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CreateWorld~絶対死なない半異世界生活~   作者: 夢幻星流
第1章「初めての異世界」
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第8話 残酷な真実

前回までのあらすじ

シャーロットと盗賊団のボス、ガレットの決闘中、

康介はシャーロットを探し、大声で彼女の名を呼ぶ。

しかし、康介が見たのはシャーロットがガレットに吹き飛ばされた光景だった。


「シャーロット!」



 康介は走りながらまたそう叫ぶ。


「シャーロッ……」


 この時、目の前の光景により少女の名を呼ぶことが阻まれる。

 そう。そこには大男に金棒で殴り飛ばされたシャーロットの姿があったのだから。


「シャーロット!大丈夫か、おい。おい!!」


 康介は大男を素通りし、倒れているシャーロットの元へかける。

 勿論、大男も康介のその愚行を見逃すことはない。


「馬鹿…後ろ!!」


 シャーロットがそう言うと、康介の後ろには大男が大きな金棒を振り落としている姿が…


「くっ!!!」


 シャーロットは最後の力を振り絞り、雷のように落ちてくるガレットの金棒を剣で受け止めた。


「っ!」


 腕が折れるのを感じシャーロットは歯を食いしばる。


「シャ、シャーロット……ごめん、俺……!」


「し、勝負に負けたのは私のせい。そして今のは…貸し一つよ。けど…返さなくていい。私の、最後の抵抗…自己満足…だから…」


 が、シャーロットは今度こそその衝撃に耐えきれず、白目を剥き、


「逃げ、て…」


そう少女はそう言って倒れ込んだ。


「……おい……馬鹿、起きろ、起きろよ、頼む!!」


「うるせえな。気絶してるだけだろ……」


「あ?」


 康介は血走った目で声のした方を見る。


 こんなにも怒りが湧いたのはいつぶりだろう。華奢な少女を傷つけ平然としていられるのか理解できない。


「お前、何がしてえんだよ!!」


 康介は叫ぶ。


「いきなり出てきやがって……こいつが何したって言うんだよ!!お前がそうやって傷つける権利があんのか!!」


「はっ!権利だぁ?んなもんねえよ。ただ俺は賞金を狙うだけだ」


「しょう、きん?」


「ほーぅ。なんだぁ、一緒にいるから仲間だと思ったが、その反応見ると知らねえくせえな。そいつはなぁ、王国最高の賞金首『王の娘』シャーロット・ベル・メディアン」


「王の…娘?」


「ああ、王国の王女らしい。しかし、王への反逆、クーデターを起こし多くの犠牲者を出したのち王室から絶賛逃走中。信じるかは、お前次第だがなぁ」


 ガレットはそうして、シャーロットの顔写真が載った賞金首の指名手配書を見せる。


「そんなの……何かの間違いだ!ふざけんな、何かわけがあるに決まってるだろぉーが!!」


「知らねえよ。理由があろうが無かろうが金にはなるもんは金になる。そこに差異なんかねぇんだ。盗賊の俺らがそいつを狙う理由なんてそれで十分だろぉーが」


 相手は盗賊。元々、道に居ただけの康介に襲いかかるような連中だ。理由なんか求めるのも間違いだったのもしれない。

 康介は開いた方がふさがらないまま、倒れるシャーロットの姿を見た。


( コイツが犯罪者、だと?…まてよ、俺が何者か聞いた時、答えられなかったのは犯罪者だから……)


