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操り人形

ワタシは操り人形

いつの間にか宿っていた

自由はなくて

動くことはできない


子ども向けの劇場で

手と足と首と身体を糸で

滑稽に大仰に動かされる

遊ばれているようで

子供はけらけら笑う

みじめさが嗤う


自由になりたいよ

思いっきり走りたいよ

ワタシは見せ物じゃない

普通の人形に宿りたかった

涙は流れない


ある日不思議な人が現れ 

ワタシを月の魔法で

自由にしてくれた


身体が糸から離され

初めて自分で動かせる

ワタシは嬉しくて 思いっきり走った

劇場の倉庫から脱し街中を走る

荷物の隙間から見てた光景

目の前にある いろいろ楽しんだ


気づけば街の知らない場所

空が白みはじめた

日の明かりで 月の魔法は消える

糸は操り人形の生命線 

戻ることができず 身体が倒れた

もう動けないけど 後悔はなかった

ワタシの意識も薄れて

朝の訪れとともに

ゆっくりと消えていった

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