プロローグ
太平洋沖。
その名の通り、今日もこの海は泰平に広がっている。早朝頃で真っ暗な海は、まるで本当に寝むっているかのようにゆっくりと寝返りをうつ。
そして、水平線の彼方から微かな光が差し込み、夜が明ける。
こうして、眠っていた海にも朝が訪れ、人々の暮らしと同じようにまた1日が始まる。
はずだった。
日の出と共に、海は激しく暴れ出す。
それは、決して1日の始まりを喜ぶようなものではない。
これはまるで、海がこの世界の異変を訴えているようで……
次の瞬間、海の底から一閃の青白い光が放たれる。
その光は天高く上がっていき、雲を分け、辺りを強く照らした。
まだ薄暗かった一帯が一瞬にして、その青白い光に包まれていく。
海は暴れ、太陽はその青白い光の前には遍照という役割をなさなかった。
こうして、始まりかけた日常は、その光によって呑み込まれていく。
その光はこの平和な日常を脅かす災厄なのだろうか。
それとも……なんの変哲もないこの日常に変化をもたらす希望の光なのか……
その答えは誰にもわからない。
ただ、その青白い光によって、
世界は壊され──否、作り替えられていく。
そして、光はどこまでも進んでいく。
ただ、誰かを探すように……
この世界を救っていくように……
その光はどこまでも続いていった。




