婚約破棄からの王国の終焉
「セヴリュギン公爵家、アリーナ = セヴリュギン、貴様との婚約を破棄する事をここに宣言する」
王立魔法学園の卒業記念パーティーにて金髪碧眼の美男子ヴィニー = フォラーニ王太子が声高らかに宣言した。
パーティーに参加した卒業生と在校生代表は皆貴族で、その家族も訪れていた。
王太子の突然の行為に神妙な面持ちで状況を伺っている。
会場の中心になっているのはアリーナ = セヴリュギン公爵令嬢と王太子ヴィニー = フォラーニ。
アリーナの周りにはアリーナの従者と友人がおり、対する王太子の後ろには筆頭公爵家の次男ベイセル = オルション、宰相の息子ロヘル = ペーニャ、騎士団団長の息子ヤン = アルノルドション、大神官の息子ジャン=マリー = ルベーグ、いわゆる側近が固め、ピンクの髪に金色の虹彩を持つ半泣きの美少女エヴェリーナ = アンドレッティが王太子の腕に縋り付いていた。
エヴェリーナは辺境伯領にて平民として暮らしていたが、ある事情により王都に連れてこられ学園に通わされていた。
「畏まりました」
優雅な身のこなしで答えるアリーナ。
「…随分と殊勝だな」
「特に王太子妃にこだわりはございませんので…。いえ、王家からの要請に余計な意見をするつもりはございません」
思わず本音を呟いてしまい、扇で口元を隠すアリーナ。一瞬だが目が完全に笑っていた。
「………」
「…一応、理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
体裁を整えるために問いかけるアリーナ。
「お前はここに居るエヴェリーナを脅迫し、学園から追い出そうとしたそうだな。卑劣極まりない…」
「殿下がご執心のご様子だったので、国王陛下に相談した結果、そうなったのですが…」
「なっ!!」
アリーナの言葉に思わず後ずさるも、何か言い返そうとする王太子。
「も、もうお止め下さい、殿下」
王太子の腕に縋り付いたエヴェリーナが半泣きで止める。
「ああ、エヴェリーナ。なんと慎ましい。今、お前がここに居るにふさわしい事を知らしめてやるぞ」
「いや、そうじゃなくてですね…」
「このエヴェリーナの姿を良く見るが良い。ピンクの髪に金色の虹彩、そして彼女の使う魔法は光属性、今でこそ平民に身をやつしているが王家に連なる血筋に違いないのだ」
「ああああああああぁぁぁ〜」
エヴェリーナが情けない声を上げ、アリーナが眉間を抑える。
「殿下が自ら開けてはならない箱の蓋を開けると言うのであれば、仕方ありませんね」
「な、なんだと?!」
「自分で言っていておかしいとは思わないのですか? 貴方が一つも持たない王家の証を全て持つエヴェリーナの一族の存在を」
「は?」
「貴方の曽祖父、マルク = ガイガー公爵が国王の座を簒奪するために自分の息のかかった人間を第1王妃の座にねじ込み、自分の子供を産ませたのですよ」
「へ?」
ざわめく会場。
アリーナと国王はエヴェリーナの存在を知ったと同時に調査に乗り出し、それぞれ別ルートではあるが真相にたどり着いていた。王太子だけがエヴェリーナの能力に飛びつき自分のものにしようと画策したのだった。
王太子を止めようとその腕に縋り付いていたエヴェリーナはアリーナが全てを理解している事を悟り、その後ろに隠れるように回り込んだ。エヴェリーナが学園に入らされたのは王太子の無理強いによる物で、本人は帰りたかったので脅されたりした事は気にしていなかったと言うか、むしろ感謝していたのでアリーナに対しては好意を持っていた。
「お祖母様は第2王妃の娘として生まれましたが、政は向いていないから第1王妃の子に任せる、自分の一族は今後の王家や国政には一切関わらないと神に宣言して辺境に移り住みました。私も卒業したら帰らせていただくつもりです。もともとそう言う契約ですので。神との」
「神…」
建国の伝説に神によって選ばれた王が加護を受けて国を治めると言うのは良くあるが、この国では現実だった。周辺の環境などから考えてもあり得ないほど恵まれている。もちろん全く災害などがないなどと言う事はないが。
「放っておいて頂ければ、この国には我が一族が王家だった頃と同じ加護を得られるはずですので、止めないでくださいね」
「………」
王家簒奪と言う醜聞は瞬く間に広がったが、現国王は優秀な男だったためそのまま続投となった。そしてこのパーティーから5年後、王政が廃止された。
王様は自分の血筋を知りませんでしたし、周りからも慕われていたので王政が廃止されてからも中心になって国を動かしました。王政が廃止されたので貴族とかもめちゃくちゃになった(国の財産は基本的に王が貸し与えていると言う形なので)ので王太子がまともな人生を送る事は出来ませんでした。
アリーナもアリーナの家族も優秀な人達なので、特に問題なく暮らしましたし、エヴェリーナとも友好を深め仲良く過ごしました
この辺は本文に入れた方が良いのかどうか迷ったけど後書きにしました。どうなんすかね。わかんねっす




