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9 オーガの街と二本の槍

ばたばたで、グチャグチャですが夜中のテンションなので…


「やばいもの?」」


「ああ。オーガの集団だ。俺は衛兵のオーガ100匹に終われ死にかけた。」


「オーガの集団?それに100匹だと!?どこにいる!」


「ヤングレスの森の泉から10キロほど言ったところだ。奴らは、装備を整えてやがる。規模はおよそ4,000のオーガ。多分半分はロード級だな。それと、食料兼部下のゴブリン約3,000にオークが約3,000だ。ついでにオーククイーンもいやがる。討伐にいかないと…」


「一億の軍か。それと、オーガクイーンかもいるのか…ヤバイな数が増えるぞ…。しかし、ここのハンターは現在、低ランクのものが多い。今から皇国に知らせて…」


「遅い!多分明日には攻めてくるぞ!」


突然机を叩き声を荒げる男。俺は部屋の北側にある窓を優雅に眺めている。話ついて行けねーし…


「くそっ!幸い時間はある!皆を他の町に生かせるんだな!俺は戦うぞ!」


体の調子が戻ったのか、男はふらふらとなりながらも立ち上がる。


「ばか!何を言ってやがる!」


「坊主。すまねーな…今の話聞いたろ?だから、はやくこの町から逃げろ」


男は申し訳なさそうにそう言う。赤髪も悔しそうに歯を食いしばっている。


『なぁ。エレス』


『はい?なんでしょう?』


『さっきの話。どうにかできるかな?…』


『そうですね〜。オーガはそこまで強い魔物ではありませんし、いくら数があろうと、ありの集団のようなものですよ。まあ、もう少し武器が整えば安心でしょう』


『なら、買ってきて今からいってもいい?』


『いいですね!これでご主人さまの名前が全国に響き渡るわけですね〜!行きましょう!!』


こんなんを待ってたんだよ!幾千もの敵軍を一人で圧勝って楽しそうやん?無双やん?憧れるぅ!

真剣な表情で睨み合っている赤髪と男を見る。


「よし!俺がなんとかしてやるよ!」


「「は?」」


俺は、二人の言葉を聞かずに走り扉を出て行き、ギルドを飛び出る。すると、目の前に見覚えのある女性が立ちふさがった。

道を教えてくれたおばちゃんだ。おばちゃんは、笑顔で話しかけてくる。


「武器屋は、酒場街道の一番端の店に行きな」


「なぜ、武器屋を探しているとわかったんですか?」


そうおばちゃんに聞くが、すでにおばちゃんは目の前にいなかった…なんなんだ?…

構わず、おばちゃんの言うとおり、酒場街道の端に向かう。すると、ボロボロな店があった。『グラーイス武具店』と書かれた看板がかかっている。

中には、武器が所せましといてあった。てか、ぐちゃぐちゃだ。置ければ置くような乱雑さ。店の奥のカウンターには毛むくじゃらなおじさんがいた。おじさんは、なにも言わずこちらを見てくる。


「こんにちは。時間がないんで見せてもらいますね」


「………」


寝てんじゃねーよな?目が合ってるし…でも、しゃべんねーぞ?無口キャラ?


『エレス!どれがいいのかわからん…』


『鑑定を使います!…えーと…あの槍とその奥の槍!』


全部アバウトだが、アレスの言うとおりの武器を手にとる。一本目の槍は、真っ赤な薙刀だ。シンプルなのだが穂先はキラキラと輝いてる。もう一方の槍は、十字文字の穂の槍だ。どちらも、強そうだ…

