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「ちょいと邪魔するぜ」


 ウェイスランド王城の会議室で国王とか大臣が会議をしている所にお邪魔した。現状こちらに進軍してる訳だし、礼儀とか要らんだろ。


「何者だ!貴様何処から入って来た!」


「ベアリュール王国国王ブレッド・ベアリュールだ。二代目『飽食の王』って言やぁ解るだろ?」


「貴様!魔王か!!衛兵!奴を捕らえよ!!」

「陛下と大臣方を御守りしろ!」


 当然その場に居た近衛とか衛士達が一斉に剣を抜いて向かって来たが何の脅威も感じない。


 襲い掛かって来た衛士の刃を素手で受け止めては殴り飛ばしていった。普通の衛兵相手じゃオリジナルの出番なんてある訳無いわな。


「堅パンチ!!」


「グハッ!」


 大したスキルも持たない剣士なんてお呼びじゃないんだよと、向かって来る者が居なくなるまで受け止め殴り飛ばした。ものの五分もしないで会議室の制圧は完了し、気絶した衛士達を出入り口に積み上げて行く。


「はいお終いっと。そう怯えなくてもあんた等にゃ手は出さねぇよ。そっちから攻撃してこなけりゃ、だけどな。まぁなんだ、話が有るから座ってくれ」


 で、教会の件と進軍している兵士を引かせるように話をした訳だが、答えはNOだった。


「あっそ。それじゃ、うちに来たい奴はうちで引き取って司祭長は元に戻すけど、アルバゴーンとの国境を超えた時点で問答無用で兵士達はぶちのめすし、あんた等には責任取って貰うって事で。ああ、アルバゴーンとイステリアとエルベフォンは俺に付いたし、他の国に着き次第同様に教会は潰して回る。当然本部の都市国家アデルも潰すからそのつもりで」


 出入り口の向こう側も騒がしくなってきたし、言うだけ言って転移でゼルゲルの自宅に帰った。頭が悪いって言うか、教会に毒され過ぎてて聞く耳持たんって感じだったな。室内に突然現れるって事が如何言う事か解ってないのかね?


 さて、ウェイスランドの司祭長は元居た町や村に戻しますかね。身動き出来ない位に縛って首から『私は不正な取引で私腹を肥やし、身分を盾に孤児達に手を出したクズです』と書いた板を括りつけた上に目立つように広場に置いておこう。見付けた人が助けてくれると良いね。あ、俺はこいつ等と違って差別はしないから、年齢とか性別関係無く全員同じようにするから安心してね。


*


*


*


 ウェイスランドの教会から孤児と司祭達をゼルゲルに連れてきた。まぁ家は余ってるし、教会も元々あった奴を修復してあるから大丈夫だろう。


 孤児達は世話好きなお姉様方に預けて司祭達を連れて教会に入ると、数人の男性がなにやら祭壇を見上げて笑い合っていた。


「・・・・・で、なんなのこれ?」


「あ、ブレッド様、我ながら良い出来だと思うんですけど如何ですか?お気に召しませんでしょうか?」


「いやまぁ、これが皆の心の支えになるなら良いんだけどさ・・・・・」


 なんか祭壇に光の女神と闘神の石像に挟まれる形で俺の石像が置いてあったよ。右掌に食パンを掲げるように、左手にはバゲットを杖のように持っている。何か賢者っぽいポーズだな、おい。


 なんて言うか、作っちゃったもんは仕方ないけど、せめて一言言ってからにして欲しかったよ・・・自分の石像が奉られるとか恥ずかし過ぎるだろ。


 この日から、ロイドの孤児院でパンの神様と呼ばれていたのがそのまま大陸中に広がって行く事となった。国王ですら柄じゃないってのに神様かよ・・・・・

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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