友達
読みに来て下さりありがとうございます!
「最近の若い子はすごいと思うんだ」
「何を言ってらっしゃるのかしらこの馬鹿は。」
教室に戻ってきた俺は開口一番、気怠るそうにスマホを弄る金髪の女子に話しかける。
何をしていても取り敢えず適当に返事を返してくれる神対応のこのパツキンギャル系彼女は宮内凛。俺の数少ない友人と呼べる1人だ。
見た目は派手だが気配りが上手く、周りがよく見えてる。見た目だけにギャルステータスを振った中身清楚なのが彼女である。
「いやー今時の子ほんと凄いよ。1桁歳でスマホ使ってるんだから」
「すごいよねーホントびっくりー」
中身の無い話に心のこもってない相槌で繰り広げられる会話は、クラスメイトからは若干気味悪がられてヒソヒソ声や訝しげな視線がちょくちょく刺さってくる。
「それで?本当になに」
宮内はハァと怠そうに溜息を吐きスマホをうつ伏せに机に置いて俺を睨む。
「これと言ってなかった」とは言えない出来事はあったが、これを言うと根掘り葉掘り聞かれそうで困る。
俺は少しの間を作りわざとらしく咳をして宮内の方へ向き____
「1年の峯葉と喋った」
「……」
重大な事と言わんばかりの真剣な顔で切り出した凄いしょうもない話題に、ちょっと身構えていた宮内はあからさまに嫌な顔を露わにしてスマホを触り始めた。
これもう話しかけても反応無いやつだ。
多分宮内はさっき言った話を信じてないだろうけど実は本当でそれもついさっきの話だったり。まぁ、信じてもらわない方が何も聞かれないで面倒じゃないからいいんだけどね。
こうして俺は同じクラスの唯一の友達の機嫌を損ね下校時刻まで誰とも話すことなく学校を終えた。
◇◇◇
「それじゃあ気を付けて帰るように」
わいわいがやがや。これは俺の自論だけど、放課後に入った高校生のテンションはそこらの小学生より圧倒的に高い。
廊下でなんかの踊りをして動画を撮ってるカースト上位女子、部活の準備をする陽キャ、早々に帰宅する俺。
40名近くいるクラス内で部活に入っていないのは俺と宮内と他数人くらいで、大体が何らかの部活動に所属してる。
別にこの雲雀ヶ岡が部活動に盛んという訳でもなく、たまたまクラスに部活動に入っている人が多かったというだけっぽい。
「ねぇ、橘はこのまま帰んの」
「え?」
どうせ1人寂しく帰る予定だったが予想外の不機嫌宮内から声を掛けられ思わず素っ頓狂な返事が出る。
宮内は居心地が悪そうにクラスの人達を睨むと、俺の腕を強引に掴み廊下への引っ張りだす。
「何これデート?」
「はぁ?キモイやめてキショい」
罵倒からの罵倒は辛いよ宮内さん。
俺だって立派な男子高校生なわけだし、満場一致でみんな綺麗とか可愛いって言うだろう宮内凛に腕を引っ張られて、このまま帰んのって言われたら誰だって期待はしちゃうと思うんだ。俺間違ってないよね?
腕を引っ張られ続け来た先は昇降口。ほら放課後デートじゃん。
「待って俺このまま帰る予定だけど、ほんとどうした?」
1年からクラスが一緒だったが別段こんな事する性格でもないので今更ながら少し戸惑いつつ宮内を見る。
「別に。」
宮内は不機嫌そうに俺の腕を掴む手を離し、無言で自分の靴箱に行く。乙女心分かんないな。
しかしここまで来るとやっぱりデートでなくても遊びたかったんかな?と思う。まぁデートと言われて軽口を叩ける宮内じゃないもんね。可愛い。
そしてこれは俺の妄想。そう、ただの妄想に過ぎないが、さっき「デート?」って聞いて否定してなかったところを見ると、2人で遊びたかったけどデートと言われて意識してしまった。
みたいな構図が出来上がる。
「宮内、この後暇だったら駅前の本屋寄ってかないか?俺が今読んでるラノベの新刊今日らしくってさ。」
靴に手をかけていた手を止め俺の方を向くと
「行く」
と二言。
宮内は靴を履き俺に向けて顎をクイっと、早く来いと合図する。身の翻し方半端ないなコイツ。
ーすいません今行きます。
「キモイ」
あれ、俺のウインクの意味伝わらないか。
俺は急いで靴を履くと宮内との放課後デートに若干胸の躍らせながら学校を後にした。
まさか1話から早速ブックマーク!凄い嬉しいです(~’.’)~
続きが気になってくれたりしたら感想、いいね、ブクマぜひお願いします!創作の励みになります!!!




