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花の標べ  作者: 一ノ関珠世
第二章
29/30

9 夏期休暇

 抜ける様な青空に、白い雲。そんな空を見上げて、突き刺さんばかりに堂々と立っているホリホックの花は、鮮やかな薄紅色の花を溢れんばかりにつけている。馬車の車窓を全開にして、サラは夏の風を胸いっぱいに吸い込んだ。


 夏の長期休暇に入った。


 ()だるような暑さも、沢山の課題もなんのその、サラは学校が終わるとすぐに侍女と馬車に飛び乗って、お祖父様の邸宅に向かった。

 アルは一週間ほどイグルートン邸に帰ってくると聞いていたので、サラは指折り数えてこの日を待っていたのだ。


 今年の春は、お祖父様と一緒に春の女神様の儀式を行った。アルは、休みが短く王都からは来れなかった為不参加だ。ヴァージェンスお祖父様と行った儀式は特に問題が起こることもなく、恙無(つつがな)く終わった。やはりアルと一緒に行う時だけ、きらきらとした光が大盤振る舞いになるらしい。グノ爺に聞いたところ、「女神様のお心次第じゃからのう」と意味深げな笑みを浮かべていた。


 グノ爺が以前会って欲しいと言っていた「女神様の愛し子」という存在は謎のままだ。時折グノ爺にその子の事を聞いてみても、「今は心が閉じてしまっている」「たぶんあっちの方向にいる」「会えば分かる」と言うので、グノ爺が言った方向にジョシュアと歩いた事があるけれど、該当するような子には出会う事ができなかった。


 沢山泣いて、心を閉ざしている子がいると思うと堪らない。何かしら力になれればいいと思うけれど、会えないことにはどうしようも無かった。


 ヴァージェンスお祖父様に相談してみたけれど、「まだ出会える時じゃないのかもしれないね。グノ爺が言う位だから、どこかで2人の道が交わる時がくるんだろう。運命と言うものはそういうものだとミレーヌなら言うんじゃ無いかな」

と話していたので、気長に出会える時を待つことにした。

 



 

 久しぶりに会ったアルは何だか少しいつもと違う。


 顔を合わせない期間が長期に渡ったせいかもしれないが、ピンと張り詰めたような緊張感がアルのまわりに漂っているように見える。苛々しているわけじゃないけれど、ちょっと口元に力が入り無理している感じだ。口角の下あたりが少し凹むのですぐ分かる。神経質そうに眉間に力も入っている。


 二言三言、アルと軽く言葉を交わすが、いまいち尻窄(しりすぼ)みで話はすぐ途切れてしまう。それが何だか会わない間に空いてしまった距離の様に思えて、サラは少し哀しくなる。



 昨夕にアルに挨拶をした時には、二人で再会を喜び合ったはずだ。


 私はそんなアルを気にしつつも、いつもと同じ様に見える様振る舞った。お祖父様にそれを気取られたくなかったからだ。余計な心配をかけたくない。

 


 そんなお祖父様はこちらの事には気づかず、アルの話をサラに嬉しそうに話す。アルは一年生の最終試験では、やはり首席になったらしい。ヴァージェンスお祖父様は誇らしげにアルの方を見遣る。その隣でアルは嬉しそうに少し頬を染めながら、聞いていた。アルはやっぱりヴァージェンスお祖父様に褒められるのが一等好きなんだろう。

 


 少しでもアルと距離を詰めたくてコーヒーを飲んだ後、庭への散歩にお誘いした。この上手く噛み合わない雰囲気を少しでも変えたいと思ったからだ。

「一度部屋に戻りたいな。準備して迎えに行くから部屋で待っていて」

と言われたので、サラは大人しく部屋に一度戻った。


 前だったら、すぐに行こうと言ってそのまま庭に出ていたのになとサラは少し寂しくなる。王都にあるアナレイス騎官学校に行ってから、アルはどんどんと先に大きくなってしまっているようで、変わらず南部にいる自分が置いてけぼりにされてるような気持ちになる。もちろんサラだって、メイリンダム貴官学校の入学試験に向けて勉強は進めている。それでも新しい世界に飛び込んだアルが、着々と結果を出しているのを見るとどうしても焦りが出てくるのだ。



