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 翌朝、嫁達に事の経緯を話して賛同を得られたので役所を纏めているバルダーク夫妻とゾルゲルさんに話をした。


「と言う訳で、教会は潰して孤児達の援助をする事にしたから」


「お前なぁ・・・次から次へと面倒を抱え過ぎだ」


「私も許せないし、気持ちは解るけど・・・・・」


「まぁなんだ、お前の事だ、勝算はあるのだろう?」


「一ヶ所当たり二~三十人だし、食わせるだけなら何とでもなるよ。必要なお金はお菓子かパンの俺を売ればいいんだしね」


 ロイドの孤児院の焼き直しだしな。実質俺が運営するんだし、癒着とかの腐敗をする事も無い。問題が出るとしたら俺が死んだ後だろ。って言うか俺って寿命有んのかね?


「まぁそうなんだろうが・・・・・」


「最悪の場合はゼルゲルとロイドで引き取る事になるとは思うけど、後少しで中間の村も作り始める訳だし問題無いと思う。何なら成人する前に職業体験させるのも良いでしょ?」


「十歳位からやりたい仕事の手伝いをさせる・・・良いんじゃない?私は賛成だわ」


「それには俺も賛成だな。人族の寿命は短いのだから早いうちから経験を積むに越した事は無いだろう」


 ケティさんとゾルゲルさんも賛成してくれた事だし、その方向で進めて貰う事にした。バルダークさんは渋い顔をしているが、彼が心配しているのは俺のキャパを超えてしまわないかだから問題無い。


「それじゃ、関係各所に通達を出しておいて下さい。子供達に手を出されそうになったら問答無用で叩きのめしますので、早ければ今夜にでも動きますから」


「あ、ああ、解った」


 後はロドリゲスだけど・・・事後承諾で良いか。言ったら絶対に止めるだろうしな。


 で、案の定その日の夜に手を出そうとしたので、司祭長全員ぶちのめしてゼルゲルから北に二つ目の山の山頂に転移で送った。王都以外の町や村も、俺の手の届く全てのだ。


 調べて分かった事だが、司祭長は本国、アデルから送られて来た奴等で、一般の司祭は各町の住民、元孤児院出身が中心だった。元孤児以外だと商会の三男とかで、賄賂の証拠の有る奴は司祭長達と一緒に山頂送りだ。彼等には暫くここで反省して貰おう。


 残った司祭達には本部と手を切ってこのまま生活をして貰って、別の仕事がしたい人には紹介する事を告げて食パンの俺を置いてきた。突然開放されて戸惑ってるし、全員で良く話し合うようにと言っておいた。


 これによりアルバゴーン、イステリア、エルベフォン王国が光神教、都市国家アデルから解放された訳だが、別に信仰するのは自由だし、問題が有るとしたら癒着してた奴等がどうでるかかな?まぁ証拠書類は俺が抑えてるし、朝になったら証拠を持って各国の国王に会いに行きますかね。


 それでもアデルに付くと言うなら孤児と司祭達はうちで引き取って司祭長も戻すけど、監視は続けるよ。


*


*


*


「はぁ・・・とんでもない事を仕出かしてくれたな・・・・・」


 ロドリゲスに報告したら頭抱えて項垂れちゃったよ。


「宗教として本来あるべき姿に戻しただけだが?俺個人からしたら知ってて放置したお前も同罪だ。知らなかったとは言わせねぇぞ?」


「ああ・・・そのような事は言わぬよ・・・だが、それもこの国の発展のために仕方なかった事だ」


「そんなの言い訳にもならねぇよ。で、どうすんだ?俺かアデルか選べ。アデルを選ぶなら事実をありのまま国民に知らせた上で、この国から完全に撤退するが?」


 勿論俺の関係者全員連れて行くし、アルバゴーンの国民は誰一人として国境を越えさせない。イステリアの交易商人には通行証を渡して置けばいいしな。まぁそれもイステリアの王家の判断次第だけど。


「・・・・・いや、私も腹を括ろう。教会の馬車がこちらに向かっているのだ、ウェイスランドに加勢するなら言い逃れなど通用しまい」


「解った。この国ごと俺が護ってやる。先ずはウェイスランドとアデルから。イステリアとエルベフォンの対応次第ではそちらからもだ」


「済まんが宜しく頼む」


 後十日もすればフォスター達が南砦に、更に三日後にはウェイスランド軍も国境に到着する。アデルの馬車も今のペースならほぼ同時に国境に着くだろう。そのまま攻めて来るなら可能な限り犠牲を出さずに追い払う。アデルの連中の目的は解らないが既にこちらから喧嘩を売った訳だし、何方も話し合いで方は付かないだろうな。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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