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これから咲き誇るのだ
つぼみが咲かずに 枯れ落ちた
枯れ葉が取れた 渇いた茎が折れた
花瓶からつかんで それをゴミに投げ捨てる
咲けなかった美しき花
魅せることなき彩り色
まるで 私の生き様を告げるようで
まるで 女の終わりを告げるようで
咲かずに枯れたつぼみでも
瑞々しい若々しい 生きていた時があって
きっと 誰かが咲くのを待っていた
だけど 咲かずに終わってしまい
悲しませたか 怒らせたかもしれない
けれどそれは 誰かがちゃんと
花の世話をしなかったせいだ
咲けなかったのは 誰かのせいだ
だから私は認められない 己の美は終わってない
枯れたつぼみは 今度こそ咲くことができる
私はゴミに投げた 枯れた花を拾い
花壇の土に返した 新しい花の苗を植える
新しい花の栄養とするのだ
ほら 咲けなかったつぼみの代わりに
新しい花が誇らしげに咲いた
花壇に咲くどの花々よりも
一番若々しく瑞々しく 女の化身ともいえる
妙艶なる大輪の花である
私と同じだ
若々しいが 女の匂いがしない 小娘たちよりも
男たちを魅了し 美しく艶めかしいと言わしめた
私の花は これから咲き続けるのだ
私はもっと 男たちの注目の的となるのだ




