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海鳥人の歌・カドゥネラ
【海鳥人の歌】
我ら滄溟の友 大海を蒼穹とし 自在に舞う
深き青は果てなく 天空を映す鏡色
羽はなくとも 鰭はなくとも
ひとたび潜れば 我らは海鳥
荒れる流れは風 輝く水面は恵みの欠片
腕は空をかき 足は風をける
我ら海鳥 泡沫となり 水底へ消えゆく時も
母なる海とともに在らん
産霊よ 願うならば 再び我が輝きを
母の水許へ 還したまえ
【カドゥネラ】
華やかな都カドゥネラ
魔夜の霧に呑まれ
いつしか街残して 人消えゆ
後に 強き者 歪みし者 悪しき者
霧に誘われ集う
堕ちたる者どもの坩堝
霧の都カドゥネラ




