恋人関係の終わり(女視点/男視点)
【恋人関係の終わり(女視点)】
「別れましょう」
コンビニの駐車場に停めた車の中
ドライな感情で
関係の終わりを告げたのは私
あなたは優柔不断で受け身
私に依存しているだけ
だから 結婚はあり得ない
「わかった。きみが望むなら別れよう」
あなたは怒りも動揺も 引き留めもなく
やっぱり その顔で私にゆだねるの
自分の意見や感情を出してみなさいよ!
まるで全部私が悪いみたい!
怒りのままに車を降りて歩いた
あなたが追ってくることはない
駅まで近いから 歩くのにちょうどいい
出会いから付き合いだして 同棲までしていたのに
この四年間は あなたにとって何だったの?
私は 生を無駄にしたと思いたくない
自分の家に帰って
あなたのすべてを ゴミ箱に捨ててやったわ
私は 新しい住まいで生活を始めた
新たな出会いを求めた
お気に入りの服を探すように
男をとっかえひっかえした
狂いだした私の人生
あれじゃない こうじゃない
満たされない しっくりこない
だから気がついた
満たされていたのは私
あなたに依存していたのは私
あなたは静かに
決して見捨てることもなく
私に寄り添ってくれていた
だからこそ
何度も何度も忘れようとしたのに
あなたの破片をまき散らしても
心から消えない
【恋人関係の終わり(男視点)】
「別れましょう」
コンビニの駐車場に停めた車の中
固い口調で
関係の終わりを告げたのはきみ
きみは強い女性に見えるが
内心は臆病で 深い渇きを抱えている
性格にも歪みがある故に
俺に強く依存しているんだ
最初から 結婚する気は全くなかった
「わかった。きみが望むなら別れよう」
きみが望むなら 俺はそうするまでだ
いつも優先してきたのだから
きみに怒りと動揺と 強い依存が見えた
何の反応も見せない俺に
きみは怒り 車を降りて出ていく
追う気はない 望んだ結果がすべてだ
出会いから付き合いだして
同棲までしていた
この四年間は俺なりに楽しめた
依存する女を弄ぶため
俺は自己主張はしない
相手は しばらく自分を優先してくれていると思い
一方的に喜び 色々と尽くしてくる
だが だんだんと変わらない俺に 勝手に失望していく
それが たまらなく面白くて愉快だ
すべて一方的な 自己判断だというのに
正直 俺はきみに飽きていたから
別れ話はちょうどよかった
自分の家に帰って
きみのすべてをゴミ箱に捨てた
どうせ必要のないものだ
俺は普段通りの生活をして
新たな出会いを求めた
お気に入りの人形を探し
女をとっかえひっかえした
最初から狂ってる俺の人生
この渇きと歪んだ悦楽を
満たすためならなんだってする
きっと今頃
きみは後悔しているだろう
勘違いを抱いているだろう
俺にはもう一切関係ない
きみの破片をかき集めて
心から完全に消した