俺はそれらをもって、毛むくじゃらのおじさんのいるカウンターにおく。


「いくらだ?」


「白金貨5枚だな」


「え?」


想定外だ…お金がない…。


『どうする…おかねないぞ?…』


『ご主人様はバカですね!』


「あの…諦めます…」


そう言ってやりを元の戻すためカウンターから取ろうとするとおじさんがいきなり俺の手を止めた。


「お金はいい。持って来な、坊主。…たくっ…こんなガキに、あいつもなんで肩入れするかね…。」


「まじでか!それじゃ、ありがたく。」


店主がなにか最後行っていたような気もするが、気にしない。

俺は急いでと、武器屋からでた。両手で槍をもち、背中には杖。ベルトは傍に刺してある。さあ、武具は揃った。

急いで男を見つけた森の泉へ向かってはしった。


『たしか、泉を10キロ程行ったところって言ったか?場所がわかんねーな…』


『索敵しますね…。そこから20度曲がった直線にたくさんの気配がします!』


『了解!』


少し向きをずらし走る。走って五分程度ですぐ『集団』が見えてきた。ウジャウジャと多くの異形がいる。鬼のようないかつい顔のオーガや、豚ズラのオーク。その周りをうろちょろと動き回るゴブリン。見た感じ食事中のようでオーガは、素手で近くにいたオークを殺し肉を数人で食らっている。オークは、オークを食っている…ゴブリンは、オーガやオークの食い残しを食っている…ぐろ…

多少テンションは下がったが、無双の始まりだ!再びテンションを上げていく。


『あれだよな?…』


『そうです。まあ、ご主人様はただの見物みたいなものですよ!しかし、レベルは上がりますからパワーレベリングですよ!では、皆に掛け声でもかけてください』


『お、おう…それじゃあ、程々に滅茶苦茶にしてくれ!行くぞっ!』


『『『おう!』』』


『ご主人さま!槍のインテリジェンス化をお願いします!』


俺はエレスの言う通りインテリジェンス化をする。


『うわ!なんじゃこりゃ!』

『な、なによ!?!?』


最初の声が十文字の槍だ。声的には渋く低いおじさんの声だ。声だけで、おじさま感を感じる…

次は、若干声の高めの女の声だ。響くような声で、澄んでいる。


『すまんな。君達にはインテリジェンス化をさせてもらった。エレス!後は頼む!』


『そんなことができるのか?』

『はじめて、主人と話すことができたわ!!』


『初めまして。私はエレスと申します。これからは、私の指示に従ってもらいます。』


『『は、はぁ…』


すると、二本の槍が俺のそばで浮かぶ。しばらく、槍が勝手に感触を確かめるように突いたり凪いだりしている。武器が勝手に動いている光景って案外シュールだな…

俺はすぐさま腰のベルトを引き抜いて構える。


『行くぞ!ベルト爺!』


『年よりに無茶をさせおる…。とことんやってやろうではないか!』


いっきに、駆け出し集団に突撃する。作戦なんてものは考えてすらいない。当たって砕けろだ!

すると、俺に最初に気づいたゴブリン達が鳴き声と共に襲ってくる。走りながら薙ぎ、突き、刺していく。後ろから襲い来る奴は槍が対処してくれる。とおくから、魔法や弓などで攻撃してくるものはエレスの魔法で処理していく。おおよそのゴブリンが死ぬと、だんだんオークが混じってきた。何匹かのオーガがこちらを観察している。戦闘開始からおよそ30分程度だ。


『大丈夫か!みんな!』


『『大丈夫です!』』


衣服のおかげで攻撃がかすりもしない。そして、オークを殺し続けていると、オーガが出てきた。オーガは頭がいいのか、突撃はせずスキを狙って攻撃してくる。オーガはボロボロだが一応鉄などの防具を着ている。オーガメイジの魔法はとても強そうだったが、魔法を放つ前にエレスの魔法で瞬殺されていた。

オーガは配下のゴブリンやオークに襲わせ、その戦闘で疲れた俺を殺す予定だろう。しかし、誤算だな。俺が動いているわけでないので疲れないし、インテリジェンスしたものは疲れ知らずだ。勝ち目なんて元々ないだろ。難点は、多少返り血がうざい程度だ。

ある程度のオーガを倒すと、一気に駆ける。襲いくるオーガを切り捨てながら、中央に走り込む。すると、先ほどまでのオーガとは明らかにちがう4mほどの巨体に銀の鎧。片手にハルバードを担いだ怪物がいた。おそらくあれがボスキャラだろう。そのとなりには、若干小さいが倒してきたオーガよりはでかいオーガが二体いた。

すると、オーガが二体が襲いかかってきた。すると、槍の二つが受け止める。俺は、悠々と一番でかいオーガに向かっていく。


『ご主人様!魔法で鑑定を行った結果、あの二体はオーガキングで、あの一番でかいのはオーガキングの上位種のオーガエンペラーです!』



なぬ!?

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