 部屋で待っていると、アルは行儀良く扉を叩き、迎えにやってきた。


 外に出ると、降り注ぐ眩しい夏の日差しにサラは目がしぱしぱした。朝から水をかけて貰ったのだろう、庭の花々は瑞々しく葉を伸ばしている。濃い土の匂いが鼻腔をくすぐる。


 前を進むアルに小走りになりながら着いていく。何となく前と同じように手を握る事に躊躇いを感じつつも、抗議の意味を込めてアルの袖を軽く引っ張る。


 サラの抗議に気づいたのか、アルは前を向いたままだが、心持ち歩みがゆっくりになる。

 ふと見上げると、アルの頭が随分上の方にある事に気がついた。何だか全体的に大きくなって知らないお兄さんみたいだ。


「アル、身長がすごく伸びたわね」

「そうなんだ。マルトの身長も越したからな」


 頭上から柔らかい声が落ちてきた。アルはサラの頭に手を置いて、今何かに気づいたかの様に横に並んだ。


「私も伸びたはずなんだけど」

「成長期だからね。もうサラより年下に見られることは無いだろう」


 初めて出会った時、サラがアルを年下だと勘違いした事をいまだに引きずっていたらしい。


 アルは私の指先を袖から外すと、優しく包むように私の手を握った。剣を握って固くなった皮膚から伝わるぬくもりに少し戸惑う。それでも食事の時の、ぎくしゃくとした雰囲気が緩んだのを感じて、サラはホッとした。

 アルはそんなサラの様子には気付かずに先導するように少し前を歩いていく。小径を行くアルの足取りには迷いがない。

花盛りのクレマチスは真っ白な花弁を広げ、中心の濃い紫の花芯が涼しげだ。揚羽蝶はすいーっと音もなく頭上を舞う。薄桃、白、黄色の百合は辺りに甘い匂いを放つ。

アルはそんな夏の花々を見るともなしに通り過ぎて、このまま行くと女神様の庭だ。


 何となく雑談を、と思い先日あった近辺の貴族の子ども会の話をする。ちょっとイライラした事があったのでどうしても愚痴っぽくなってしまう。


「私って程々に家柄も良くて、程々に綺麗でもなく不細工でもないじゃない?どうも気軽に声を掛けやすいみたいなの。そんな事で声を掛けられても全然嬉しくないんだけどね」


 最近の集まりでは、少し雰囲気が変わってきたのだ。今までは少数派だった婚約済みの子達が、半分くらいになってきた。揃いの腕環を付け、集まりの中でも幼いながらエスコートを受ける子達はぐっと大人びて見えた。


 そうなるとまだお相手が決まっていないと焦ってくるのか、変にお誘いを受けることが多くなってきたのだ。

歳の割には発育のいい身体を持て余すサラにとって、少しねとつく視線や下品な揶揄をするようになった同世代の男の子は、どうしても嫌悪感の方が先に立つ。

 


「しかもそういう奴に限って「えっ!君メイリンダム貴官学校にいくの?女の子だし、近くの女学校に行って早めに嫁いだ方が親孝行になるんじゃないかな。結婚して子どもを産み育てるのが女の子の幸せだよ」なんてご親切に幸せってものを語ってくるんだから。あぁぁあ腹立つ」


 

 

 アルは「そういう奴も確かにいるよね」と言いながら柔らかな声で返す。緊張が(ほぐ)れたようで何よりだ。


「男ってきっと、従順で御し易くって、頭の中は甘ったるい砂糖菓子とふわっふわのレースで一杯な女の子が殊更お好きなのね」


「ははは。でもそれはちょっと一面的過ぎるかな。少なくとも僕はそのどれも重要だと思わないよ」


「そりゃあ、アルは黙って道に落ちているだけで蟻に(たか)られる砂糖菓子ですもの」


 そうアルをからかいながら、パーティーで、アルが沢山のドレスを着たご令嬢に囲まれていた姿を思い出した。

 

