8 謎の男
翌朝、どんどんと扉を叩く音で目が覚めた。俺に知り合いはいないわけで…誰だろう?恐る恐る扉を開けるとそこには昨日のウェイトレスの二人が立っていた。二人の手には紙とペンが握られている。二人とも緊張しているのか、少し震えている。
「おはよう。綺麗な女の子が朝早くから何のようかな?」
綺麗と言われたのか、二人ともモジモジとしながら、前に押しては、押し返したりしている。その後、金髪の方が意を決して話し始める。
「お、おはようございます!あの!昨日の約束通り、レシピを聞きにきました!!!お願いします…」
「お、おねがいします!」
「おお!そうだったね。ここじゃなんだし、どこかあるかい??」
「なら、一階のテーブルで!お父さんも、市場から帰ってくると思うし」
「なら、下で待っていてくれないか?すぐに行くから」
「「はい!」」
二人が元気良く廊下をだだーと走っていく。元気だなー。ドアを閉めるとすぐにワイシャツに話しかける。
『レシピだが、どうすればいい?』
『おはー。食材の名前わかんないけど、覚えてるわよ?』
『おはよう。なら、あとで教えてくれ』
『はいはい』
エレに水を出してもらい顔を洗った。そして持ち物もほとんどないので、割とすぐ部屋から出て、すこし長い廊下を歩き、一階へ続く階段を降りる。中央のテーブルに双子が座っているので、そこへ向かって歩いていくと、店の入り口があき大きめの竹かご?を背負ったこの店の店主のおっさんだった。
「おお!朝からすまねーな!時間が朝しかなくてな。んじゃ、レシピを聞こうか」
おっさんは、そのまま金銀双子の隣に座った。すると、金銀双子の顔が一気にしかめっ面になった。
「それじゃあ、まず自己紹介だな。まずは、俺からかな。俺はキーロン=オールブライトだ。昔聖騎士団の団長をしていた。Aランクだ。よろしく」
「あ、はい。俺はジン アマノボリです。よろしくお願いします」
「私はパメラ!パメラ=オールブライト!」
「ウチは、イネス!イネス=オールブライト!」
「そうか。よろしくな。キーロンさん。それと、パメラちゃんとイネスちゃんは、双子なのかな?」
「ああ。こいつらは、俺の妻の連れ子でな。妻は三年前に行方不明なんだよ。二人とも、龍神人との子でな…まあ、俺の血がないおかげで可愛いだろ??」
「ええ。可愛いですよ。奥様が…そうなんですか…ああ!それじゃ食材の名前わかんないんで、もう一度作りますから自分たちで書いていってください」
「そうか。なら、昨日と同じよう作ってくれ!食材は入ってるから」
昨日と同じく厨房へ向かっていく。服をワイシャツにたのみまた同じものを作った。双子が一生懸命書き下ろしている。
おいおい。二人で書いたら意味ないじゃんか…まあ、仲がいいんだってことでいいか。ところどころも質問はキーロンさんがしてくるが、適当に流す。
「おお!助かった!今から作ってみる!ありがとな!報酬は…」
「いえ。結構ですよ。この宿に住まわせてもらっているのですから。これ朝飯としてくいますね」
「そ、そうか?なら、お言葉に甘えて…。飯は、食ってくれ!』
ガツガツと食っていると、後ろで双子がもめている。「これくらいだった!」などの分量の話だが…分量の話をしてもわからないと思うので「適当だよ」といいきる。食べ終わると、パメラちゃんがお皿を下げてくれた。なので、そのまま宿を出て、ギルドへ向かう。
ギルドでは、みなが視線をはずしてくる。まあ、あんだけ暴れたんだ当たり前か…
素早く毛地盤でクエストをみる。確か俺はFランクだから…皿洗い、庭掃除…雑用しかない。薬草採取やん!王道〜!森の探索のついでにやってみるか!
Eまでのランクのクエストは剥がさず、事後報告と聞いたので、剥がさずそのまま走ってギルドを出て森へと向かう。
思ったのだが、さすがにベルトではこれから先無理があると思う…
『なあ、エレス。どんな武器が俺にあっていると思う?』
『ご主人が個人として戦闘をするならば、刀でしょう。まあ、私が浮かせてズバーとかグサーとかできますよ?』
『そうか…意思を持たせて、自分で動いてもらえば楽だな!』
『はい!ですので、なんでもできますよ!』
まあ、きけんな目にあいたくはないし努力するのもなーって思うしスキルに頼ってレベルあげてそれから個人を鍛えるって感じで行くかな。
適当に、どんどん歩いていくと、大きな泉があった。そして、体十傷だらけの男が半身水に浸かって青抜けに倒れている…え?
『おい!大丈夫か!!!エレス!どうすればいい??』
『ご主人様には魔法が使えませんから私がやります!)
すると、男の周りに円状に光が出てきて男を包み込んだ。どんどんと、傷がウニョウニョと動きながら治っていく
『ご主人さま!治りました!』
『もう、治ったのか?』
『ええ。大丈夫ですが、意識の部分ではまだ治っていないので動けないと思いますよ』
すると、男がゆっくりと目を開けた。確かに体は動かないみたいだ…
「こ。ここは…」
「気がついたか。ここはユニセティ国の近くの森だ。」
「はっ!すぐにギルドに行かなければ!くそ…う、うごけない…」
「あまり無理はするな。治ったばかりだ。俺がおぶってやる」
そういうと、俺は男をクビに乗せスキルを発動させる。
『すまん!あと頼む!』
『『『了解!』』』
すると、走り始めた。数秒でマックス速度まででた。もう、俺は慣れたのだが…上の男…ヤバイよね!?!?
「なぁぁっっっぁぁあああああああああ!!!!」
男は首のところで叫んでいる。
木々を飛び越え道を走りまくる。数分で門につき警備の人と話をする。
「さっき、こいつを拾ったんだがどうする」
「お、おう。そうか…おい!お前身分証はあるか?」
「あ、あある…。それ」
男は服の内ポケットからなにやら金色のネックレスを出した。すると、警備の人間は驚き態度を一変させた。
「ま、誠に申し訳ございませんでした!!!!」
「いや、いい。それより、お前!そのままギルドへ連れていけ…」
「お前って俺か?ったく…はぁ・・・金貨一枚な!っ捕まれよ!!」
男の態度に少し癪に障ったので全速力で走るように服に伝えた。
「うぎゃぁああああああ!!」
うるせーな…慣れろよ…
おそらく、1分以内でついたと思う。俺はそのまま勢いを殺さず男を前にしてそのままギルドの扉を蹴り開ける。
「到着。」
「いってぇ…お前…ぶっ殺す…」
「おいおい。感謝するとこだろ?」
「何ごとだ!!!!」
すると、ギルドの受付の後ろの扉から赤髪のデカイ男が飛び出してきた。赤髪はこちらに気づきに話しかけてくる。
「おお!レイクではないか!背負われておるようだが?」
「すこし、話がある!お前の部屋で話す!そのまま連れて行ってくれ!」
俺は男の言う通りについていく。受付の後ろの扉に通される。扉の先は、廊下になっており幾つのも部屋がある。赤髪が先頭を歩くのについていく。
すると、突き当りの一番でかい扉に通された。中に入ると、黒いソファーが置いてあったので担いでいる男を叩きつける。ソファーの目の前の椅子に赤髪が座る。
俺は立ったままだ。
「いって…。は!そうだ!俺の依頼はなんだったか覚えているよな」
「ああ。森の調査だったか?」
「ああ。それで見つけた。やべーもんを見つけた。」
「やばいもの?」」