表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小沢治三郎~最後の連合艦隊司令長官~  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/50

憤慨

 申し訳なさと共に、治三郎は主義主張を平気で変えてしまった戦後日本人に対する憤慨の念を持っていた。戦争を生き残れた将官達の変節には、特にその棘がチクリと治三郎の心に突き刺さった。

 敗戦した事は確かに認めざるを得ない現実である。しかし、自分が生きていく為に、それまで生きて行く為にそれまで培ってきた、何もかもをかなぐり捨ててしまう腰の軽さが、どうしても尻軽に感じられるのは、治三郎だけではないだろう。

 多くの若者の命を奪っておきながら、その様な軽率な事が平気で出来る信条が、治三郎には理解不能であった。

 治三郎自身、自分だけが正義感の強い男であると思った事は一度もない。それでも、亡くなった多くの人間の屍の上を歩いて行く事は、治三郎にとっては苦しいものであった。やり場の無い怒りは、こうやってぼやく事でしか発散出来ない。

 治三郎は不器用な人間である。もっと上手に小器用に生きる事も出来たかもしれない。その道を敢えて進まなかった小沢治三郎は、誠の武人であったのであろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