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「・・・・・オリジナルから全分身へ・・・ウェイスランド王都の跡地へ誘い出して総力戦を仕掛けるぞ!!」


(((((誘き出すって・・・本気か?!)))))


「ああ、俺が出る。北の街道沿いの監視班は残って奴を発見次第『飽食の王』の名を出して王都跡地へ呼び出せ。他の者は周辺に散開、増殖して遠距離攻撃しろ。俺は短距離転移で奴を攪乱する」


(((((・・・了解・・・だが通用するのか?)))))


 分身達の懸念も解かる。実際グレネードの一斉斉射で殆どダメージを負っていなかった。


「俺の強みは疲労しない事だ。時間さえ掛ければ必ずチャンスは訪れる。一応切り札も有るしな」


 オリジナルにしか使えないスキルが通用するかは解らないが、チャンスが有れば使う事を躊躇うつもりは無い。


 分身達が配置に付き、上空へとロールパンを飛ばして行く。かれこれ三十分近く経つが奴の姿は捕らえていない。あの『デモンエクスプロージョン』とか言うスキルが王都を破壊した物と同じならば、使用後の行動に制限が有るのかもしれない。あれだけの威力なんだし連発も出来ないだろう。


 暫しの静寂の後、北部監視班が移動を開始したニコラを発見し、射程に入り次第結界に閉じ込めた。


「クソッ!またこれか!『カオスブレイド』!!」


『『『『『待て!!お前の目的が『飽食の王』なら王都の跡地へ戻れ!!』』』』』


「あ?!てめぇか!てめぇが魔王なんだな!!姿を見せやがれ!!」


『『『『『もう一度言う、王都の跡地に戻れ。そこで『飽食の王』が・・・お前の仇が待っている』』』』』


「ハッ!罠にでも嵌めるつもりか?・・・いいぜ行ってやる・・・どうせ俺には何も残っちゃいねぇんだからな・・・・・」


『『『『『可能であれば少し話がしたいと思っている。その気が有るなら行き成り暴れるのだけは勘弁してくれ』』』』』


「フンッ・・・辞世の句でも考えとくんだな」


 結界を解くとニコラは南へと歩いて行った。ん~何だろう〝アデル〟親子とは性格が違う気がする。カンストした事が関係しているのか?


*


*


*



(((((来たぞ、オリジナル)))))


「ああ・・・『バトルフォーム』!!総員戦闘になった場合は俺の事は気にせず攻撃しろよ」


 問答無用で襲い掛かられても良いようにバトルスーツを身に着けて待つ事にした。


「・・・・・てめぇが魔王か・・・俺を嵌める準備は出来たか?態々ゆっくり来てやったんだ、がっかりさせんじゃねぇぞ」


「魔王か・・・そう呼ばれるのは久しぶりだな・・・・・二代目『飽食の王』をやらせて貰っているブレッド・べアリュールと言う。話を聞く気になった、と言う事でいいのかな?」


「ああ・・・・・」


「そうか、有難う。俺の事は光神教の残党から聞いたんだろう?許してくれとか言うつもりは無いが、理由だけでも聞いてくれ」


 ニコラに〝アデル〟親子を殺した理由を、光神教がしていた悪事の事を全て包み隠さず話した。話の間ニコラは寂しげな表情をしたまま俺を見ていた。


「以上だ。俺としては戦闘は避けたい。君は何も残っていないと言っていたが、俺の国に君の曾お婆さんが居る。君さえ良ければ一緒に暮らす事も可能だが如何だろうか?」


「・・・・・それで終いか?『バトルフォーム』!!『カオスブレイド』!!それじゃあ始めようぜ、殺し合いをなぁ!!」


「待て!何故だ!確かに俺は君の仇かもしれないが―――」

「そんなこたぁ如何でも良いんだよ!!会った事も無い親父や爺さんが何をしていたとか!曾婆さんが生きて居ようが!居まいが!如何だっていいんだよ!!」


「クッ!『シフト』!!『ハードシールド』!!攻撃開始!!」


(((((『ロールグレネード』!)))))


「ハッ!こんなもん効きゃしねぇぞ!!『スラッシュ』!!ちょこまか逃げ回ってないで打ち合えや!!」


「俺はお前と違って戦闘職じゃねぇんだよ!!『シフト』!!悪いが正面から打ち合う気は更々無いんで逃げ回らせて貰う!!」


 夜の静寂を打ち破る派手なスキル戦が開始した。俺は転移と盾で攻撃を交わし、受け流しつつチャンスを待った。


 俺はこの時、この期に及んでもニコラを取り押さえて説得出来ないか、なんて甘い考えをしていたんだ。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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