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初恋の炎を消すために

あなたに告白できぬまま

高校を卒業して三十年が過ぎた

それでも忘れられない

消えることのない

淡い初恋 熱い恋心


便箋を買って

あの頃のあなたに向けて

伝えられなかった言葉と想いを


つらつらと(つづ)る自分を笑う

一途といえば響きはいいけれど

なんて未熟な感情だろう

そして自己都合な思考だろう

その根底にあるのは未練だ


けれど――

そこに秘められた熱は

まさしく炎のようで

心の奥に灯るからこそ

消せずにいた


恥ずかしいと思う現在の自分を制し

真っすぐに当時の自分と向き合う

そして思い出の中の

格好いいあなたの笑顔を思い浮かべて


……

……

……


"今でも私は、あなたのことが本当に大好きです。心から大好きと言えますよ。"

"でも、あの時に告白していたら、あなたはきっとやさしく断ったでしょう。"

"こうして当時の想いを書き出すことで、私はようやく初恋の炎を消すことができるのです。"

……

……

……


手紙を書き終えて

何度も読み直して

四つ折りすると封筒に入れて

そのまま暖炉の中へ


めらめらと燃えていく手紙

私の中の初恋の炎も燃えて

あなたの姿も笑顔も

すっきりと消え去った

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