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森の宴
浮かれ月夜に煌星
森の動物集まりて
大精霊の大樹で大騒ぎ
賑わい賑わい 踊れや踊れ
鳥は ぴゅいぴゅい囀ずり
梟は ほーほー声合わせ
狸は ぽんぽこ腹を鳴らし
狐は こんこん鳴き唄い
兎は ぴょんぴょこ跳ね回る
鹿の行司でいざ勝負
熊と猪 互いの力比べ
狼と虎 威嚇と気迫比べ
互角だ互角だ どっちも譲らず
精霊たちは
人間の廃村を利用する
竈に火をくべ大鍋を乗せ
町で得た様々な具材
森の果物や木の実や芋などで
料理を作っていく
妖精たちは兼ねてより
発酵させていた酒に
月の雫と星の蜜を混ぜ
極上の酒に変え
酒瓶に注いでいく
そうして出来上がった料理や酒は
動物が慎重に運んでいく
大会場に並ぶ動物たちに配られ
この森の主たる大精霊が姿を現す
大精霊が杯を手にとり
朗々たる声で音頭をとる
我が森の恵みと営みに
この素晴らしき自然と天候に
貴方たちにすべて感謝致します
それでは──乾杯!




