからぬ"(けが)れ”のあるその表情(ひょうじょう)に、月乃は思わず身構える。


「……悪い表情(かお)……何か考えがあるんですね?」

「まぁな……でも安心しろ、おまえの役目は簡単だからな。詳細は“先生”がプリントでもしてくれるんじゃないか?」


 世羅はクククと笑った。

 そして、手にしていたおにぎりを頬張(ほおば)る。


「むっ……」


 咀嚼を止める世羅。


「お口に合いませんか……?」


 月乃が持っている弁当は、姉に作ってもらったものだった。

 だが、世羅に手渡したこのおにぎりだけは、月乃が自分で握ったものだ。

 世羅が頼んだわけではない。借金苦の彼に対するささやかな気遣いのつもりだった。

 ただ、料理経験がないため、栄養バランスや品数まで気が回らなかったのは仕方のないことだろう。

 いま、ふたりは並んで昼食をとっている。

 屋上の風はまだすこし強いが、時間だけはゆっくりと流れていた。


「いや、不味くは……違うな……味はいいんだが――硬い」

「す、すみません。おにぎりなんてはじめて握ったので……」


 月乃はしゅんと肩を落とす。

 世羅は「石でも食ったのか」と喉元まで出かけた言葉を、無言で飲み込んだ。

 言っても仕方がない。

 鬼の腕力で握られた結果、米粒ひとつひとつが圧縮されていたのだ。

 だが、それを責める理由など世羅にはなかった。

 目のまえの少女を不必要に傷つけることに、何の意味もない。


「そ、そうか……月乃……」

「は、はい?」

「私はもうすこし柔らかい方が好みだ。“次”はそうしてくれると助かる」


 世羅はそう言って、無言でおにぎりを咀嚼した。


「は、はい!」


 そのとき、つよい風が吹き抜けた。

 屋上のコンクリートの床を()うように、空気が巻き上がる。

 月乃のスカートがひらりと舞い上がった。


「~~っあ! ちょっ!」


 反射的にスカートを押さえる月乃だが……遅かった。

 世羅の目には、タイツ越しに透けて見えた青と白の縞模様(しまもよう)が、しっかりと焼きついていた。

 直にみるよりも、かえって想像を刺激するものだ、それが“タイツ”の効能のひとつ。


「……しましま」

「っ!!」


 月乃の肩がビクリと跳ねる。


「私の“ニーズ”に合わせたってことだな?」

「ち、ちがいますっ! べ、別に……あなたのためなんかじゃっ!」


 声を裏返しながら全力で否定する月乃。だが、世羅はにやりと笑った。


「そうか? 最近、ずっとタイツを履いているから、そうなのかと思っていたが?」


 にやにやと意地の悪い笑みを浮かべる世羅。

 その顔は明らかに"わざと"を楽しんでいた。


「だから、ちがいますからっ! 最近、肌寒くてっ!」


 月乃は顔を真っ赤にして反論する。

 だが時期はすでに初夏。涼しいどころか、むしろ蒸し暑い季節である。

 言い訳としてはやや苦しい。


「ほんとに真面目だな? “生徒会長”」

「“副”生徒会長ですっ!」


 月乃はムキになって言い返すが、世羅の態度は変わらない。

 まるで猫がネズミをからかうような表情のまま、楽しげに見つめていた。


「世羅くんっ……! ほんとうに……っ! あなたのためなんかじゃありませんからっ! わたくしを……! 上級生を、からかわないでくださいっ!」


 叫ぶような声。

 耳まで赤く染めながら、月乃は両手でスカートの裾をぎゅっと握った。


最後までお付き合いいただき、感謝です!


「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!


今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

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