「うぇ。嫌なこと思い出させないで。そんなのこれっぽっちも僕は望んでないんだけど」


 顔をしかめて不平を言っていても、アルの美しさは変わらない。美しいといっても女性的ではなく、意志の強そうな目元に、広くなってきた肩幅に、ぞくっとする程の男らしさを感じる。

 幼馴染みの私ですら、時々はっと目を惹く仕草をするのだ。


 そう言ってアルは騎官学校の自主練習の様子を教えてくれた。王都のお嬢さん方はとっても積極的なようだ。うんざりしたその表情は本心から言っているのがよくわかる。


「アルって女の子が嫌いなの?アルなら可愛い子も綺麗な子も選り取り見取り入れ食い状態でしょう?王都はここよりずっと美人な子も多いでしょうに」


「入れ食いって……。うーん…嫌いってほどではないんだけれど…。サラと一緒だよ。中身を見ずに近寄られることが不快なだけ」


「なるほど。そういう点では確かに一緒だわ」


 


 石造りの門に絡まるアイビーは盛夏の熱風にも負けずに青々とした葉をびっしりとつけている。二人はその葉から逃れるように少し頭を下げて門をくぐった。


 女神様の庭に着くと、何故かグノ爺もいないのに敷布が敷かれている。下に生えている草がふわふわとしていて、クッションみたいになっている。座り心地は良さそうだ。


「グノ爺ってば私たちが来る事分かってたのかしら?」

 

 アルはサラの問いに曖昧な返事を返すと近くに咲いていたアランドの花を一輪摘んで、腰を下ろした。花を摘んで遊ぶ歳でもないだろうにと、サラは少し訝しく思いながら、その隣に座る。


「ねぇ、サラ。提案なんだけど……そういった煩わしさから逃れる為にも僕と婚約しない?」


 コンヤク?突然すぎて頭で上手く音が変換されない。

アルは持っていたアランドの花を私の結えていた髪に差してくれた。


「ん?!いきなりどうしたのアル?」


 真意を尋ねるような気持ちで、サラは目を瞬かせながらアルの目を見た。アルは視線を逸らさず、私の方を見つめ続ける。その淡い青の色は澄明で、逆にサラの方が逸らしたくなる。


「婚約相手がいたら、変に言い寄ったりされることもないし、僕が相手ならサラの両親も安心するだろう。お互い気心も知れてるから、結婚しても上手くやれると思うんだよ」


 アルの視線に気圧されるような気がして、サラは少し考えを巡らすように顔を空に向けた。木々の葉に縁取られた空は、こちらの事は知らぬ存ぜぬとばかりに真っ青だ。


「んー。そうねぇ…。確かに、全然知らない人とまた一から関係を築いて、認識を擦り合わせていく手間が省けるのは魅力的だわ。ちょっと夫の顔が綺麗すぎるのは問題だけど、アルなら妾を囲ったとしても妻を粗略に扱ったりしなさそうだし」


 サラの言葉にアルは慌てた様に言い募る。


「や、妾とか僕には必要ないから!顔はもう我慢して!変えようがないからさ。それにサラを妻に迎えられたら大事にするよ!当たり前じゃないか!」


「あら、そうなの?浮気は男の甲斐性なんでしょう?」


「もう!サラ!そんなことどこで聞いたの?」


「男は女の前では調子よく(さえず)るものよってメリーシャが言ってたもの」


「それは一部の男で、僕は全く当てはまらないからな」


 アルは口を尖らせながら私の鼻を摘む。ふがっと令嬢にあるまじき音を立てながら私は彼の指から逃れた。 

つーんとして地味に痛い。淑女の鼻を摘むなんて重罪だ。私もアルにお返しをしようと腕を伸ばしたが、簡単に避けられてしまう。

 