 いいや違う。やはり、何かの間違いだ。初めて会った康介を助け、あんなにいっぱい教えてくれて…しかも、最後には力を振り絞って康介を庇った…

 何か理由が……


「って馬鹿か、そんなこと考えても意味ねえだろ」


 理由なんてどうでもいい。今は目の前の悪党を見ろ。

 コイツはシャーロットをあんなにも痛めつけた。


 人には喧嘩をする時などになんらかののストッパーがある。

 人を殴るとき最初から本気で殴れるやつなんてそう居ないし、相手が死ぬまで殴れるやつなんて康介も見たことがない。


 ただ、こいつらにはストッパーがない。やってることが不良の喧嘩などとはまるで違う。生きてる世界が違うのだ。価値観も、何もかもが


 シャーロットが康介に「逃げろ」と言ったのも頷ける。


 しかし、


「……逃げるわけにはいかねぇ」


 康介は決心する。

どんな奴が相手だろうとコイツを放っておくことはできない。

 シャーロットが負けた相手だ。康介じゃ逆立ちしても勝てないだろう。

 だからといって、今頃逃げることもできない。

 ただやるしかないのだ。


 すると、康介のその様子を見て、ガレットは呆れたようにこう言った。


「おいおい、さっきから正義の香りをぷんぷん漂わせてるけどなぁ……この女が今こうして倒れてるのは……お前のせいでもあるんだぜ」


そう、はっきりと言ったのだった。


「…ぁ?」


何を言っているのだろうか、この男は。


「お、俺が?なんで……俺に何の関係あんだよ!!こいつは俺が守るべきだったとでも言いたいのか?そんなの──」


「……ちげぇよ。見てみろ、この傷」


 そう言うと、ガレットは腕を上げ、康介に腹と胸の傷を見せつける。


「ぁ?それが……なんだ?」


「この傷はなぁ、その女にやられた傷だ」


「……何が言いたい?」


「お前が思ってるよりこの戦いは接戦だったんだよ。いや、最後はシャーロットが俺にトドメを刺すところまでいった。だから、今ここに立っているのはシャーロットだったかもしれなかったんだよ……お前のあの叫びがなかったらなぁ」


「…あ?……さけ、び?叫びって……!!」


 康介は思い出す。自分がシャーロットのことを探す為に大声で叫んだことを。


 そこから何が起こったか。


 拮抗した戦い、一瞬の隙が命取りである超人同士の闘い。


 そんな中、いきなり大きな声がして、それに反応してしまった方はどうなるか……

それは、大きな隙を見せることになってしまい……


 もう、康介がその後のことを考えるまでもなかった。


「シャーロットのやつ、お前の声聞いてびっくりして振り向いてたんだぜぇ。せっかく俺を殺すチャンスだったのになぁ」


「……やめろ」


「お前の介入がなければ、シャーロットは助かってたんだよ!!」


「うるせぇーー!!」


 そう言い、康介はガレットに飛びかかる。

なぜだろう、鉄球男と戦ってから妙に体が軽い。

 康介は地を踏み締め、ガレットにとびかかった。


 ガレットの言い分はわかった。

 シャーロットが負けたのは自分のせいだと言うこともわかった。

 だが、


(俺はただ、シャーロットが危険だと思って…)


 自分のせいでシャーロットが、康介のせいで、俺のせいで、俺のせいで、俺の俺の


「うぉーーーー!!!!」


「やめとけよ」


 ガレットはそんな康介を軽くあしらい、大きく康介を蹴りあげた。

 康介は呻き声をあげる。


「吠えるなよ。負け犬がぁ」


 そう、ガレットは康介を嘲笑うように金棒を振るう。


ボキ


 あばらが折れたような音がした。


「お前さえいなきゃシャーロットは負けなかった」


(俺さえいなきゃーーーーー)


「うっ!?」

 

 息ができない。ガレットは康介の折れたあばらを更に踏み潰した。


「お前、なんでここに来たんだ?逃げればよかったろ」


 ガレットはそう質問するが、康介はその問いに答えれるはずもなく、ただうめき声を上げる。


「まさか、お前如きがシャーロットを助けれると思ったのかぁ?」


 ガレットは康介の髪を掴み、宙を放り投げ、


「まさか、事情も知らねえ、仲間でもねえ、連れの男に足引っ張られるなんてなぁ!」


 まるで野球をするように康介を金棒で打ちつけた。

 その一撃は康介の頭に直撃する。


 どこか鈍い音がした。

 

 康介の頭から血がはじけ飛ぶ。

そして、康介の意識は闇へと落ちていき──


「お前、哀れだなぁ」


 そう言われた気がした。





「俺、弱いやつには興味ねぇんだわ」


 ボロボロになった康介を見たガレットはそう呟く。


 すると、一部始終、この闘いを見ていたギミンは茂みから姿を出した。


「終わりましたか…」


 そこには倒れているシャーロットとボロボロになっている康介がいた。


 ギミンはシャーロットを抱え込みながら、


「この女、まだかすかに息がありますね。本当にしぶとい。で、こっちの男はどうしますか?連れて行きますか?」


「放っておけ。もう死ぬだろ」


 そう言われギミンが康介を見やると、


(ひどい有様だな)


 胸は潰れ、顔はぐちゃぐちゃで血だらけ。

腕も脚も本来ありえない方向に曲がっている。


「それにしても、まさかこの男にチラがやられるとは」


「あぁ、情けねえ話だ」


 ガレットもそのことを知っていたのか、それとも察していたのかそう呟く。


「それでは戻りましょう、行くぞ、お前らも起きろ!」


 そうして、2人は倒れている部下達と、シャーロットを連れて去っていく。


 1人の少年を置いて。

    


ここまで読んでくれてありがとうございます♪


僕の小説を読んでくれてる方、何処かにいると信じて精進して参ります!

もしよければ、感想、ブックマーク、評価よろしくお願いします。

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