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プロローグ

雨津海衣です。

誤字脱字等あればご指摘よろしくお願いいたします。


広い病室にベッドが一つ。


その上には小さな少女が横たわる。


ベッドの周りには少女の家族。白衣を着た男女と少女と同じくらいの少年。


ベッドに横たわる少女は酸素マスクの下苦しそうに息をしていた。


――あぁ。私もうすぐ死ぬなぁ…。今日良いこと一つも出来てない…。


(めい)!明!」

「明!お母さんよ!わかる⁈」

「明!」


――お父さん、お母さん、(こう)…。ちょっと一緒に居られる時間は少なかったけど今までありがとう。これだけは言いたいなぁ。


少女がなにかを伝えようとしたのに気付いたのか少女の近くにいた看護師らしい女性が少女の酸素マスクをゆっくりと外した。


――あ。分かってくれた。ありがとうございます、看護師さん。


「お...と...さ...んお...か...さ...んこ...う...

あ...り...が...と...う...だ...い...す...き...」


――私がいなくても家族が笑って過ごせますように。そして大切な友達…えんくん、すいちゃん、りょくくん、ふうくん、ものちゃん、あんちゃんが元気になって退院して幸せになりますように。


「「「明!」」」


大好きな家族の声を聞きながら少女の意識はゆっくりと落ちていく。


――ピー――


直後少女の近くの機械からけたたましい音が響く。彼女の命の灯が消えたことを示す音が。










目を覚ますと何もない空間だった。たしか私は死んだはず。


「待ってましたよ。明ちゃん。」


突然声が聞こえた。女性の声。振り向くと女性がいた。かなりの美女だ。


「え?ここは?なぜ私の名を?しかも私死んだはずでは...」


少女の戸惑いに女性は当然であるかのようにいう。


「そうよ。貴女いろいろと悪かったでしょう?そのために心臓の発作で亡くなったわ。」


そっかぁ。やっぱり死んじゃったんだ。皆大丈夫かなぁ。


「では…ここは?」


「ただの空間ね。貴女は魂が綺麗すぎて天国さえ行けないから、転生させてあげようと思って。だって貴女沢山良いことしてたでしょう?」


そう。体の弱かった私は生まれた時から死ぬ時までずっと病院にいた。その私の座右の銘は『一日一善』ならぬ『一日五善』。という訳で毎日5つは良いことをしていた。基本的にはお手伝いが多かったっけ。それを神様らしき女性は見ていたらしい。


「だから。ご褒美よ。で明ちゃん私に叶えて欲しいことはない?」


「え?」


急に言われても思いつかない。私は幸せだったから。でも考えるのは残して来ちゃった家族や友達のこと。うん。決めた。


「えっと…じ、じゃあ…私が死ぬ直前に願ったことをかなえてくれませんか?」


そんな私の願いを聞いた彼女は目を瞬かせていた。


「あんなことで良いの?今から行く世界は魔法とかあるのよ?いいの?チートとかじゃなくて。」


そんなことはどうだっていい。彼らが幸せでいてくれたらそれでいいから。


「大丈夫です。友引きだけは絶対にしたくないし、家族には笑ってて欲しいから。」


「とことん優しいのね。とっても気に入ったわ。じゃあこれはおまけよ。沢山あるからね!」


「え?沢山?」


「行けば分かるわ!あと行ったら《ステータスオープン》っていうのよ。じゃあ行ってらっしゃい!」


「えっ、ちょっと…。」


言い返す間もないまま私の意識は闇に吸い込まれるように落ちていった。


主人公

 相井 明<あいい めい>:柔和で優しく、人助けが大好き。座右の銘は『一日五善』。生まれた頃から心臓が悪く、体が弱かったため7歳で亡くなった。双子の弟や友達の幸せを一番に考える、天使のような美少女。





「面白い」「続きが見たい」と思った方はぜひ


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