「まぁ、アルはそんな軽薄な事は言わないものね」


「そうそう。それにサラが王都で文官の仕事を続けたいなら続けてもいいし、僕は爵位を継ぐことはないから女主人としての仕事があるわけでもない。どうかな?」


 何から何まで理想的な政略結婚だ。お互いのやりたい事が尊重される素敵な関係を築くことが出来るだろう。


 貴族同士の結婚で、間違ってその家の跡取りなんかに嫁ぐと、家の中のことを采配するだけでなく、社交やらなんやらで外に仕事に出る暇なんてない。爵位が高ければ高いほどその女主人としての責任は重くなっていくわけだ。なんなら愛人として囲われるくらいの方がよっぽど自由度は高いのではないだろうか。

 

 アルは伯爵家を継ぐ訳ではないけれど、将来騎士になるので、収入は安定している。サラだって王都で文官の仕事につく予定だ。いずれ王都に小さな家を買って、通いのお手伝いさんを頼めば、程々の生活はしていけるだろう。

 


 それにこれが一番重要な事だが、アルは一緒にいてサラの嫌な事を言わないしやらない。一緒にいる時間はいつだって心地良いのだ。アルに対するサラの信用度は高い。

 

 顔を上げると、お互いの強い視線が交差した。次の瞬間、私たちは固い握手を交わした。


「素晴らしい提案だわ」

「サラならそういってくれると思ったんだ」


 アルは一度握った手を離すと、ポケットに手を入れる。


「じゃあ、これを付けてて」


 アルは銀色のキラキラ光る腕環を取り出してサラの左手首に付けてくれた。腕環をよく見たくてサラは左手を顔に近づける。その様が面白い玩具を見つけた子どもみたいに見えて、アルはこっそりと笑みを浮かべた。


 細く華奢なその腕環は花や葉がぐるりと透かし彫りされていて、一つだけ小さな淡い青色の石が嵌められていた。もちろんその色はアルの瞳の色と同じだ。


「わぁっ!すごく綺麗な腕環!」


 このタイミングで差し出される腕環の意味が分からないほどサラも子どもではない。婚約した男女がつける揃いの婚約の腕環だ。まさかこんなにも早くに誰かからもらうなんて思わなかった。


「はい、お揃いだよ。ねぇ、サラも僕に付けてよ」


 ねだる様に言うアルから渡された腕輪にはサラの瞳の色と同じ薄い緑色の石が嵌められていた。筋肉の筋が浮き出た手首に見惚れる。それを、自分の手で支えながら、薄っすらと日に焼けたアルの左手首に通す。


 アルは一度自分の腕環を見て、満ち足りた色が目に浮かぶ。



「ヴァージェンス様が僕たちの名前はアランドの花から取ったって言っていたことを覚えてる?その意匠を彫り込んでもらったんだ」


「用意周到じゃない。それに今日私に断られるって考えなかった訳ね」


 この細工の美しさに宝石まで付いていることから、かなりのお値段がしたと見ている。その辺で適当に買ったものでは無いことは明らかだ。確実に特注品だろう。


「サラなら絶対大丈夫でしょ。僕のお願いを無碍(むげ)に断ったりしないって知ってるからね。それにもし断られて別の人に贈ることになっても、「僕のことを片時も忘れて欲しくないから」とか適当に甘い笑顔で言えば使えるでしょ。」


 アルは言っていることが全然噛み合っていない無邪気な笑顔を向けてくれる。

 どうもアルは少々ズレている所があるのだ。きっとこれもお祖父様の屋敷で引き篭もっていたせいに違いない。世間のジョーシキというものから隔絶したところにいたのだ。しかもただでさえ変人と言われるお祖父様に育てられたのだからこうなるのも無理はない。これから婚約者として色々教えてあげなければ。


