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おやすみ

あなたの隣で眠らせて

あなたさえいれば何もいらない

だからどうか眠らせて


けれど

あなたの瞼が開くことはない

唇が言葉をつむぐことはない

すでに去った生命(いのち)の温もり

今あるのは過去の(なきがら)


そのはずだったのに

瞼が開かれ 私を見つめる

起き上がり 私をかき抱く

愛おしげに 微笑むあなた


まぼろしか都合のいい夢か

あなたは「ともに眠ろう」と告げてくる


私は涙を流しながらうなずいた

あなたは私の涙をぬぐい

口づけしてくる


紛れもなき

あなたの冷たい温もり

あなたの変わらない愛

私はただ満たされる


深い深い愛と熱に包まれながら

あなたと私は向き合って横になる

ずっと訪れないでいた

暗いけどやさしい眠気が襲ってくる

あなたは私にささやく


「おやすみ」


「……おやすみ……なさい……」


私も返して

心地よい眠気に身をゆだねる

最後の最期まで

あなたの存在を感じながら


私たちは今度こそ

二人で永い眠りにつく

それはもう 誰にも邪魔されない

二人きりの世界

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