後日談 03
島に近付いて行くと集まって来た人達が何やら騒がしい。まぁ人が空飛んで来たら騒ぐか。
「竜人様だ!竜人様が現れたぞ!!」
「おお・・・・・伝承の通り我らを迎えに来て下さった」
「だが抱えているのは誰だ?私には人族に見えるが・・・・・」
「王家の守護者が人族を連れて来る筈あるまい」
「いや・・・もしかしたら陛下の夢が叶ったのでは?」
「もしくは従えたかか?」
「まぁ、なんにしてもだ・・・・・」
「「「「「滅びずに済む!!」」」」」
なんだ?滅びずに済む?そこまで切羽詰まってるように見えないけど・・・・・あ・・・男しか居ねぇ。
俺達が地面に降り立つと魔族達が膝ま付いた。
「竜人様、お勤めご苦労様です!」
「我等必ずや迎えに来て頂けると信じておりました!」
「そちらの人族は下僕でしょうか?」
「静まれ!こちらのお方こそ我等が王!二代目『飽食の王』ブレッド・べアリュール陛下なるぞ!!」
「「「「「失礼しましたああぁぁぁ!!」」」」」
何このコント・・・ま、まぁいいか。
「え~っと、初めまして二代目『飽食の王』をやらせて貰っているブレッド・べアリュールです。皆さんを俺達の国に迎えたいと思っているのですが如何でしょうか」
「おお~!!」
「何処へなりとも参ります!!」
「何でもしますから連れて行って下さい!!」
「それじゃ全員準備を・・・ってここに居る五人だけ?他に人は居ませんか?」
「「「「「居りません!」」」」」
「それじゃ必要な荷物をまとめて来て下さい」
「「「「「そんな物は御座いません!!」」」」」
無いのかよ・・・先祖の遺品とかそう言うのも壊れたり朽ちたりしちゃったんだろうなぁ。来ている服もなんかの毛皮だし、ほぼ原始人みたいな生活してたんだろうな。
で、人族と共存してる事とか簡単に説明して転移で全員ゼルゲルへと飛んだ。
「・・・・・うおおぉぉぉ!!人だああぁぁぁ!!」
「男も、女もいるぞおおぉぉぉ!!」
「すげぇ建物だああぁぁぁ!!」
「おお!夢にまで見た文明だああぁぁぁ!!」
「数百年振りに真面な生活が出来るぞおおぉぉぉ!!」
「「「「「ブレッド陛下バンザーイ!!」」」」」
町役場前の広場に着くと全員が目を見開き暫く固まった後燥ぎ出した。何だろう・・・普通なら同情とかする所なんだろうけど、このノリのせいで全くそんな気にならない・・・つーか、ちょっとウザい。
で、先ずは衣食住だなと役場で住民登録して独身用のアパートに案内したり服屋に連れて行ったり分身を渡したり町の案内をしているうちに宴会の準備が出来たと呼ばれて馬鹿騒ぎが始まった・・・なんか事あるごとに宴会してんな・・・まぁいいんだけど・・・娯楽とか考えた方が良いのかな?
で、翌日。
「陛下、我々は何をしたらよいでしょうか?」
「ん?暫くは町を見て回ってやりたい仕事が有ったらそれでいいよ?」
「では町周辺の警備をお任せ下さい」
「我等は魔物使い故、周辺の魔物の対処はお任せを」
「あ~、この国・・・魔物居ないんだよ」
「ま、魔物が居ない?!」
「なんと!それでは我々の存在意義が・・・・・」
「他に出来る事と言えば畑仕事か魚を取る位・・・・・」
「海が無ければ畑仕事しか・・・・・」
「陛下のお役に立ちたかった・・・・・」
「いや、別に他の仕事でも・・・・・あ、いや・・・でもなぁ・・・・・」
「何ですか陛下?何か良い案でも御座いましたか?」
「う~ん・・・有るっちゃあ有るんだけど・・・・・」
「おお!陛下我らにお任せ下され!!」
「いや、でもなぁ・・・・・」
「我等では不足でしょうか・・・・・」
「一人では力不足でも五人で力を合わせてやり遂げて見せます故なにとぞ!」
「う~ん・・・そこまで言うなら」
「「「「「有難う御座います陛下!!」」」」」
説得されて渋々五人を連れてイステリアへと転移をした。ほんとにいいのかなぁ・・・・・
ここまで読んで頂き有難う御座います。