「うぐ。考えが合理的過ぎて、ロマンチックさの欠片も無いわね!そっちの石の色は私の瞳の色で合わせたんでしょう?そこを突っ込まれたらどうするのよ」


「じゃあサラと同じ目の色の人を探せばいいよ」


「そういう問題じゃないでしょう。もう……そんな可哀想なお嬢様を作らない為にも私がちゃんと婚約してあげるわよ」


「早速みんなに報告しに行こうか」


「もしかしてお祖父様も知ってるの?」


 勿論と言いながら、にやにやした顔で私を見ているので何だか悔しくって、後ろにまわって編んだ髪をぐいっと引っ張ってやった。「イテっ」と言いながら髪を手で押さえる姿にちょっぴし溜飲を下げる。


「ほら、何事も勝率を上げる為には準備が大事になってくるからね。こちらの味方を増やしとくに越したことはないのさ」




 むくむくと嬉しい気持ちが膨らんできた。頬が熱くなるのは日差しを浴びているせいだけでは無いだろう。溢れる幸せをそのままに、アルの喜びに細めた目を見返す。


「アル!フィオレント王国で一番仲良しな夫婦になろうね」


 サラだって大好きなアルとこれからも一緒にいられる約束が出来たのはすごく嬉しい。サラは左手に嵌めた腕環を、アルの腕環にチンと合わせて鳴らした。


「もちろん、そのつもり!」

 


 その瞬間大きな風がザッと吹いた。


 周りの木々や草も身を(よじ)る様に風に(なび)きながら、きらきらと陽の光を弾く。庭全体の植物の色がぐんっと濃くなった様に感じる。


―祝福を



 耳元で何か聞こえた気がして、サラは振り向く。


 陽の光が朝露を光らせているかと思いきや、あたり一面の沢山の光がぶわっと空に舞い上がった。その光は、二人の上を円を描く様に廻ると、ゆっくりと頭上に降ってきた。

想定外の事に、びっくりしてお互いに目を合わせた。

微細な光の粒は、さらさらと二人に降り注ぐと、音もなく消えた。


「な、何かしら?」

「こういう不思議な事って大体サラに関係することで起こるよな」


 アルは、じっとりと湿度を含んだ視線をサラに向ける。サラはあわあわと慌てながら、アルの袖を掴んだ。


「私は何もしていないわよ。確かに『祝福を』て声は聞こえた気がしたけど!」

「じゃあ、きっとこの婚約を祝福してくれてたんだな。…うん。ヴァージェンス様が、こういう事はサラと一緒にいる限りこれからも続くから、早々に慣れた方がいいと助言をくれたけど、やっぱり突然起こると平常心ではいられないよな」

「わわわ、私もすごくびっくりしたし、こんな事初めてなんだけど」

 不思議な事を体験する事が多いからといって、サラだって全ての意味が分かる訳ではないし、ましてや慣れている訳ではないのだ。

 アルはちょっぴし疲れた顔をして、サラの肩に手を置いた。


「一緒に慣れていこう。それが婚約するってことなんだよ」



そう言いながら、こちらに手を差し出す。


「さ、僕の未来の奥さん。お手をどうぞ」


 アルがいつになく嬉しそうに笑み崩れている。なんだかツンとした顔でいるのも疲れたので、絆されてあげようじゃないか。差し出された手を握る。きっとこれからは優雅にエスコートもされるだろうけど、今の二人にはこうやって手と手をぎゅっと握るのがお似合いだ。



 夕方には何故かお父様とお母様までお祖父様の屋敷に到着した。アルが大事な報告があるからと事前に文を送っていたようだ。

婚約の件を伝えると勿論驚いていたけれど、皆が祝福してくれた。ただお母様はまだ若いからと正式な婚約はサラが16の歳になってからにしましょうと言い始めると、お父様もそれに加勢するので、正式な婚約は16になってからになった。


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