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表現の本質

絵で描いていた世界が

描けなくなった

色を捉えることができない


字で書いていた世界が

書けなくなった

ペンが持てない


音で奏でていた世界が

響けなくなった

何も聞こえない


かすれる声で歌った

身体が動かせなくても

耳が聞こえなくても

眼が見えなくても

まだ声は出せる

歌で表現は伝わる

だがいよいよ

その声すら奪われた


すべては俺の空想を

表現してきた行為だが

間違いなく俺だけの世界


だが数々の病は容赦なく

俺の表現方法を奪っていく

でも形に成したい

この世界を刻みつけて焼きつけて


もはや衰弱して意識も

途絶え途絶えになって

ついに死神が現れた


俺はふと気づいた

この『死』こそが

俺の描きたい世界(本質)だと


ああ、ああ、死神よ

勢いよく俺の命を刈り取ってくれ

あんたは最初で最後の客だよ

俺の最高の表現を

見られるんだからな

そして刈り取られることで

それは完成するんだ

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