第二話 天才、魔法を知る
(そろそろ、ここの生活にも慣れてきたな)
僕が転生してから、3年が経った。
どうやらこの世界は地球とは違うらしい。
例えば、この世界独自の文字が使われていたり、見たことのない生き物が空を飛んでいたりなど…
何より重要なのは、この世界に『魔法』が存在している事だ。
この世界における『魔法』とは、ちょっとした傷を治したり、呪文を詠唱して、服を洗ったり乾かしたりするなど、元の世界における電気やガスのようなものだ。
そういえば、生まれて一年目ぐらいの時に、うっかり転んでしまい、母に、魔法で傷を癒してもらった事があった。
ちなみに、僕の母の名は、『メアリー』と言って元々、父と冒険者をしていたようだ。
魔法が得意らしい。
一方、父の『ダーテ』はというと、魔法がダメダメで、剣を振るしかない脳筋タイプだ。
しかし、剣の腕は確かで、一振りでそこらへんの木を薙ぎ倒してしまう程には強い。
◇◆◇
(さてと、今日はこの本を読むとしよう)
異世界に転生してきた僕だが、最近になって、趣味ができた。
文字も読めるようになったので、初めは読めなかった本を、暇つぶしで読むようになっていた。
今日は、母の机の引き出しの奥に入れてあった本を読もう。
(この古びた本はなんだ?)
なんとなく、不思議な雰囲気を纏っている本だ。
魔法について記載されている本のようで、これを読んで本に書いているとうりに、呪文を詠唱してみることにした。
次の瞬間、手のひらが少し熱くなって、小さい爆発を起こした。
「うわっ!?」
素で驚いてしまった。
「エンリル、大きい音がしたけど大丈夫!?」
まずい、母に見つかってしまった。
どう誤魔化そうか…
「えっと、えっと、転んじゃって…」
「そうなの。危ないから、気をつけてね。エンリル」
「はーい、母さん」
よかった、魔法を使ったってバレなかったようだ。
それにしても、この本は何なのだろう。
これを勉強すれば、もっと魔法を使えるのでは?
これを機に、僕は魔法を知っていくことにした。
◇◆◇
さらに2年が経った。
僕は寝る間も惜しまず、魔法に時間を費やした。
本の内容によると、魔法には、火・水・風・土の4つの属性に分けられるらしい。
さらに、属性ごとに初級・中級・上級・超級・聖級に分けられ、聖級に近づくにつれ、威力と難易度が上がると知った。
(そういえば、この世界のおとぎ話みたいな本で、聖級魔法よりも遥かに強い、神級の魔法があるとかないとか…)
まぁおとぎ話なんて、所詮作り話だしな。
ちなみに、僕が今使える魔法は、火属性の上級と水・風・土属性の中級の魔法である。
今の僕は、この世界でどのくらいのものなのか、少し気になる。
そういえば、もう5歳だよな。
学校とかは行かなくてもいいのか。
そもそもこの世界に学校なんてあるのか?
もう少ししたら、両親にも話してみよう。
読んでくださりありがとうございます。これからも、基本的に毎日投稿を頑張るので読んでいただけると嬉しいです。ではッ!