その花園にはあなたが眠っている
その花園には あなたが眠っている
花の彩 蜜の香 園の美
死した謎を残し まやかし揺らめく
無数の可能性から 細い糸をたぐりよせ 結んでいく
闇のカーテン 光のシルエット
幾重にも払いながら 小さな証を集めていくよ
時に欺く刃を 惑わす言を
乗り越えて 迷うことなく進んでいくよ
やがて扉にたどり着き 鍵を解き放てば
浮かぶは 光の惨劇 闇の禁忌
わたしはようやく あなたの死を知る
その花園には あなたが眠っている
花は鎮 蜜は忘 園は結
死した真を映え 慰みは燃ゆ
一つの不老を 可能とするために始まった因習
闇の儀式 光の犠牲
壊しながら暴いていくよ
神の名の下に繰り返された
王の権威 偽りの愛 民の死
あなたはすべてを封じ隠し
耐えられないために 死を選んだ
花園は 王史の虚真と封印 王子の罪悪と鎮魂
今 わたしは花園に立つ
あなたの亡骸を掘り起こす
呪い 憎しみ 悲しみ 血の贖い
すべての悪夢から解き放つの
わたしが 魘されるあなた 呻く魂たちを導く
さあ 愛した人よ 亡き人々よ
眼を開けて立って 目覚めるの
上を見なさい 天を見なさい
舞い上がる花々を弔いに
かぐわしき香りで忘れ
無垢な生命に還りなさい
その花園にはもう何もない
忌まわしき歴史は終わった
人々は天へ逝った
あなたの亡骸だけが残った
あなたは棺に入る
王家の眠る墓へ
本当の意味でのお別れ
安らかに眠ってほしい
わたしは泣いて
あなたの棺に口づけした
どこからか風が吹き
くすぐり頬を撫でる やさしき匂い
それはあなたが 大好きだった花の香り




